見出し画像

『-196℃のゆりかご』藤ノ木 優



本作の主人公、18歳のつむぎは幼い頃に両親を亡くし、義母の奈緒と二人暮らし。

義母はパニック障害の持病を抱えており、つむぎは家の中でも絶えず気を張って生活している。
互いに他人行儀で、家庭の温かさは微塵も感じられない。

ある日、義母の奈緒が倒れ、病院へ駆けつけたつむぎに明かされた真実は残酷だ。
タイトルのー196℃は凍結胚を保つ為の温度で本作の鍵となる。

性暴力による望まぬ妊娠もあれば、妊娠を切望する女性もいる。
不妊治療に一縷の望みを託す、切なる思いが伝わって来た。

それでも尚、つむぎのルーツには疑問が拭えなかった。




この記事が参加している募集

読書感想文

拙い記事を読んでくださってありがとうございます(*´▽︎`*)