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少女漫画が嫌いなオタク、『恋と呼ぶには気持ち悪い』を視聴する

少女漫画が苦手

少女漫画は嫌いだ。というか、苦手だ。

平凡な女性がイケメンに言い寄られているシチュエーションが、どうもムズムズする。
謎に上から目線な俺様系男子の良さも理解できないし、壁ドンや顎クイなどはギャグとして面白いが、実際キュンキュンするかと言われると微妙だ。

ただ「読まず嫌いで悪口を言うのは良くない」という自覚はあり、たまに少女漫画を読んだり、少女漫画原作のアニメを見たりもする。
だがハマる作品はなかなかなく、一度ハマっても連載途中で飽きてしまうパターンがほとんどだった。

月に最低でも3冊は単行本を買い、スマホに漫画アプリが22個入っている程度には漫画が好きな私であるが、これまでに好きになった少女漫画は、『涙雨とセレナーデ』と『のだめカンタービレ』の2作品だけだった。
(Kissのターゲット層的に、「少女漫画」というよりは、「女性向けの恋愛漫画」といった方が正確かもしれないが…。)

そのため『恋と呼ぶには気持ち悪い』も、前述の「読まず嫌いで少女漫画悪口を言うのは良くないな〜」という、あまり積極的ではない理由で見始めた作品であった。
(comic POOLが少女漫画媒体かと言われると微妙だが、私の中では恋きもは少女漫画という認識でいる。)

オタクの女子高生がハイスペイケメンに好意を向けられるというストーリー、そのイケメンは紳士的で横柄な態度こそ取らないものの、言動はかなり自己中心的というキャラ設定…。
私の苦手とする少女漫画の要素がてんこ盛りで、正直3話切りしそうだなーとまで思っていた。

しかしひとたび見始めると、毎週月曜21時45分になるとすぐAmazon Primeを開き、最速配信を見る熱心な視聴者になってしまったのである。

年の差恋愛が生むリアルな障害

恋きもの大きな魅力は3点あると感じている。
1つ目は、年の差恋愛をした場合実際に立ちはだかりそうな障害について、真正面から描いているところである。

例えば、10話で一花が亮とスイーツを食べに出掛けたところ、亮の同僚に出くわし、自分は亮の妹であると嘘をついてしまったシーン。
もし私が高校生で、10歳年上の男性と親密にしているところを自分や相手の知人に見られたら、妹であるととっさに誤魔化してしまう可能性が高い、と感じた。

また11話では、亮が女子高生と親密になっている事実が、厳格な父・善次にバレてしまうというシーンがある。
亮の場合、過去に派手な女遊びをしていたことや、元来善次との善次との仲があまり良くなかったことも大きく影響しているとは思うが、20代後半の会社員が女子高生と付き合うとなった場合、特に親は8割方反対するであろう。

年の差恋愛は、少女漫画を始め様々な恋愛漫画、ラブコメ漫画で描かれてきている題材である。
ただ、年上の相手を好きになってしまった気持ちを後ろめたく感じる描写や、年の差恋愛によって親との関係性が悪化する描写など、年の差恋愛をした場合実際に立ちはだかりそうな障害について真正面から描き切った作品は、そう多くないのではなかろうか。

多丸の夢女子になりそう

2つ目の魅力は、多丸快というキャラクターである。
基本的に私はCP厨なので、キャラ単体を好きになる機会はそこまでないのだが、久々にキャラ萌えを発動してしまった。

まず、ラノベの貸し借りをきっかけに、一花と接点を持ち始めるというシチュエーションが良い!
共通の趣味から仲良くなるって、いいよねぇ…。

また5話の修学旅行で、距離を縮めていく様子には、とてもキュンキュンした…!
特に水族館で手をつなごうとするシーンと、
一花がナンパされていると勘違いして腕を強くつかむシーン、最高!!
学校行事を通じて徐々に徐々に一花への思いを募らせる多丸の様子は、一花に「気持ち悪い」と言われ、一瞬で好意を持った亮との対比にもなっているのも、キャラ付けとして素晴らしいと思う。

あと極め付けは、8話の告白シーンよ!!
一花に義理チョコを渡された際、
義理じゃなくて、本命が欲しかったって言ったら…怒る?
という言葉で好意を伝え、
「…まぁ要は、俺と付き合ってほしいって意味」
とストレートな表現で言い直し、
「私…多丸君のこと、そういう風に見たことなかったから…」
という一花の返事に対し、
じゃあこれから見て これから考えて
と返す。
良い…良い…(語彙力)。言葉のチョイスが良い…!!
特にこの告白シーンは、榎木淳弥さんの素朴な演技が本当に素晴らしかった!
榎木さんには、今後もいろんな作品で大人しめのオタク男子を演じてほしい…!(切実)

残念ながら多丸は、9話で振られてしまうのだが、振られた後の言葉が、「有馬のこと、好きなままでも…いい?気持ちの整理がつくまで…ダメかな」と、非常に健気!!
最後までかっこいいキャラだった。

ここのパートだけテンションが異質で文字数も多いのだが、それだけ私は多丸が好きだったということで勘弁してほしい。

1話と最終話の対比

3つ目の魅力は、1話を対比的になぞるかたちで最終話が進んでいったところである。

2人の出会いの場である駅の階段でのクライマックス
1話冒頭のナレーションをもう一度最終話のラストで引用するという、とらドラ!を想起させる構成…。
原作の最終回まで全12話で描き切っていることもあり、アニメも非常にきれいな結末を迎えてくれた。
最近の漫画原作のアニメは、中途半端なところで最終回になる作品が減って、アニメと同時に原作が完結するパターンが増えてきており、いい傾向だと感じている。

読まず嫌いは駄目

当たり前のことではあるが、読まず嫌いで少女漫画を忌避するのは良くないなと改めて思った。

今後は気になりつつも、少女漫画ということで未視聴だった『赤髪の白雪姫』や『神様はじめました』を見たり、PVを見て少し気になっている『星降る王国のニナ』を読んだりしてみようかなと考えている。

また、恋きもの原作も途中までしか読めていないので、アニメとの細かな差異を楽しみつつ、読み進めていきたい。

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