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今期のドラマについてとお知らせ

 こんにちは!
 桜の便りも各地で聞かれる頃となり,もうすっかり春だなと感じる今日この頃です。今回は1月期クールで放送されていたドラマのうち,僕が見ていた3本についての感想を綴りたいと思います。
 なお,最後には吉住同好会からの大切なお知らせもありますので是非とも最後までお読みください。前置きが長くなりましたが,それでは本題へ参ります。

※ 文中の役者名やスタッフ名は敬称略

① ブラッシュアップライフ
(毎週日曜日22:30~23:25/日本テレビ)


脚本:バカリズム/主演:安藤サクラ

 今期の「日曜ドラマ」はバカリズムが脚本を務めた「ブラッシュアップライフ」。タイムリープをテーマに主人公が自分の人生を何度も生き直し,その過程で徳を積んでより良い人生を生きようとする姿を主人公が過ごした時代の世相を反映しながら描かれました。
 「ポケベル」や「たまごっち」「ジャスコ」といった現役高校生の僕でも知っているような懐かしい言葉や「負けないで」「secret base~君がくれたもの~」「White Love」「粉雪」「イケナイ太陽」「Best Friend」「Hello,Again~昔からある場所~」などの懐メロで令和の時代に改めて平成という時代を振り返る事の出来る作品だったように感じます。
 個人的には主人公・麻美(あーちん/安藤サクラ)と行動を共にする美穂(みーぽん/木南晴夏)夏希(なっち/夏帆)の仲良し3人組のガールズトークが台詞ではないかのように自然でクラスの隅で女子が集まって話しているのを聞いているような感覚で見ていて引き込まれました。これは日頃から人間観察を行い,ちょっとクセのある女性や女子あるあるをコントにしているバカリズムならではの脚本の妙だと思います。
 また,脇を固めるキャストも水川あさみ・染谷将太・松坂桃李・鈴木浩介・野呂佳代など豪華な面々。一周目の人生ではほとんど接点がなかった人たちと人生を何周かするうちに関わり出し,関係を深めていく。その様子に人生の奥深さと改めて人生って人との出会いなんだなと感じさせられました。
 それに人生をやり直す度に麻美の職業が市役所勤務→薬剤師→テレビ局勤務(ドラマスタッフ)→大学院の研究員→パイロットと変わっていくのでさまざまな職業の舞台裏や用語等についても知ることが出来た反面,それゆえに難解な台詞も多かったり,それらに加えて物語の軸となる伏線も張ってあったりして脚本を書く際に丁寧に取材し緻密に書いていったんだというのも伝わってくる作品でした。個人的には今期一番面白かった作品です。

② 星降る夜に
(毎週火曜日 21:00~21:54/テレビ朝日)


脚本:大石 静 主演:吉高由里子

 2本目は「星降る夜に」。復活したばかりのテレビ朝日系列火曜夜9時のドラマ枠で放送された作品です。
 僕は最初,予告を見た時に“ろう者の男性と健常者の女性のラブストーリー”という点で昨年10月期に放送されて社会現象となった「silent」(フジテレビ系列)と似たような作品だという先入観から途中まで視聴していませんでしたが,友人に勧めてもらいあらすじ等も教えてもらいながら6話から視聴しました。
 物語は海辺の小さな街が舞台。産婦人科医の雪宮 鈴(吉高由里子)はとある医療事故により大学病院から街の産婦人科である「マロニエ産婦人科医院」にやって来ます。産婦人科医として働いていたある日,鈴の母親が亡くなったとの訃報が。葬儀を終え,遺品整理をすることに。そこに現れたのが鈴より10歳も年下で「遺品整理のポラリス」という会社で遺品整理士として働くろう者の柊 一星(北村匠海)という男性。言葉の壁に阻まれ中々距離を縮められない2人でしたが,鈴はそんな明るくて積極的な一星に惹かれ,互いを思い合うようになる-。「産婦人科医」と「遺品整理士」人生の始まりと終わりに寄り添い,心の傷を抱えた者たちが紡ぐ温かくて繊細なラブストーリーです。
 この物語はロケ地の千葉県の綺麗な情景(オープニングタイトルの背景の岬のような場所は毎回綺麗だった)は勿論のこと,登場人物の名前が星や夜にちなんだものでとても素敵でした。
 また,鈴の周りを取り巻く人物たちが皆とても個性的で見ていてそれぞれのキャラが立っていて面白く,繊細なラブストーリーにちょっとしたスパイスが加わり,見ていてほっこりすると共に笑わせられました。院長の麻呂川(光石 研)犬山(猫背 椿),物語の後半に「マロニエ産婦人科医院」に加わり,鈴や周りの人物に影響を与えることとなる深夜(ディーン・フジオカ)ら「マロニエ産婦人科医院」の個性的なメンバーや社長の北斗(水野美紀)率いる「遺品整理のポラリス」のメンバーも一人一人のキャラが存分に生かされていました。
 そんな中,物語の中盤から終盤にかけて登場し作品に大きなインパクトを残したのがムロツヨシ演じるという男。過去に鈴が担当した患者の夫で鈴の医療過誤により妻が亡くなったとして医療裁判を起こして「雪宮鈴は人殺し」というSNSへの書き込みや自宅への投石などで鈴へ嫌がらせやストーカー紛いの行為をするという役どころでした。そんなムロの狂気じみた迫真の演技は強く印象に残っています。脚本を務める大石静とは過去に「大恋愛~僕を忘れた君と~」(TBS系)でタッグを組んでいますが,それとは全く違う演技で改めてムロの演技の幅広さを感じることも出来ました。
 設定は似ていたかもしれないけれど,「silent」とは一味も二味も違う儚くも温かい大人のラブストーリーを見たような気がします。変な先入観を抱いて見ないでいたらきっと後悔するような素敵な作品でした。

③ 罠の戦争
(毎週月曜日 22:00~22:54/カンテレ・フジテレビ)


脚本:後藤法子 主演:草彅 剛

 最後に紹介するのは草彅 剛さんがジャニーズ事務所退所後,民放の連続ドラマ初主演となった「罠の戦争」です。
 「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く「戦争シリーズ」の3作目となる今作は政界が舞台。物語は国会議員・犬養康介(本田博太郎)の秘書として粉骨砕身働いていた鷲津 亨(草彅 剛)。ある日,息子の泰生(白鳥晴都)が歩道橋から転落し意識不明となる。悶々とした日々を過ごしていたある日,犬養から転落事故を事件として処理するようにお願いされたことから鷲津は政界に事件に繋がる黒幕がいると考え,復讐を誓う。やがてそれは永田町や政界のみならず世間一体を動かす騒動へと発展していく…というストーリー。
 鷲津と秘書から国会議員になった鷲津が所属する政党の幹事長で広大な権力を持つ鶴巻(岸部一徳)ら相手の巧妙な罠の掛け合いと権力に翻弄され,本来の目的から逸脱していく鷲津の様子に緊迫すると共に鷲津と古くから親交がある二世議員の鷹野(小澤征悦)や秘書として鷲津のサポートにあたる眞人(杉野遥亮)蛍原(小野花梨)貝沼(坂口涼太郎),鷲津の事務所に出入りするスタッフの小鹿(水川かたまり)らが鷲津の味方なのか陰で鷲津を欺いている敵なのか分からなって各話の終盤に新たな事件が起きる展開に次も見たくなるなと思わせる話で見ているこちら側もどんどん沼に嵌まっていくような感覚のある作品でした。

 今回は1月期に放送されたドラマの中から僕が毎週見ていたドラマ3本を紹介しました。なるべくネタバレはせずに書いたつもりなので記事を読んでいてドラマの内容が気になったという方はTVerや各種動画配信サービス等で是非見てみてください。

 そして最後に冒頭にもお伝えした通り,吉住同好会からの大切なお知らせです。
 吉住同好会は令和5年3月31日をもって一時活動を休止します。詳細については添付したツイートをご確認ください。

 今回も最後までお読み頂き,誠にありがとうございました。朝晩はまだ寒い季節ですから体調管理,そして花粉症の方は花粉対策にも充分気をつけてお体ご自愛ください。それではまた。

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