カラフル蓑虫夜の街 (Short ver.)

カラフルに包まる夜の街

まるで蓑虫 冷たい風を凌ぐ

次へ次へと急ぐ その足

一夜に集う 酒と友達


飲み屋 ガルバ クラブなどが

スクラム組む 外はうるさく

中は人の声と煙で全てが眩む

極彩色の蛾みたいで気持ち悪いよね

と目の前の女の子が言った

君もそうじゃないかとは言わなかった

しらばっくれた その手や目には

次の酒を求める仕種が

いちいち隠し切れてなかった

アルコールに次ぐ副流煙の嵐

相変わらず昔話を耕し

「昔は良かった」に一花咲かし

哀しき私たちの隠し合い そして

寄せ合う私たちだけのまやかし

あんときのやらかしも今じゃ笑い話

今のあやまちなんてさ知らぬが仏


光る夜の街 死角は殺せ

カラフルに包まる夜の街

まるで蓑虫 冷たい風を凌ぐ

次へ次へと急ぐ その足

一夜に集う 酒と友達


鱗粉を纏った 蝶と波長を合わせ

私を誘った その肉に高揚をおどらせ

そこで話したことは今日のうちに忘れる

どうせ何もかもがそうだ

コーラ ソーダ 子どもの頃から忘れない味

友達 この街 思い出せない味

電柱の配置だけが 変わらない夜の街

勝手に嘆く私もまた 変わらないまま

年を重ねるごとに 当たり前のように

何もかもが変わりゆく

当たり前のように 私は流されてゆく

何か探す暇もなく 今は過ぎてゆく


カラフルに包まる夜の街

まるで蓑虫 冷たい風を凌ぐ

次へ次へと急ぐ その足

一夜に集う 酒と友達


自販で天然水を買った

なんとなく飲んだつもりだった

そしたら この水もこの街の熱を帯びてると思って

すぐに勢いよく吐き出した

私の代わりに夜空が泣き出した

また冷たい風が喚き出した

雨と唾にまみれたアスファルトに

埋められたままの「また明日」

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