えんさんの今週の1冊 #12
副代表の遠藤(通称えんさん)です。
このマガジンでは読書好きな僕が毎週1冊の本をコーチングの視点から読んで紹介しています。
過去の記事はコチラ。
今回の本はコチラ。
椿山課長の七日間 浅田次郎 著
読みやすさ度★★★★
在り方重視度★★★
実践しやすさ度★★
持ち運びやすさ度★★★★★
こんな人にオススメ
・大切なことは何かを考え直したい
・後悔しない日々を過ごしたい
・誰に何を伝えたいかを考えたい
・誰に会いたいかを考えたい
・何を遺したいかを考えたい
本の内容
椿山和昭は働き盛りの46歳。
過労で倒れ、現世と来世の中間にある中陰の世界で目が覚める。やり残した仕事、愛する家族を思うと、どうしても自分の死を受け容れられず、現世に戻ることを願い出る。
許されたのは初七日までの三日間。中陰でかけられた「邪淫の罪」の疑いも晴らすため、美女の肉体を借り現世に戻るが――。
死後の世界を涙と笑いで描いた感動的なファンタジー。
こんなところがコーチング的
「何のために」が明確な人の意思は強いところがコーチング的。
コーチングセッションでは「何をするか」の前に「何のために」について考えるのでクライアントの行動へのモチベーションが高まります。
この本でも椿山課長を始めとして現世に戻った3人は全員が自分の死に納得できず、やり残したことがあるという強い想いがありました。
だからこそ簡単には成仏せずに現世に戻ります。
ただ、少し惜しいなと僕が思ったのが、この3人がコーチングセッションを受けて現世で「何をするか」まで明確にしていたらもっと違う過ごし方ができたのでは?と感じるのも、コーチング視点で読んでいると思うことです。
というワケで、「何のために」と「何をするか」はセットでどちらも欠かせないところがコーチング的です。
また、視点の移動ができるのもコーチング的。
普段から生活の中で「自分が突然死したら」と常に考えて行動いる人は少ないと思います。
コーチングセッションでも、例えば会社を経営している人に対して「命があと3日しかないとしたら誰に何を伝えておきたいか?」「最低限やっておきたいことは?」とあえて制限して考えてもらうことで本当に大事なことや逆に手放しても良いことに気づけます。
これは会社じゃなくても、親が子に、先生が生徒に、監督が選手にという縦の関係性だけでもなく、チームメイトに、仲間に、友達にと、コーチングセッションでは色々な関係性の人に有効な質問です。
自分の視点からだけではなかなか考えつかないからこそ、視点を移動して「もしこうなったら」「これだけはやっておきたい」を考えておくって大事です。
この本のココが好き
「自分だったらどうするかな~?」と考えさせてくれるところが好き。
もちろん突然死なんてしたくないけど、生きている限り絶対にそうならない保証はなくて、でもできることなら考えたくないことなのは事実です。
でもこうして小説を読むことで、あまり深刻にならずに考えることができました。
しかも以前この本を読んだのは今と同じ時期のお盆休み前後でした。
ご先祖様に想いを馳せて、命を繋いでくれたそのご先祖様たちのためにも、改めて後悔しない人生を送ろうと思いました。
本との出会いってタイミングもあるな~と思います。
あとは物語自体も好きです。
現世に戻らなかったら知らずに済んだこともあるよな~これって現実世界でもあるだろうな~と思いながら読むと「知らぬが仏」という言葉もごもっともだと思います。
そして現世に戻った3人を取り巻く登場人物が最後の最後にそう繋がるか~というもの小説ならではで何だか感動しました。
最後に
皆さんは自分が突然死したらどんなことに後悔しそうですか?
また、突然死してから初七日までの間だけ、姿を変えてでも現世に戻れるとしたらどんなやり残したことをしたいですか?
この次にくる質問はありふれていますが、「では、時間が限られているならやると言うそのことを、なぜ今やらないんですか?」
そうなんです。多くの人は命に限りがあると知りながら、明日も明後日も当たり前に生きて人生が続くと思っているんです。
それが当たり前じゃないと分かった時には既に手遅れなんてことになっているかも。
僕は飲み物が気管に入って息ができなくなったり、肺炎で高熱や咳が出たり、病んで会社に行けなくなったりした時に「このまま元に戻れず人生が終わったらどうしよう?」と考えたことが何回かあります。
だからこそこの本が単なる小説だとは思えず自分のこととしえ考えながら読んで、改めて後悔のない毎日を過ごそうと思いました。
もちろん、将来的にやりたいことはたくさんあるし、その計画も立ててはいますが、もし今死んだとしても後悔しないような生き方、ある意味「これだけやっててもここで死ぬなら仕方ないか。」と諦められるような生き方をしているつもりです。
と言いながらも、多分、生き物としての本能で、死を目の前にすると「もっと生きたい」という想いは持つとは思います。
そうだとしても、日々の生活の中ではできることを全力でやっておきたいなと思います。
その時に大事にしたい価値観や優先順位を決めるのが難しい場合は、コーチングセッションを受けてみることをお勧めします。
誰かに話すことで気づけることもたくさんあります。
ぜひ共に「我が生涯に一片の悔いなし(北斗の拳/ラオウ)」と言える人生を送りましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
もし良ければ過去の記事も併せてご覧いただけると嬉しいです。
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それではまた来週。
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