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<受験対策>マンガを読めば勝てるかも

YouTube vs マンガ本


いま「保護者」をやっている方のほとんどは、

「マンガばっかり読んでないで、本を読め!新聞を読め!」

なんて口酸っぱく言われていた世代だと思います。

相当のへそ曲がりになると、図書室で必死に歴史マンガとかを探して、学校公認だぜ!と親を論破しにかかったり、マンガ本だって立派な「本」だぜ!本屋で売ってるんだからなぁ!みたいな屁理屈をこねていました。今考えると全く無意味な行動ですが、そうです。へそが曲がっていたのは私です。

そんなわけで、私にとってマンガ本は勉強の合間にこっそり読むもの、または反抗期の象徴というイメージがあります。しかし最近の小中高生はあまりマンガを読まないようで、彼らの興味はもっぱらYouTube。夏休み前のお便りでも「YouTubeの見過ぎに注意!」なんてことが大きく記載されていますし、塾の中でもトイレに行くふりをして、実はYouTubeを観ていたなんてことも。

近年では以前ほど子どもの心を掴まなくなったマンガ本ですが、今回は勉強におけるYouTubeとマンガ本の効果を対比しつつ、マンガ本の価値をお伝えしていきたいと思います。

YouTubeはコンパクトな分、ストーリー性が乏しい

いま、とにかく小中高生の心を掴んで止まないのがYouTube。一方で学校の先生をはじめ、教育者からは嫌われものなのもYouTube。私は大好きですけどね。ちょっと時間があると、ついついアプリを開いてしまいます。

YouTubeの便利さはなんといっても気軽に観れること。ポケットから出してすぐ観れるし、コンテンツも数分で簡潔にまとまっているものが多いし。検索もできるし。勉強していてわからないことがあれば、とりあえずYouTubeを開いてみる人も多いと思いますが、それはとてもいい使い方。これまでは学校や塾の先生に会って質問するまで待たなければいけなかったわけですから。「鉄は熱いうちに打て」というように、「わかんない!」と思ったときにすぐ動けることは大事です。

しかし、手軽に観れる、簡潔にまとまっているということは、裏を返せば「ストーリー性がない」とも言えます。「次はどう来るかな?」「なるほど!そう来たか!」みたいなやりとりは発生しません。


マンガ本は重たい分、ストーリー性がある

次にマンガのほう。勉強においてマンガがYouTubeと決定的に違うのは検索性がゼロだし、マンガを読んだところで直接的にはテストの得点に寄与しないことです。あと重いし買うのにお金もかかるので…。

こう書いていくと、マンガを読む子どもが減っているのもしょうがないことなのかな…と思ってしまいますが、マンガにはマンガのいい点があるのです。それはストーリー性。YouTubeでは「知りたい答え」を確認しにいくのに対し、マンガは「このあとどうなるのだろう?」ということを常に考えながら読んでいきます。


近年の入試はストーリー重視

ここ数年で入試が大きく変わりました。これまでのように単に知識を問うだけの問題は一気に減り、考えさせる問題が増加。共通テストでは数学においても「国語力がないと対応できない」という意見まであるほどです。

ここで言う「国語力」とはおそらく「文脈を捉える能力」つまり問題の「ストーリーを把握する能力」。

そもそも数学というのは「何が欲しくて、そのためにはどういう段取りで進めていくか」というストーリー性がその主を占める科目と言われることもありますが、従来とは比較にならないくらい受験でもストーリーを把握する能力が求められています。

また、共通テストの英語も、ストーリー性を把握できれば、実は秒で解ける問題が多くあったり。とんでもない英文の量を短い制限時間で読み解け、というのは決して速読を求めているのではなく、ストーリーを把握しろよ!という、出題者のメッセージなのではないかと勝手に思っています。


マンガを読むだけで勝てる

そんなストーリー性重視の受験において、どのような対策が効果的でしょうか。ストーリー性が大事だからといって、知識が不要になったわけではありません。細かーい知識の重要度は落ちましたが、基本知識の重要度は変わらず。

そのため学校はもちろん、我々のような学習塾では知識の習得をメインに教えています。その上でストーリー性をどう身につけてもらうか?となるわけですが、これはとっても難しい。それに特化した授業や、通常の授業内にそのエッセンスを散りばめたりはするものの、その効果は見えにくいし、発現までは時間を要する。しかし、伝えるべき知識も膨大なので、ストーリー把握能力を向上させるための時間はなかなか割けない…というわけです。

そこで着目すべきは生徒の娯楽時間。YouTubeを観るのも情報収集として効果的であることは否定しませんが、そのうちの何割かだけでもマンガ本にシフトしてはいかがでしょう。意図せずして「次はどうなるかな?」ということを考え続けるはず。それを繰り返して慣れてくると「次はきっとこうだろう」とか「ああ、あれは伏線だったのか」なんてことが頭に浮かんできます。その上で受験問題等に取り組めば、いちばん大事なストーリー性というエッセンスを勉強に持ち込むことができるんじゃないかと。

マンガを読んでいる人が少ない、というのは先述した通りなので、娯楽時間を活用して一歩抜きん出ることができるのではないでしょうか。これは映画やドラマでもいいわけですけどね。


スーパー銭湯という選択肢

マンガをおすすめしたものの、「重い」「かさばる」「高い」という問題は残ります。これは今も昔も変わらないわけですが、当時の人々には喫茶店やラーメン屋という選択肢がありました。

私もよく学校をサボって喫茶店でマンガを読み漁っていました。高校ではそんな在校生が多かったことから、いつの間にかみんなでマンガ本を持ち寄り、教室の後方に立派な図書スペースが出現。始業から終業まで毎日読み続けていた記憶も。

と、それはそれとして、現代においてマンガがびっしり並べられた喫茶店に中高生が通うことは考えにくいし、マンガ喫茶に喜んで行く人も最近は聞かない。となれば…

最近なんか楽しかったことある?と生徒に聞くと「家族で温泉に行った!」という返答が多いような気がします。サウナブームもあり、高校生ぐらいになると友達と行くこともあるそう。おお!ではスーパー銭湯で一日中マンガを読むのはどうでしょう。家族でも楽しめるし、1日いられるし。週末の1日くらい勉強せずにゆっくり風呂に入って、ダラーっとマンガ読むのはいいかもしれませんね。英気も養えるし、ストーリー把握能力も高まるし。

「スーパー銭湯に行けば、成績が上がる」
これだけ見るとなんとも怪しすぎる話ですが、いま皆さんが求められているのは「風が吹けば桶屋が儲かる」を理解するストーリー把握能力です。


自己紹介

教室&オンライン学習塾 clue zemi(クルーゼミ)
代表 永井雄太郎
1980年 仙台生まれ 仙台一高〜早稲田大政治経済学部

2011年2月より学習塾 clue zemiを仙台市宮城野区にてスタート。現在は20数名の講師陣とともに「受験だけじゃない、一生使える勉強の姿勢」を幼児、小中高、既卒生を対象に教室では地域密着で、オンラインでは全国に授業を行なっている。

その傍らで「〇〇×勉強」を掲げ、勉強以外のものと勉強との共通項だったり、生活に勉強をすんなり落とし込む工夫などをお伝えする活動も盛んに行い中。メディア、ミュージシャン、職人、スポーツ選手などなど、いろいろな職種と交流、ともにイベントを企画・運営することで得た知見を生徒・保護者に伝えることで、勉強と社会生活の繋がりを表現することができるのではないかな、と。

受講申し込み以外の案件のご依頼やご相談は
yutaro_nagai@cluezemi.com まで。
様々なご連絡お待ちしております!


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