見出し画像

"土地の恵み"の出前授業

昨日、
図書室ボランティアのメンバーさんから、
「今年も、農協青年部さんから『出前授業』のコラボのお誘いがありましたー。
今年の冬もまたお願いします!」と、
連絡をいただきました。

私が週に一度
図書室の棚の整理や 
本の修理
掲示板の飾り付けに
新しく購入する本の選書
などなどを
させていただいている
近所の小学校の図書室ボランティア

ここ数年、
農協青年部のかたが行われている出前授業に
毎年コラボ参加させていただいています。

農協青年部とは、
簡単に言いますと、
この地域で農業に取り組まれている青年の集まりです。
皆さん農家の息子さんもしくはお婿さんです。

農協青年部のなかに
"食農教育委員会"という委員会があり、
そのメンバーさんが
町内の
保育園・幼稚園・小学校・中学校・高等学校
などに出向いて、
保育園や幼稚園のこどもたちとじゃが芋掘りをし、
小学校の農園で植え付けや収穫のお手伝いをしたり、
小・中・高等学校で食育の授業を行なったりしています。

出前授業の内容は
学校側が依頼することもありますが、
「お任せで」と言われることが多いです。
この地域の特産品の
『じゃがいも』か『酪農・牛』の
どちらかの授業がほとんどです。
私たちボランティアとのコラボがはじまってからは、
毎年『酪農・牛』についての出前授業が続いています。

対象は3年生の児童。
出前授業の流れは
青年部のかたが、

・まず、この町には人口よりも牛の数が多いことを伝えることからスタート

・酪農家の1日の仕事の説明
スライド写真をスクリーンに映し出して説明します

・搾った牛乳が工場に運ばれ、お店に並び、みんなの元に届くまでの流れを
その内容のイラストが描かれたタペストリーを使って説明

・『利き牛乳クイズ』で数種類のメーカーの牛乳を飲み比べて、
いつも給食でも飲んでいるこの町のメーカーの牛乳を
子どもたちに当ててもらいます

・モデルカウ(牛の人形)を使っての乳搾り体験

・牛の餌を手に取ったり匂いを嗅いでもらったり
してもらいながらの餌の説明

・『牛クイズ』タイムでは、スクリーンに出された牛や牛乳やお肉にまつわる三択の問題を子どもたちににだします。
「牛の爪はどれでしょう?」
など3つイラストが映し出されます。
青年部のかたがABCで順番に尋ね、
子どもたちがそれぞれ「これだ!」と思うものに手を挙げて答えるのですが
さすが身近で見ているだけあって
どの問題も正解率が高いです。

以上、青年部の方々の授業のあとは私たち図書室ボランティアの時間です。

私たちが行うことは、
青年部のかたが授業をはじめた頃に
3年生の教室前廊下に牛の本展示コーナーをつくります。
本は事前に町の図書館や農協から借りてきて、
たっぷりと展示します。
子どもたちが体育館から戻ってくると
たくさんの牛が出迎えるかたちです。
本は2週間ほど展示します。

そして、
本の展示や飾り付けを済ませると
体育館に移動し
青年部の授業のあとに
ブックトークを行います。

牛の説明がされてある本
牛が出てくる絵本
牛が出てくる児童小説
牛を飼っている人の暮らしの本
牛乳についての絵本
牛肉についての絵本
そして、
いのちをいただいている という内容の絵本
などなどの本をトークを交えて紹介していきます。

本を使って、
牛のこと
牛を育てている人のこと
牛乳や牛肉がみんなのところに届けられるまでのこと
いのちをいただいて生きていること、
などを伝えています。

そのあとは、
児童と一緒に給食を食べての交流。
子どもたちの口から自然に授業の感想が出てくることがとても嬉しくて、
大人になっても再び懐かしい給食を食べられることも嬉しくて、
とても貴重な時間です。
ところが、昨年度も今年度も、感染対策のために給食交流は中止に。
ですが、
このご時世に学校の中に入って授業をさせていただいて
子どもたちと時をすごせることだけでも
とてもありがたいことです。

給食のあとは、
廊下に展示した本を手に取る児童の姿を横目に見ながら
ほっこり気分で学校をあとにします。

「酪農王国に住んでいるからこそ
受けられる特別な授業。
今日の授業を通して
子どもたちが、
町の魅力を知り
地元にも
牛にも
そして、
じゃがいもなどの他の作物にも
"この土地の恵み"全てに
もっともっと
興味を持てたらいいな。」
という思いを胸に。

そして、毎年
子どもたちからの感想文が後日届けられます。

「この町に牛がいっぱいいて良かった」
「いろいろな種類の牛がいて、牛の育ちかたがわかった」
「牛の一生と牛の体のことがわかった」
「牛乳によって味がちがうことがわかった」
「牛がかわいかった」
「牛のクイズ全問正解した!」
「乳をしぼる機械にもたくさん種類があってびっくりした」
「牛の前歯は下しか生えていないのをはじめてしった!」
「わからなかった牛のことをいろいろと教えてくれてうれしかった」
「もっと牛のことを知りたくなった」
「牛のおかげで僕らもいきているから、牛がいて良かった」

などなど、
みんな思い思いに
印象に残ったコーナーや
授業全体の感想を
伝えてくれました。
この授業を通して、
様々なことを感じてくれるようです。
毎回みんなの感想を読ませていただいて
とても嬉しくなります。

みんな、
この町のこと 
牛のこと
もっと好きになってくれたかな

毎日飲んでいる牛乳も
もっとおいしく感じるようになって
もっと好きになってくれたかな
(と、最後は酪農家目線になってしまいました。)

そして今年は、
私が活動させていただいている近所の小学校だけではなく、
町内の他の小学校2校でもコラボさせていただくことになりました。
例年ならこの2校の3年生は、
出前授業ではなく、
実際に青年部員の牧場をいくつか見学します。
ですが、昨年は中止。
今年は出前授業に変更することになったようです。

また、
更にもうひとつ、
これらの農協主催の出前授業だけではなく 、
町主催の出前授業でも
今年から農協青年部さんと
コラボさせていただけることになりました。

町主催で年に一度行われている
『まるごと給食』
という日があります。
「"地産地消"この町の『まるごと給食』」
"地産地消"についての学習日です。
その日は町内全ての小学校中学校の給食が
この町でとれたものだけを使った献立メニューになります。
その時も、
農協青年部の食農教育委員会のかたが
小学校や中学校に行き、
その日使われている食材の授業を行います。
授業のあとは、
子どもたちと一緒に
"この町の恵み給食"をいただきながら交流を深めます。

私の夫も、
農協青年部の食農教育委員会のメンバーで、
毎年、
子どもたちに「"この町の恵み"のことを伝える」という目的の他、
"この町の恵み御膳"の学校給食を味わうことを楽しみに
『まるごと給食』の出前授業に出掛けていきます。
今年も秋に行われる予定です。
今年は給食を食べることが出来ず残念がっています。
さらに、夫は今年で青年部を卒業しなければならない年齢を迎えるため、今年度が最後。
非常に残念がっています。

そんな、夫が今年で最後の参加となる『まるごと給食』にも、
今年は私たち図書室ボランティアもコラボ参加させていただくことになりました。
また新たな場で、本を通して
"この町の恵み"を子どもたちに伝えていきたいと思っています。
そして来年は、
夫にかわり私が、
"この町の恵み御膳給食"を子どもたちと味わって、
この大地の恵みに感謝できれば良いなとも思ってしまっています。

「夫よ、
来年からは一緒に"図書ボランティア"として
子どもたちに"この土地の恵み"を伝えていく?」
と図書室ボランティアへの勧誘を冗談で考えてみたり……。( *´艸`)

この町では、近年、
地域ぐるみで児童生徒を育てる活動に取り組まれており、
ボランティア団体が学校と関わりを持つ機会が増えてきています。

私自身もこれから、もっともっと
この町の子どもたちに、
"この町の恵み"を伝える活動の場を
広げていけたら良いなぁ
と思っています。


今日もまた最後まで読んでいただき、
どうもありがとうございました。

皆様にほっこりが訪れますように🍀

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?