国立大学職員は言うほどホワイトじゃないような気がしている話。
大学職員って世間ではホワイト扱いなのですが,これはたぶん有名私学の話ではないだろうかと思うのです。
実態ってどんなかというと,コレ言っちゃうと身も蓋もないところですが,でもやっぱり大学によってかなり内情は異なると思っていて,逆に言えば複数の大学を渡り歩いているようなジョブ型雇用されてるような教員型か非正規職員としてあちこち所属してない限り本当のところはわからないだろうなぁというのが個人的な感想です。
まぁ,当たり前か。
国立大学の場合,給料は公務員さんの給料とまぁ同じ仕組みですから,有名私学のような,ほら気が付いたら1000万円級だぜ!みたいなことには到底成りません。文部科学省管轄機関であるということも関係しているかもしれません。
大学が夏休みの間は,仕事ないんですよね?とよく聞かれますがあります。
在りますよ。
ええ,在りますとも。
定時で帰れるんですよね,とかもよく聞かれますが,帰れませんよ。
帰れませんよ。
帰れませんとも。
しかしこれはまぁもちろん配属された部署にもよるでしょう。仕事へのスタンスにもよるでしょう。
基本的に国立大学は事務職員の定員が「増」することはないと思って間違いありません。一方で,仕事は基本「増」します。
グローバル化,技術革新,学問分野の分散化,新事業,IT革命,DX,なんでもいいんですが,そういった用語が飛び交えば飛び交うほど,大学が担う守備範囲は広がり,しかし一方で,なくなったり,削られたりすることは基本的にありません。
予算が減っても,業務がゼロになることはありませんから,全体の規模が縮小したとしてもゼロでない限り,概ねそれまでと同等の労働力が必要となることが多いんですね。
これはまぁイチかゼロの違いはとてつもなく大きいけれど,イチとジュウとか,ジュウとセンの違いは,さほどでもないのと似ているかもしれません。
だから基本的には一方的に仕事は増え続けます。
合理性とかはあんま考慮されません。
困っているひとがいたら助けたいと思うのが,国立大学の良いところです。なんとかうまい方法を探して学生や先生方をフォローしたいというスタンスなのですね。
だから仕事は減らないということにはなります。
とは言え,国立大学職員は痩せても枯れても元は国家公務員ですから,安定性があるかと言われれば,あるのでしょう。
国立大学がいきなり潰れることは想像しにくいです。
また,仕事の内容に照らせば,侵襲性の高いハードワークということはないでしょうし,やりがいをどこに置くのかをさておけば,これを求めやすい仕事ではあると思います。
教育,とりわけ高等教育機関に身を置くということは,その教育や研究が世の中に貢献していることが見て取りやすく,社会貢献をしている自負が持てますし,支援職に興味があって,先生方の研究を支援したり,これからの時代を支えるであろう学生たちの修学のお手伝いをしたりすることに誇りを感じることができれば,これほど幸せな仕事はないかもしれません。
ただやっぱり仕事は仕事なので,カンタン,楽ちん,定時帰宅,ボーナスたくさん,みたいなことを想像しているとそういうことにはたぶんならないでしょう。
なので,国立大学職員を目指すひとはぜひとも目的をしっかりともって,ご自身の貢献感を満たすことができるような視座をもっていて欲しいと思います。同時に「自分自身」も幸せになるために仕事をするのだということをやっぱり忘れないでいて欲しいと思います。
そうでないと,大きな組織はすぐに個人を呑み込んでしまうからです。
次の30年間は本当に何が起こるかわからない30年間です。個人が組織を凌ぐ時代です。個人を大切にしない組織も,個人を大切にしない個人も,きっと生き残ることはできなくなると思います。
何のためにその仕事を選ぶのか。
自分の中の何に照らして,その仕事に興味を感じているのか。
そういうことを考えてみると,よいかもしれません。
大学職員向けキャリア・カウンセリング
個人または法人のキャリア相談を受けています。
国立大学に長くいましたので,大学職員のみなさんのキャリアについてのご相談をぜひとも受けたいと思っています。
キャリアの相談というと,ちょっとなんかいろいろめんどくさそうですが,職場の悩みとか,不安。これからのキャリア形成への疑問,あるいは目標達成の支援など,自分自身の頭の中を整理するという意味でお気軽にご相談いただければと思います。
キャリアデザイン事務所 MR.ART
所長 手島稜二/キャリアコンサルタント(国家資格)
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