二年越し、個展について考えてみる
お久しぶりです。アイリンです。なんと2年ぶりにnoteを書きます!
前回の続きはいつ書かれるの?と思われた方もいるかもしれませんし、大抵は認識すらされていないとは思いますが自分の中ではずっと課題として残ったまま放置してしまっておりました…。
一応ご紹介すると、2022/1に東京で初めての個展をやるにあたっての思いや過程を4回に分けてまとめてきました。
その後まとめ切らないまま、神戸でも個展をやったり、会社を辞めてフリーランスになったり、引っ越したり、アルバイトを始めたりなんかもう本当に色々とあったので当時の所感はもう書けず、今どう思うかを書いてみたいと思います。
個展のその後
個展でつながりが沢山生まれた
何より一番の収穫だったのが人とのつながりの獲得です。個展に来てくださった方で、出版やイベント主催の会社の方がおり名刺交換をする機会も多かったですし、近所の一方的に好きだったお店のスタッフさんが来てくれて顔見知りになることができました。また、会場のTOKYO PiXEL.ギャラリーを運営している大図さんとも仲良くなれたのでその後別の作家さんの展示にお声がけしてもらったり、縁あってなぜかレジスタッフになったりもして、のちのいろんな機会につながりました。
あとたまにSNSで呟いてますが、蔵前エリアの店舗で配布している蔵前マップもこの個展で制作したのがきっかけで始まりました。すでに4回更新しているマップですが、もともと作った理由は、お客さんは普段蔵前に来ない人も多いだろうし何があるかわからなくて個展のあとすぐ帰られちゃったらもったいないな〜と思い、近所のいろんな素敵なお店を知っていたので紹介したいと思ったためです。個展の直前に思いつき、自分のGoogleマップのピンを総ざらいして一晩で描き上げ、初稿(?)を印刷して大図さんに見せに行ったら過去イチ良い反応をもらったのを覚えています。
開催のタイミングが良かった
当時コロナ禍で入場制限などもありましたが、総じてお客さんも沢山来てくれて、売り上げも自分史上ダントツで良かったなと思います。個展は事前にどれだけ宣伝するかが大事なので、自分のSNSが温まっている状態でしっかりお知らせするかがポイントになりますが、それが比較的できていたのかなと思います。今見ても開催直前のSNSのいいね数やインプレッションがすごかった。その後更新をほぼしない時期もあったりして残念ながら今は冷えてしまっているので再加熱を頑張りたい次第です。
また開催の前に知り合った、神戸にあった二宮カフェの後藤さんにもお声がけいただき、すぐに2022/3に巡回という形で同じ内容の個展を神戸で開催させていただきました。この際にも関西のフォロワーの方や新規の方とお話しできたり、すでにお仕事させていただいた神戸発のバンドeveryouthさん(現在は惜しくも解散されたようです)にライブに来てもらったりと違った客層の方々と出会えたのでとても貴重な機会になりました。
次回どうしよう問題
また個展やるんですか?とたまに聞いてもらえますが、特に予定は立っておりません。というのも場所が決まってない問題と、自分が次何を発表したいか問題です。個展はまたやりたいと思っています。やはりイラストレーターとして大きな目標かつ、次の活動の推進力になるからです。
TOKYO PiXEL.でまたやる予定もないので※、他にいいギャラリーがあれば開催させてもらいたいですが、まずはどんな場所があるか把握しきれていないので、ぼちぼちいろんな作家さんの個展に顔を出しに赴こうかなと思っています。
※大図さん曰く私は原宿・渋谷あたりのエリアの客層に売っていった方がいいらしい。自分的にはよくわかりませんが人に勧められたことはやってみようと思っています。あと周りにギャラリーが多いかどうかの立地も非常に重要とのこと。
それと、去年はずっとクライアントワークをできていた反面、個人制作が全然できていなかったので最近自分がどんな絵を発信していきたいのかよくわからなくなって迷子になっていました。が、それも直近時間が作れてきたので再始動しようと思っています。地道なところから色々温めていきたいと思いますので、来年あたりにはまた個展できたらなと思います。
最近ギャラリースタッフとして感じていること
今はフリーでイラストの仕事をしている一方、2024/1〜よりTOKYO PiXEL.ギャラリーでレジスタッフも担当させてもらっています。ここで働き始めてから本当にいろんな発見があってモチベが爆上がっています。ありがたいです。
そこで、いろんな作家さんの展示を見て感じた、今後気にしていきたいポイントを書いておきます。聞いた話もかなり含まれます。
アナログの価値が上がっている気がする
自分はフルデジタルで制作しているので複製原画を販売していましたが、今はそれだけじゃイマイチ売れないっぽいです。恐ろしい。
ペン画や油彩、または手芸作品などの一点ものの価値が以前より上がっていると感じます。
というのも後述の絵を売る/買うことのハードルが上がっているのでより所有している方に特別感を感じてもらう必要があり、代替の効かなさやリアルの手触りは非常に重要になってくるのかなと思います。
バランスとしては100%デジタルの複製原画だと厳しくて、できれば(アナログ)原画が多め+ついでに複製原画といった形が理想という感覚がしています。
自分が今後アナログに取り組むかどうかは未定ですが、関心ごととして気にし続けたいなとは思いました。
コロナ明けで絵を売ることのハードルが上がっている気がする
現在からすると、コロナ禍は絵がよく売れたそうです。
消費のベクトルが家に向いていたので、インテリアとして絵を飾りたい、所有したいという意欲が高まっていた模様。ですが、今は外へ分散されているのでやはり高価な絵を買うのはハードルが高い行為になりがちです。どうしても場所もとりますし、価格もそれなりなので本当に欲しいと思う絵に出会わないとなかなか買おうとはならないと思います。
ただ個展で絵が売れることが絶対かというと諸説あり、個展は仕事のきっかけとなるイベントなのでその後成果が出れば良いということもあるので、その一点だけを気にして開催の有無を検討する必要があるわけでもなさそうです。
しかしながら作家としての自信には売り上げが確実に影響してきますしギャラリーの運営上も必要なので確実に意識したいポイントです。
価値の付け方ってやはり難しい、在廊は大事
絵に価値を感じてもらうには様々な工夫がありますが、作家のサインがあるかどうかも極めて大事です。サインが裏側など見えない位置にあってもあまり意味はなく、しっかり額装の上から見える位置に書かれているかどうかが大事なようです。
また、作家が在廊していることも集客に大きく影響してきます。できれば沢山在廊はできた方がいいと思います。作者に会えるという価値だけでなく、絵で伝わりきらない裏話などを聞けることが購買意欲の向上に繋がったりもします。
自分も同じ場所で個展をやった身として、今展示している作家さんを見ていると、皆さん本当にめちゃくちゃ在庫を仕込んでおり、新作を大量に描き上げているのでそのエネルギーに圧倒されます。すごく刺激的で前の自分って全然やれてなかったな〜とも思いますが、次はもっとよくしようという気持ちになれます。
まとめ
最近、個展という場について考える機会が多かったので時差がありつつもようやくまとめられて良かったです。ひとまず、リアルイベントをやることは作家にとってとても重要で、そのためには価値の付け方やSNSを温めておくことが非常に大事だという結論です。
過去の記事は拙いですが、初個展を控えていたり興味がある方には参考になりそうだなと今も思うので良かったら読んでみてください。
ちょっと宣伝ですが、TOKYO PiXEL. galleryでは今後も選りすぐりの面白そうな展示が続々控えています。今はギャラリー休廊中ですが、4/20(土)より次回の展示が始まりますのでチェックしてみてください。自分は土日祝除く平日は基本レジに立ってますので、来られた方はぜひお話もできたら嬉しいです。
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