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彼女の天国から見える未来


かけがえのない存在だと思った。
出会ってくれてありがとう。

出会って1年半になる女の子が、ついに中学校を卒業した。(この子のことは何度も触れてきているが、はじめて私の名前を呼んでくれたときに嬉しすぎて書いたnoteがある。)

初めて会った時にはどこかおどおどしていて、人との距離を測りかねている様だった。学校にはしばらく行けておらず、家族とのつながりもまた複雑だった。カラコンの入った両目の瞳はただただ黒くて、なんだか「心が遠い」と思った。

週に2.3日ほど顔を合わせているうちに、「さみしい」も「かなしい」も全部教えてくれるようになった。私を見つけると駆け寄ってきて隣に座る。一緒にけらけらと笑い、好きな食べ物と嫌いな食べ物を交換し、頭を抱えながら数学を解いた。私の肩にもたれて泣いたり、くるまっていたブランケットを私の膝にもかけてくれたりする。

「夢の中でもときどき、Lucyが慰めてくれる」と、泣き止んだその子は言った。私の夢にもあなたが出てきたよ、と伝えると、本当に嬉しそうに笑った。あなたが私を大切にしてくれているのと同じかそれ以上に、私はあなたのことを考えているんだよ。

彼女は卒業式には出なかった。どんな気持ちで友だちのSNSを眺めていたのかな。

高校受験が無事終わり、合格を手にした彼女は明るくなった。数年ぶりの「学校生活」が再び始まる。新しいスタートを切ることに、彼女は希望を持っているようだ。不安すらもきらきらな顔で語ってくれる姿に、私、泣いちゃいそうだったよ。友だちできるかなあ?できるできる。勉強ついていけるかな。また一緒に勉強しよ。全部笑顔で話すことができる。この子は今、未来に期待している。それを受け止められる私がいる。あー、よかった。あなたに出会えて本当によかったな。

「学校楽しくなったらここには来なくなっちゃうんだろうな〜」と言ってみたら、「かもね。でもくるよ、ここは私の天国だから」と彼女は笑った。それなら、私は彼女の天国の守り人でいよう。必要な時にはいつでも飛び込める様に、私が手を広げて待ってるからね。安心して、外の世界できらきらしてね。そんな気持ちで胸いっぱい。

やさしいきもちを育ててくれた女の子へ。
新しいはじまりに、おめでとう。

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