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北海道ガス硬式野球部 創部から全国まで(2) 初年度の爪痕

こばち

北海道ガス硬式野球部の創部前夜から全国大会進出まで「北海道社会人野球だけ観てる人」の目に映ったもの。
第2回は初年度、2018年の公式戦を振り返ります。（全5回）

→第1回 厳しい冬の時代に
→第3回 企業人の重圧
→第4回 初代エース誕生
→第5回 無音の喝采は止まず

初公式戦は小樽から

2018年4月に始動した北海道ガス公式野球部。
初めての対外試合は6月5日、北海学園大学とのオープン戦で2-0の勝利を収めます。

黙々と練習を積み、ときに他チームの公式大会を視察し、公式戦デビューを9月の日本選手権北海道地区予選と定めていたところ、そのお披露目は少し早くなりました。
地区連盟の計らいにより、8月末のJABA北海道結成記念大会に出場することになったのです。

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8月25～26日に主日程を行う予定でしたが、台風接近のため25日の試合を26日へ順延。準決勝・決勝は日本選手権予選終了後の10月6日に行われています。

2018年8月26日
JABA北海道結成記念大会 対小樽野球協会
ガス 000 022 010_5
樽協 201 001 000_4
北ガス：鈴木、清水−東海林
樽協：奥山、石川 −齋藤

初回から毎回走者を出していた北ガスは5回に樽協のエース・奥山投手を捉え、6回に佐藤佑樹選手のタイムリーで逆転。直後に樽協・関選手の2本目のホームランで追い付かれ、8回に紀國駿介選手の犠牲フライで勝ち越しました。

勝ち上がれば日本選手権予選初戦で激突する室蘭シャークスと顔合わせ…のはずでしたが、準決勝は日程順延で10月に持ち越されます。

しがたって、予選前に観られた公式戦はこの1試合のみ。

クソ生意気な素人感想は「クラブチーム上位ぐらいのところ、プレーに粗があり企業相手だと厳しいだろう」でした。
当時の小樽野球協会の実力は、全日本クラブ選手権予選に出場するクラブ13チームで3～4番手に当たります。そしてこの時点では北ガスに守備連携のぎこちなさや詰めの甘さがみられたためです。

小樽桜ヶ丘球場には、会社から熱烈な応援団100名余りが詰めかけ、道内民放テレビ局の取材クルーまで来ていました。
普段の結成記念大会では見られない熱気が珍しく、楽しかったですね。

毎日新聞の野原寛史記者が、記事には載せきれない様子を伝えてくれています。
今振り返ってハッとするのが「このチームの良さは、怖いもの知らずの若さ、思い切りの良さ」と語った東海林キャプテンの言葉。
覚えておいてください。後々テストに出ます。

一月後の豹変 日本選手権予選2018

初公式戦の4週間後、全国大会への挑戦が始まりました。
社会人野球三大大会がひとつ・日本選手権の北海道地区予選。
JR北海道硬式野球クラブ、室蘭シャークス、航空自衛隊千歳、北海道ガスの4チーム総当たり戦で1つの代表枠を争います。

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忘れちゃいけない、2016年末の計画では日本選手権予選がこの年から東北地区と統合される予定でした。それを回避したのは（当時無いだろうと言われていた）室蘭シャークスの企業チーム化と、北海道ガスの参入でありました。

2018年9月21日 対室蘭シャークス
→試合ダイジェスト動画
室蘭 000 101 000_2
ガス 000 003 00x_3
室蘭：下川原、佐藤-佐々木
北ガス：清水-東海林

6回裏に寺田和史選手が片手悪球打ち逆転3ラン！
投げては清水洋二郎投手が172球の完投で初戦をもぎ取りました。

2018年9月22日 対JR北海道硬式野球クラブ
ガス 010 000 000_1
ＪＲ 100 001 00x_2
北ガス：鈴木、清水−東海林
JR北：和田、福山−中浦

1回裏に先制され、敵失に乗じて今井選手の犠飛ですぐ同点に。
6回に先頭四球から勝ち越し点を与え逃げ切られますが、これまで北海道社会人をリードしてきたJR相手の接戦に観衆はどよめきます。
「まさか、先月末の樽協戦は我々を欺いていたというのか…？」

小島監督のことですから無いと言い切れないのが怖い。
なお、この試合5回0/3から清水投手（昨日172球完投）が登板しています。

2018年9月23日 対航空自衛隊千歳
→試合ダイジェスト動画
ガス 000 010 000_1
空自 100 000 01x_2
北ガス：鈴木、清水−東海林
空自：佐藤怜−工藤慎

5回に東海林選手の三塁打と堀田選手のスクイズで同点に。
しかし8回裏一死3塁、目を見張る好守を続けてきたショート大友選手が痛恨のエラー。これが決勝点となり、総当たり戦1勝2敗で予選敗退となりました。
なお、鈴木投手が昨日に続き先発、この試合も6回2/3から清水投手が救援しています。

清水投手の力投は敢闘選手賞を受賞し、JABA北海道地区年間表彰でも敢闘賞に選出されました！おめでとうございます。

初年度ラストもやはりこの2人

日本選手権予選が初戦を落とした室蘭シャークスの劇的な優勝で幕を下ろし、北海道・東北クラブ交流大会も無事終わり、北海道内の野球が冬支度へ入る頃。
順延されていたJABA北海道結成記念大会の準決勝・決勝がひっそりと行われました。

2018年10月6日 JABA北海道結成記念大会 準決勝
北海道ガス 1-2 室蘭シャークス
（10回からタイブレーク）
→試合ダイジェスト動画
ガス 000 100 000 0_1
室蘭 000 000 010 1x_2
北ガス：鈴木、清水−東海林
室蘭：高田、山口、鈴木−奥野、佐々木

選手権予選を優勝した室蘭シャークスにタイブレーク。室蘭シャークスは決勝を見越した投手起用をしています。

一方、北海道ガスの継投はまたしても鈴木投手と清水投手。
元々4名だけの投手のうち2投手に命運を託した初年度。野手も12名ですから、代打を切ることができない苦しい編成でした。

それでも、ファンを感嘆させ、野球界へしっかりと爪痕を刻んだ1年であったと思います。
初年度の記録はHBCが番組として残していますので、ぜひご覧ください。

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【次回】
会社の期待と一つも負けられない重圧、
目の前で優勝を決められる悔しさ。
第3回は都市対抗予選初参戦・2019年の戦いを綴ります。

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