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【1日目】 彼にプロポーズすることを決意しました

実は私は、今から1年半前に、結婚を予定していた男と別れた。

この人物は、今後このエッセイには登場しない。
私のいまの彼氏でも、今後100日以内にプロポーズをしたい相手でもない。

でも、まずはこの話をしないといけないと思う。

この話が、今回私が自らプロポーズをしようと思った経緯の発端になっているから。

▼ ハンコが押せなかった理由

彼は私より年下で、社会人になって間もないのに、私にプロポーズをしてくれた。
今思うと、これは本当にありがたいことだった。

私たちは、母親同士を面会させて、2人で一緒に住む家を探した。
子供ができることも見越して、めちゃくちゃ広い3LDKの豪邸を押さえた。

でも、いざとなると、私はハンコが押せなかった。
結婚して、彼や未来の子供と一緒に住む家の契約書に押すハンコが。

「私はあなたとは一緒に住めない。ごめん」

そう言うと、彼は震えながら「分かった」と言った。
本当に申し訳ないことをした。

でも、私は彼に「灯諸こしき」の存在を伝えることがどうしてもできなかった。
彼は口が軽いところがあって、友人や知人に「俺の彼女はSNSのアカウントをやっていて、どうやら今度本を出すらしい」ということをかなり吹聴していた。
私が絶対に、死んでも言わないでとお願いしていたことを。

同じ大学内で、私の顔を知っている男子学生たちにも、それは伝わっていた。
「在学中に身バレしたら死ぬ」と思っていた私にとって、それは本当に恐怖だった。
おそらく彼らは今も私の存在をコッソリ認識していて、このアカウントを見ているのだと思う。

もしいつか、私の住所・本名・顔写真などがネット上に晒されたら、その原因を作ったのは「私の夫」ということになる。

こんなコントロール不能な負債を抱えて生きることは、私の人生では絶対に避けなければならないと思った。
心の中に、「この人のことは信用できない」というモヤモヤが溜まっていた。

だから結婚をお断りした。
買っていたゼクシィを捨てて、母親に「ごめん、まだ孫の顔見せれないや」と謝った。

あぁ、ハンコって信頼なんだ、とこのとき思った。
「私は、この人のことを信頼していますよ」という証明。
だから私は押せなかった。賃貸契約書にすら押せなかったんだから、婚姻届にもきっと押せなかったと思う。
彼とは色々な場所に旅行に行った。楽しい時間をたくさん過ごせた。
他のことは、なんだってできたのに。

彼は別れた半年後にも私に連絡をよこし、再度プロポーズをしてくれたけど、やっぱり私は受け入れられなかった。


▼ 「灯諸こしき」の存在が足かせになっていた

それからは、とにかく結婚に相応しい相手を見つけようと躍起になった。

合コン・街コン・婚活パーティー・バー・相席・社会人サークル・マッチングアプリ・人の紹介…

とんでもない数の男性と会った。

「男性との相席1分間」=「1ポイント」が貯まる相席屋(JIS)のポイントアプリは、わずか1ヶ月で2000ポイント(=相席時間33時間)を突破した。
これは女だけで待機している時間は含まず、男性と相席している時間だけがカウントされる。(ちなみに、貯まったポイントは景品に交換できる)

▼ JIS公式アプリ。この後も毎月2000ポイントずつ貯まった。

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合コンにも数え切れないほど行った。時には友達を失った。
マッチングアプリも使い倒して、1日3人ほどハシゴして会うのが普通になった。

▼ とある週のスケジュール。時間・アプリ名・名前(年齢)@場所 の順に並んでいる。❌は印象が悪かったもの。

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こんな勢いで活動をしていたものだから、恋仲に発展した人や、告白をされたもののお断りした人、デートだけを楽しんだ人がたくさん生まれた。

人生で1番たくさんの人に告白(告白7人+プロポーズ1人)されたし、イケメンの連絡先も増えた。

でも誰も、「結婚相手に相応しい」とは思えなかった。

だって私は、この1年半で出会ってきた誰にも、付き合ってきた誰にも、「灯諸こしき」の存在を伝えられなかったから。

1年半前、あの元カレに吹聴されたことがトラウマになって、

「男は口が軽いんだ」
「脳の構造が違うから、私が嫌がることを理解して貰うのは難しいんだ」
「コイツだって、どうせ言う。一生信用できない」

という気持ちにしかなれなかった。

結婚して一緒に住んでからも一生夫に隠し続ける未来しか浮かばず、それを思うとどんどん結婚が遠のいた。

「灯諸こしき」の存在が、私の恋愛の足かせになっていた。


▼ 結婚するなら、彼しかいない

でもそのときに、「あ、1人だけ言える男がいるわ」と思った。

かつて長年交際し、遠距離を理由に別れた元カレの「ガリ久」だった。(体重が軽くガリガリで、顔は東幹久に似ているので「がりひさ」)

彼に対してなら、再会した瞬間に「実は今こんなんやっててさー」とアカウントを見せられる。直接自分の本を渡せる。
「秘密にしてるから、誰にも言わないでね!」の一言だけで、一生秘密が漏れない自信がある。

"疑う"という概念がそこにはないし、これだけ時間や距離が離れていても、ガリ久に対する信頼は隣で寝ている今の彼氏以上なんだな…と気が付いた。

▼ ちなみに、ガリ久はこの話のモデルになったクソマジメな男だよ

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彼はとても生真面目で、当時の若い私には物足りなく感じることもあったけど、やっぱり私は彼を根本的に心から信頼しているんだと気付いた。

この「信頼」という感情が、どこから生まれているのか不思議だった。

そしてその答えを教えてくれたのは、くしくも今の彼氏だった。

今の彼氏の内面に対して不信感を覚えたことで、私は「結婚するなら、ガリ久しかいない」と気づくことができた。

だから、私にトラウマを作った元カレも、内面の相性の重要性に気づかせてくれた今の彼氏も、そしてこの「灯諸こしき」という存在だって、私の人生には絶対必要だったんだと今は思う。

2021年5月5日、私は彼にプロポーズする決意をした。

▼ 決意表明のツイート


▼ これから100日間の内容

これから100日間で、

・私が結婚相手を選んだ理由
"内面の相性の重要性"を感じるキッカケになった今の彼氏の言動
・今の彼氏との別れ話(※自然消滅の可能性あり)
・プロポーズ用の指輪の公開(※オモチャなので期待しないでね)
・ガリ久との過去/現在のやりとり公開(LINE・電話・手紙)
プロポーズ当日の様子

あたりを超赤裸々に書いていこうと思う。

1日1日、その日起こった出来事や、過去の回想、今の自分のリアルな気持ちや家族の反応なんかを書いてみる。

どういう展開になるか分からないけど、ぜひ毎日覗きにきてね。


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