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【27】 コンフォート・ゾーンの内と外

自分が慣れ親しんでいて、落ち着いていられる領域のことを、コンフォート・ゾーンと言います。

以前の記事でも、コンフォート・ゾーンの内側にいるときと外側に出たときの違いを解説しましたが、今回はより具体的に考えてみたいと思います。


コンフォート・ゾーンの内側にいるときは、リラックスして、いつも通り振る舞うことができます。
行動する際も、努力することなくフリー・フローの状態でいられます。
家の中で活動したり、仲の良い友人と馴染みの店で話しているときには、無理に頑張って何かをしている感覚は生じません。

重要なことは、コンフォート・ゾーンの内側にいるときはリラックスしているため、思考力が高い状態が維持されているということです。


模擬試験は試験という状況に慣れることで、本番の試験をコンフォート・ゾーンの内側に取り込んでしまうことも役割の一つです。
本番の試験が自分のコンフォート・ゾーンの中であれば、本番でもリラックスして実力を発揮することができます。

スポーツや身体を使う仕事であっても、パフォーマンスを発揮するには状況を正確に判断するといった認知的な部分が重要となります。
冷静に状況を判断し、思考するためにも、コンフォート・ゾーンの中で行動できることが重要です。


では、コンフォート・ゾーンの外に出たときには、人はどんな反応をするのでしょうか?

コンフォート・ゾーンの外に出ることは、マインドにとっては「自分が異常事態に置かれている」ことと同義です。
そのような状態に置かれると、マインドは身体を緊張させ、思考力を落とします。
「ファイト・オア・フライト(闘うか、逃げるか)」の状態になるとも言えます。

本来、これは動物として、とても重要な機能です。
たとえば、山で熊に遭遇したような場面では、冷静に「この熊の種類はなんだろう…」と考えている場合ではなく、一目散に逃げなければなりません。
しかも、体をぶつけたり切ったりしても、その感覚は遮断して走って逃げる必要があります。

普段の生活では、このような命の危険はありませんが、コンフォート・ゾーンの外に出ると、マインドは「命が危ない」ときと同じような反応を生じさせます。
その結果、人前で話すときに緊張して声が上擦ったり、試験で緊張して「頭が真っ白になる」といったことが起こるのです。
スポーツなどでも、身体が緊張したり、的確な判断ができなければ、良いパフォーマンスはあげられないでしょう。


現代においては、いつでもリラックスして思考力を高く保てるかが重要になっています。

自分がパフォーマンスを上げたい領域があるならば、コンフォート・ゾーンを広げていくことがとても重要です。

ワーク
自分が成長したい分野において、どれくらいのパフォーマンスの高さを「自分らしい」と感じますか?
それよりもずっと高いパフォーマンスを上げている自分を想像してみてください。
「そんなことできっこない」と思ったり、想像しただけで緊張してドキドキしてしまうほどの高さのパフォーマンスをしている自分です。
想像できたら、そのイメージを今まさに経験しているように、一人称視点で想像してください。
繰り返し思い描くことで、そのイメージを自分に取り込んでいってください。
これによって、自分が高いパフォーマンスを実現している状態をコンフォート・ゾーンにしていくことができます。

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