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2020年8月の記事一覧

灰谷健次郎(1998)『兎の眼』角川文庫



子どもたちとの過ごし方、教員間での議論内容などから、真っ当な教育者としての眼差しを感じる作品。子どもの持つ、一見して大人が理解できないような、立派な能力を、教師が見事に見つめ認めていることが良い。

本筋の処理場の子どもたちの話はハッピーエンドということだろうが、小谷先生の家庭事情はその後どうなっていったのだろうか密かに気になる。「仲が悪いのではない。生き方が違うの。」とは言い得て妙、人間関係

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