クリストファー・クラーク「夢遊病たちー第一次世界大戦はいかにして始まったか」
Clark,Christopher:Die Schlafwandler: Wie Europa in den ersten Weltkrieg zog
「魔の山」の主人公ハンス・カストルプは、スイスの高山サナトリウムでの7年の眠りから覚め、山を下りて第一次世界大戦に志願し、シューベルトの「菩提樹」を歌いながら土砂降りと泥まみれの中戦うのだった。
文芸を通じて、西洋の歴史への関心が高まっていき、西洋の歴史書を色々読もうと考えるようになりました。まずは、プルーストやマンなど好きな作家達が生きた時代である、20世紀初頭の第一次世界大戦前後の歴史書から始めることにしました。
著者のクリストファー・クラーク氏は英ケンブリッジ大学のドイツ近現代を専門とする教授で、「プロイセン」、「ヴィルヘルム2世」、「時間と権力」などを出版しています。その中でも「夢遊病たち~」は各国語に翻訳されベストセラーになっています。ドイツを専門とする歴史家をそんなに知っているわけではないので、みすず書房の邦訳で知ったクリストファーさんの著作をまず当たろうと思います。他にトーマス・ニッパーダイの「ドイツ史」(白水社)が今年出版されたのでそれも読んでみます。お薦めの歴史家がいたらご紹介してくださいね。
アルバムは、愛聴しているクリストフ・プレガルディエンのシューベルト「冬の旅」から5曲目「菩提樹」。何回聴いても心に染み入ります。
christoph pregardien :schubert winterreise: Der Lindenbaum
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