社会を変えるチカラを引き出したい。
(注)「ぼく」に関する、ど真ん中直球記事です
日本を飛び出して、アフリカで途上国開発の仕事をはじめてから12年。
途中でハーバード大学院で留学したり、国際機関でアジアとニューヨークを行き来したりしながら、どっぷり途上国の貧困の問題に政策の面で向き合ってきました。
今年になってからは、<政策を変えるカギになるのは、社会を変えたい意思を持って行動できるリーダーだ>との想いから人やチームの能力を引き出すためにコーチングやファシリテーションを本格的に学び始めました。
ここまで、自分のエネルギーや情熱、興味で突っ走ってきました。
一方で、結局自分は何に興味があって、何がやりたいのかをはっきり考えることも言語化することはありませんでした。
今回の記事ではど真ん中直球で、今自分が考えて、目指していることを書いてみます。
たくさんの人に共感されたり役立つ内容ではないかもしれません。
でも、どこかで出会った方、あるいはこれから出会うことになる、同志の人とつながるきっかけになったら嬉しいです。
①どこを目指しているのか
僕が憧れる世界、それは一言でいうと
「誰もが居場所と希望を感じられる世界」です。
ずーっと社会問題に興味があり、経済学や公共政策を勉強し、
貧困問題を解決するための国際機関で10年仕事をしてきました。
環境問題や経済問題など、いろんな社会課題があるなかで、
僕の興味は<人、居場所、尊厳、希望、差別、偏見、、、>
あたりに集中してます。
これは幼少期の経験が大きいかと。
5歳の時に突然父親の転勤でアメリカの公立幼稚園に入り、いきなり異文化、英語環境の中ではじめは独りぼっちだった体験(あまり覚えていないけれど…)
小中高のなかでいろんなかたちでの差別やいじめをみたり、経験してきたつらさ。本来の自分をうまくだせなかった悔しさ。
大学時代に海外との学生と触れ合いたかったのに、英語力と異文化体験が完全に不足していてどうしたらいいかわからなくて挫折した経験
これらの自分の中で「居場所がない」「希望が持てない」つらい思いをした期間は今でも一つの原点になっているかもしれません。
大学を卒業したあとは、途上国で特につらい状況に置かれている人たちに接する仕事に就きました。南アジアやアフリカの最貧国で感じた途上国のエネルギーと、差別や貧困の現実も、いまの仕事の原動力になっています。
これらの経験を通じて、僕の中ではいくつかの信念を持つようになりました。
役職や人種にかかわらず、だれにでも尊厳を持って接したい
人が尊厳をみとめられ、本当の力を発揮できた瞬間は尊い
差別やいじめをする側の人にも余裕がなく、なんらかの生きづらさを感じている
社会的に影響力のある人がいじめや差別を止めたり、ポジティブなメッセージを発することには大きなインパクトがある
自分の人生は変わる、社会は変わる。そんな希望を持っている人は強いし、自分もその希望を忘れずに持ち続けたい。
こんなことを大切にして生きていきたいと思っています。
②何をしてきたのか
「誰もが居場所と希望を感じられる世界」を作る方法は無数にあります。
そのなかで、僕は経済学のバックグラウンド、途上国での経験などを生かして、国際機関の職員として、子供の貧困を政策を通じて解消する仕事をしてきました。
途上国に住んで直接政府に働きかけたこともあれば、いまはニューヨークの本部で各国で活動する同僚をサポートする仕事をしています。
いくつか大事にしてきた要素があります。
「子ども」にフォーカスしてきたのはつらいこともあった自分の幼少期のせいかもしれないですし、なんとなく性格上子供のことが好きだという単純な理由かもしれません。(三児の父でもあります。)
「貧困」は人の希望や居場所を奪う大きな要因で、世界的な社会課題の一つであることは間違いありません。様々な研究によって、貧困家庭向けに経済支援をすると、子供にも、家庭にも、社会にも多くの成果がでることも証明されているので、あとはいかに政府や支援機関が本気で支援するか、にかかっています。現状より、一つでも多くの国が、子供の貧困解決のために政策を改善することを一つのゴールにしてきました。
自分でプログラムや団体を作るのではなく、国が「政策」を通じて、居場所や機会を奪われた人たちを支援する仕組みづくりを支援することに注力してきたのは、スケールのあるインパクトへのこだわりからです。僕が関わってきた国の中では、政府が新しい政策を策定し、800万人がコロナ時の緊急支援を受けられるようになった例もあります。
もちろん、「政策」にフォーカスすることのデメリットもあります。例えば、最終的な決定権は途上国の政府にあるというリスクもあります。政府が変わることによって長年の努力が全く無駄になったり、ひとつの変化を生むのに十数年かかる、というような面もあります。
政策の変化という一見無機質(?)に見える目標を達成するためには、ものすごく多くの人たちの合意が必要で、特にリーダーとなる途上国の人が、どんなに困難があってもその政策を通すために長年、努力を続けることがカギになることを何度も目撃してきました。
ある国の政策を変えるためには、外国人ができることは限られています。そして政府の役人や政治家などはリスクの伴う大きな変化を好まないことも多々あります。
「現状打破」が難しい、硬直した状況をそれでも変えられるのは、「心から変化を望む、人を巻き込めるリーダー」の力が背後にあります。黒人差別に戦ったキング牧師、保険改革を進めたオバマ前大統領、アパルトヘイトを終わらせたマンデラ大統領、ウクライナを守るゼレンスキー大統領は世界的なリーダーです。そこまで注目されることはなくても、それぞれの社会に、強いビジョンを持って行動し、社会を良くしようとする政治家や社会起業家、事業家、投資家、教育者、NPO代表、公務員、若者などはたくさんいて、彼らの力を引き出して一つにまとめることは、社会変革のうねりを生み出すとても大きな一歩だと確信しています。
僕の中では、いろんな音をだすそれぞれの楽器、奏者から一つのきれいな音楽を生み出す、指揮者のような感覚です。
こんな思いから、僕は「政策」の支援以外にも「ヒトやチームの力を引き出す」ことにも興味が広がっています。そのために、今年から個々の力を引き出すコーチングを学び始めて、グループの力を引き出すファシリテーションも少しずつですが習得&実践中です。
③これから何をするのか
これから何をするのか、正直、はっきりした「肩書」は見えてません。
政策を変える仕事は大事だと思う一方で、自分の中では「リーダー」へのフォーカスを増やしたい想いもあります。
この二つの側面を両立した仕事もまだ明確には見えていません。
ただ、自分の過去、いまと未来を考える中で、浮かんできた一つのミッションがあります。
「相手の想い、能力、アクションを引き出して、社会を一緒に変えていくうねりを作る」ことです。
このミッションに向けて、今までの自分の経験を糧にしながら、自分がよりスケールの大きな変化を生み出せるように力やスキルをつけていき、自分らしい生き方や仕事の仕方を作っていきたいなぁと思っています。
具体的には3つのことを努力していこうと思っています。
①世界中の同僚の能力を引き出す。
同じ機関の中で、世界中で変化を起こす同僚たちの力を最大限引き出す。これは「本業」になるとおもうのですが、最新の知見に基づいて知識のアドバイスをするだけでなく、コーチングやファシリテーションを通じて、<やる気>なども含めたアクションを総合的にサポートできたらなぁ、と思っています。
②コーチングとファシリテーションのプロになる。
経済学や政策は勉強してきましたが、コミュニケーションやファシリテーションは見様見真似で学んできたところもあります。
国際的な基準でコーチングやファシリテーションを学び、プロからもフィードバックをもらって、技術レベルの向上を目指しています。
アメリカで、国際コーチング連盟の元会長からコーチングをびっちり教えてもらっています。あと半年ぐらいで、国際コーチング連盟のコーチとしての資格(ACC)をあと半年ぐらいで取得したいです。
かねコーチが主宰するライフセールスラボを通じて「自然体の自分」から世界観を作ることの大事さを学び、コーチの皆さんと出会えたこともすごく刺激になりました。
③組織外でも社会を変えていきたい人をコーチとしてサポートしたい。
前述のとおり、社会を変えたい&変えれるひとは、世界中のいろんなところにいます。そんな人たちをコーチングや自分の知識を通じてサポートしていきたいのです。9月からは日本の社会起業家をコーチとしてサポートするソーシャルコーチというプログラムに参画し、またアメリカのコーチプログラムを通じて西海岸のNPOのリーダーへのコーチングも始めています。
できたらこのあたりの知見もまとめて、体系化して、将来教えられるようになりたい、とか夢見てます。
とまぁ、やりたいことはたくさんあるのですが(!)家族と海外で過ごすことも自分にとってはとても大事なので、そこのバランスも崩さないように、ゆっくり進むかもしれません。
そして、さまざまなプログラムに参加する中で、同じような思いをされている方にも出会う機会があり、社会全体に変革を作るには仲間が絶対に大事だと思っているので、もし想いが重なる方がいらっしゃれば、引きつづき、つながれたら嬉しいです!
*ここまでやりたいことを明確にするために、安倍大資(すけ)さんにコーチングしていただき、「自己理念」づくりをサポートしていただきました。すけさんのサポートに心から感謝しています!
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