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エンジニアにとってのコーチングスキル

こんにちは。コーチェットCOO兼プロダクト責任者の吉田です。
先日、エンジニアのためのコーチング勉強会開催についてのお知らせをいたしました。

「エンジニアのための」とはどういうことか、例えばどういう場面で活かせるのか、勉強会に参加することでどんなことを持ち帰っていただけるのか
もう少し具体的にお伝えしたいと思います。

 他職種から開発要件を聞く場面

「顧客が本当に必要だったもの」という有名な絵があります。

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顧客が本当に必要だったもの:ニコニコ大百科(仮)より

様々な改変が行われて流通しているインターネットミームでもありますが、これはシステム開発における「要件」がいかにズレてしまうかを表しています。
様々な関係者が関わることでの伝言ゲーム的なズレの話も含まれますが、そもそも「顧客」が自分の欲しいものをきちんと言語化できていないことや、最初に顧客から用件をヒアリングする立場の人が、顧客の欲しいものを引き出せていないということが問題の出発点にあることも示しています。

エンジニアとして働くみなさんも、企画職やサポート担当、営業といったエンジニアリングから距離のある職種の人から
「こんなことできないですか?」「こんなことをやりたいんだけど」
と相談されることが実際にあると思います。
その際にきちんと聞くことができているでしょうか。
話を聞きながら
「この方法でできるんじゃないかな?」
「工数はどのぐらいかかるだろうか?」
「なんで最初からそう言ってくれなかったのか」
「この人の説明はわかりにくいなあ…」
等々、様々な考えを巡らせながら聞いていることもあるのではないでしょうか。

「実現したいこと」ではなく「欲しい機能」や実装方法そのものについて具体的にリクエストされることもあります。
その場合に、機能対機能で話をすることはないでしょうか。

これらはいずれも聞く側の「傾聴」がうまくなることでスムーズになる可能性があります。

コーチングとの相関性

コーチングにおいてクライアントとコーチは以下の図のような関係にあります

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コーチが質問をし、クライアントが考え、話す。
コーチはその話を聞き、さらに質問をする。
クライアントは自分で言語化したものを自分で聞くことで
自分の考えていたことに気づく、といった効果もあります。
コーチは質問によって、クライアントの言語化を促す立場です。
そして、その言語化を促すためのマインドやスキルがあります。

顧客がほしいと言っているものをヒアリングする場面でも
コーチングで使う「傾聴」「質問」といったスキルは非常に役立ちます。
ほしいとすでに表現できているものを正確に聞くということではなく
顧客がほんとうに必要と考えているものはなにか、を言語化してもらうために、です。

現場でどう活かせるのか

傾聴とは相手のために聞く姿勢です。
エンジニアリングの専門家として、実装方法や手段の取捨選択はこちらに任せてもらって、実現したいこと、手に入れたいものに集中して話してもらうにはどうしたらよいでしょうか。

「工数どれぐらいだろう?」「どういう設計がいいだろうか?」と考えながらではなく、相手は何を実現したいのだろうか、相手が欲しいものはなんだろうかと集中して聞いてみること。
相手に質問をして言語化を促すこと。
エンジニアであるこちらも相手も、つい目に見える「実装」「機能」について話してしまいがちですが、聞く側の立場のスキル次第で、相手に「必要なことに集中して話してもらう」ことが今よりうまくできるかもしれません。

また、傾聴のアンチパターンもあります。
意外と単純な、聞く側の無意識の振る舞いが、相手の話す力を減退させることがあります。
そういったことを避けるように気をつけるだけでも、コミュニケーションは改善できます。


もちろん銀の弾丸などないわけで
これさえ覚えれば!これさえできれば!という単純なソリューションではありません。
アジャイルのように小さく実現しながら、あるいは小さなズレを表面化させながらすりあわせをしていく方法論も広く採用されています。ですが、傾聴のスキルを身につけ、顧客の言語化を助ける最初の第一歩に注意をはらうことでも「必要なもの」に少しは近づけるのではないかと思います。

今回の勉強会ではコーチングスキルの中でも最も基本的な「傾聴」について実体験を伴って学んでいただき、聞く側にとって「傾聴」を妨げるものはなにか、どういうことに気をつけると傾聴のスキルがあがるのか、持ち帰っていただければと思います。


開催要項

▼日時
2021年2月12日(金)  19:00~20:45
この勉強会は開催終了いたしました。
勉強会の内容についてはこちらをご参照ください。

次回勉強会

3月22日(木)に第3回目の勉強会を【質問】をテーマに開催いたします。
コーチングの基礎的であり、最も重要なスキルである質問について実践を含めて学んでいただけます。
1on1で何を聴いたらいいかわからない、面接に同席してもどういう質問をすればいいのか自信がない等々。エンジニアのみなさんにとっても「質問」をする機会は多くあると思うのですが、質問の仕方を学んだことはないのではないでしょうか。

自分のための質問ではなく、相手のための質問を学び、意味ある関わり方ができるように質問のレパートリーを増やしましょう。
ご参加はこちらからお願いいたします。


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