見出し画像

読書メモ|『人間とは何か?』

やばい、あっという間に前の投稿から1ヶ月経ってしまった。

今回は漫画。

名著ってテーマがめちゃくちゃ面白そうだけど読むのがかなり大変なので、いつも結局諦めてしまうんですが、漫画なら読める!ということで読みました。

表紙にもあるように「自己啓発の劇薬」と言われている本で、「人間は機械である」ということを主張している内容になります。

人間のしていることは全て自己満足に過ぎない。人間にあるのは主衝動だけ、満足したいという機械的な心だけ。それに従っている人間は設計通りに動く機械と同じだ、ということをこの本では言っています。

自己満足に過ぎないというところ、なんとなく理解できる気がします。
人に優しくするとか一見利他的に見えることも、突き詰めて考えると利己的で、自分が満足したいから、よく思われたいから、嫌われたくないから、そういう自分の欲望のままにやっているだけなんじゃないか。そんな自己中心的な自分じゃダメなんじゃないか。根っからの利他的な人なんているのだろうか。
そんなことをぐるぐる考えて、「利他とは」ということに興味を持ったりしたのでそれはそれでよかったんですが、悩みの種にもなってたなぁ、と。
でもこの本を読んで、いい意味で「そんなもんなんだな」と思えました。


(↓「利他」に関して読んだ本。これも感想書きたい。)


それから、環境の重要性についても書かれていました。

変化は必ず外からやってくる
人間は善悪どちらにも傾く可能性のある存在だ
それが環境の力によって鍛錬され理想を変え新しい行路を歩むようになる

『人間とは何か?』

鍛錬には限界がある
ある程度までしか上がらない
それは人間の生まれ持った気質というものだ
それを教育で抹消することはできない
鉄が黄金に変化することはない
鉄はどれだけ鍛えても鉄

『人間とは何か?』

HSPというワードなども広まり、「生まれ持った気質がある」ということは認知されるようになってきている気がします。自分がコンプレックスに感じるような部分も、ネットなどで「そういう気質なんです」と書かれていると気持ちが楽になる部分はありますが、一方で、(これは人に対しては思わないですが、自分のこととなると)それは本当に気質のせいなのか、努力すればどうにかなるものなんじゃないのか、と思ってしまう部分もあり、その見極めが難しいなと感じています。


そして私が一番印象に残っているのがここ。

苦しむことも全て自分が悪いと思い背負い込むこともまた人間の驕り

『人間とは何か?』

全ては気質と環境によるものであり、人間は機械のように欲望に従って動いているだけ。そんな無力な存在である人間が、全て自分のせいだなんて落ち込むのは驕りだと、この本には書かれています。
「人間は機械だ」というのは衝撃的なフレーズですが、ある種救いのある言葉でもあるよなと感じた部分でした。


この記事が参加している募集

#読書感想文

192,621件