ハーバード講師に1時間コーチングしてもらったら人生が変わりそうな話。

こんにちは。

コーチングやファシリテーション、組織開発に興味がある、国際機関職員のTomoです。

去年の9月から、所属組織でリーダーシップ研修をうけているのですが、
その研修講師が先日、1対1のコーチングをしてくれました。

その1時間があまりに深くて、人生が変わりそうだったので、そのときの体験を書き残しておこうと思います。

どんなコーチだった?

コーチをしてくれたのはハーバード大学でも講師を務める
こちらのフランス人の女性。

もう一人、男性の講師とペアを組んで、9か月にわたるリーダーシッププログラムの研修講師もしてくれています。

僕もハーバード大学のケネディ行政学院で修士を取得したのですが、
そのときにも学んだAdaptive Leadershipの理論をもとに
研修プログラムが組まれています。

著名大学などで講師もされている方なので、
普通に1時間のコーチングをお願いしたら、
数万円かかるレベルかと思います。

どんなことを話した?

2時間の研修が終わったある日、突然彼女からメールが来て、
「今度、いつか空いている時間にズームをしよう」と誘ってもらいました。

具体的なテーマが設定されていたわけでもなく、
僕も「これを話したい」と思ったことはぎりぎりまで思いつかなくて。

直前まで会議が詰まっていたので、準備不足のまま自然体で臨みました。

会話の始まりは、

「研修の感想でも、プロジェクトのことでも、なんでもいいからいろいろと聞かせてほしい。」

という質問。そこで僕は、

「この研修では、とてもいい意味で自分がチャレンジされている気がする。
普段の職場にはない形で厳しい指摘が飛びあう。だから学びがある。
でも、オンラインの研修だからかわからないけれど、同じ研修仲間とのつながりを感じられない。本当ならお互いに切磋琢磨して学びあった後、もっと友情や信頼関係でつながりたい。傷口を癒して、また戦場に行けるような、戦友でありたい。」

って普段思っていることを口にしたら、
彼女はちょっと笑いながら、

「それは面白い。」
「でも、なんか夢をみているかも。」
「なんで傷口を癒さないといけない?」
「現実なんてみんな傷だらけかもよ?」

と矢継ぎ早に問いかけがはじまり、
いくつか問答のあと、とても興味深い質問が。

「これは内的家族システム理論の考え方なのだけれども、私にはあなたの中から少なくとも3つの声が聞こえる。とても傷ついた声もある。それはどんな声?ちょっとゲームをしているような感覚でいいから、ひとつ実験してみよう。目をつぶって、時間をとってもいいから、その傷ついた声を呼び覚ましてみて?なんて言ってる?どこから、何を訴えている?」

と聞かれました。

何がすごかった?

ここからがかなり神秘的なのですが、
この質問をうけた僕は、自分が小学生のころ、
いじめを受けていた女の子を見つめて苦しい気持ちになっていることを思い出して、その時の自分と対話できた気がしたのです。

「その声はとっても強い声で、いじめをとめて!って叫んでるんだね。」

ここからその「声」が紐解かれるのですが、
たしかに僕は自分やまわりの誰かが差別的に扱われることに
とても強い抵抗を持っていて、
その場にいる誰もが地震や笑顔でいられるように
何か力になることにとても強い動機があります。

なんとなく自分で知っていたことが、はっきり言語化された感覚がまずありました。

そしてコーチと話してさらに分かったのは、
そうした差別を止めることを推進するはずの国際機関に入ったのに、組織の内部では平気で差別やいじめのようなことが幹部レベルでも行われていることが、僕の中での強い違和感に通じていること。

そんな邪悪な環境を壊したい自分は
これからも組織の中ではつらい立場に置かれるかもしれないけど、
それでも自分の信念や輝きを失わずに、自分のままでいることができたらいいね、ということを声がけてもらいました。

セッション中は自分の話を聴かれるのが半分、あとはいろんな本や詩などを引用しながら、アドバイスをうける場面もたくさんありました。

いまでも不思議なのは、なんで研修の感想を簡単に述べただけなのに、自分の人生の根本的な体験までものの数分でさかのぼることができただろう、ということ。

やはりこれがプロの技なのでしょう。。。おそるべし。


人生はどう変わりそう?

このコーチングを受けてから、自分の中ですぐに変わったことが二つあります。

ひとつは、自分がおかれている環境で差別や侮辱のようなものに対抗して、むしろほめたり、ポジティブなエネルギーを持ち込むことに、よりはっきりと自分の存在意義や価値観を見つけて積極的になったこと。

もうひとつは、彼女の真似はとてもできないけれど、なるべく話している人の「心の声」を聴こうと耳を澄ましてその場の空気や感情を読もうと努力していることです。

ちょっとした例として、じつはこのセッションのすぐ翌日にチーム会議があったのだけれど、
発表者の同僚に対して結構厳しい意見が相次いでいたし、
発表者自身が自信を失っていることがよく伝わってきたので、
流れを変えるためにも
「もちろん改善点はいろいろあるけれど、ここまで来たことがものすごい進歩じゃない?」と言ったら
「やばい、うれしくて泣きそう、ありがとう」との返事が発表者から返ってきました。

一回のコーチングで一般化はできないけれど、
こうして人の話を聴いてアドバイスをすることで
人の生き方や気持ちを一生かえられるなんて、
魔法みたいな力だなと感激。

内的家族システムをはじめ、もっと人の心やコーチングについて勉強したいと思わせられる、心揺さぶられる体験でした。

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