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【10】 セルフ・エスティーム

エフィカシーと対になる概念が、セルフ・エスティーム(self-esteem)です。日本語では、自尊心と訳されます。

セルフ・エスティームもエフィカシーと同様に自己イメージの構成要素です。

エフィカシーの定義は「ゴールを達成する自己能力の自己評価」でした。

それに対して、セルフ・エスティームの定義は「自分の価値に対する自己評価」です。

エフィカシーがゴールという未来に起点がある概念であるのに対して、セルフ・エスティームはゴールとは関係なく、どちらかというと過去に基づいて形成されているものです。

セルフ・エスティームの高さは非常に重要です。なぜなら、私たちは自分が受け取るにふさわしいと感じるものを自分自身の周りに引き寄せるからです。
自分にふさわしいと思う友人、恋人、職業、収入、機会といったものを引き寄せます。
セルフ・エスティームが低いと、良い職を見つけたり、チャンスをもらっても「自分にはふさわしくない」と思い、拒否したり断ってしまいます。

セルフ・エスティームが高い人は「自分は価値ある人間だ」と確信しているだけでなく、「他人も価値ある人間だ」という信念をもっています。
だから、他人と比較して自分を卑下したり、逆に、自分より優れた他人を見て引き下げようとは思いません。
むしろ、自分の成長したい分野で高いパフォーマンスを発揮している人と積極的に関わろうとするでしょう。

ここで大事なのは、セルフ・エスティームもエフィカシーと同様に「自己評価」であるということです。他人がどう思うかは一切関係ありません。「自分は価値ある人間だ」とどれだけ確信しているかです。

「自己評価」であるということは、セルフ・エスティームも信念のひとつであるということです。
そのため、自分自身に対してどのような思考・評価を積み重ねていくかが、セルフ・エスティームを決定します。
その思考や評価は、自分自身に対する心のなかでの語りかけ、すなわちセルフ・トークという形をとります。
心のなかで自分を卑下したり、自分に対して皮肉を言ったりすることを一切やめることが、セルフ・エスティームを上げていく第一歩です。

ワーク
自分が一緒にいて自然に感じる相手は、どのような人ですか?
また、その人たちは普段どのような発言をしていますか?
反対に、自分が一緒にいて居心地悪く感じる相手は、どのような人ですか?
その人たちはどのような発言をしていますか?
少し思い出してみてください。

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