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日本沈没2020のラップシーン

少し前にNetflixに「日本沈没2020」というアニメがリリースされた。
最初は全く興味がなかったし、そもそも自分の国が滅び行くアニメなんか誰が見てやるかと思って見るつもりはなかったのだが、旦那が「終始感情的になるよ」とか「泣いた」とか言ってくるもんで、見ることにした。

そのアニメの中で1番印象に残ったシーンがあって、まるで自分のことを言われているような気がしてドキッとした場面でもある。そのシーンというのがそれぞれがラップに乗せて日本という国に対する本音をぶちまけるというもの。ぜひ読んでほしい。携帯で見るとどうしても読みにくいけど。

 剛:この国の人は控えめ、お人よしばっかりで弱腰
   建前っての気にして内向的な島国根性でいつも集団行動
   周りと違うだけで変わり者扱い
   細かいことばっか言って今日も出る杭打ってる
   個性的な外国と全然違う こんな国は沈んで正解
   でも道連れはごめんだ

春生:おいそこの頭でっかち 偉そうなことばっかり
   何かとニッポンが嫌いって愚痴る
   そのネガティブさがまさにニッポン人
   でも個性と自己中は紙一重
   自己主張も行きすぎたら辛いだけ
   お人よしってそれのどこが悪いの?
   財布を落としたって返ってくるなんて最高
   建前で人を傷つけないそういう心遣いこそ
   優しさを感じて俺はそこが好き
   確かに細かいところまで気にするけど
   そこから生まれるサービス気遣いの正確さ
   真面目って悪口?じゃなくてそれ特技
   今じゃ世界中が信頼しているメイドインジャパン
   インターネットだけで世界とつながって
   それで偉そうに何かを知って語っているつもり?
   そんなに嫌だってんなら勝手に出ていけよもう
   いつか後悔したってこっちは知らないぞ

 歩:ごちゃごちゃうるさい外国だ日本だって
   国どうしで比べるそんなの意味あるの?
   どこもいいとこもあるし悪いところだってある
   いい人に悪い人 そうでない人だっている  
   どこでも犯罪はあるしどこでも奇跡は起きる
   あーだこーだうるさいもう決めるのは自分
   もともと地球上に線なんて見えないのになんで?
   この国の人はこんな人って決めつけはナンセンス
   私はようやく気付いた それがこんなタイミング
   どこでよりも誰とのほうがずっと大事
   私はここにいる人がいればそれで生きていける
   ここが私の大地アースだサンキュー

私としては剛の考えに近い。「こんな国は沈んで正解」てところ以外は。
でも春生の返しにも共感する点が多々あるし、痛いところを指摘されているような気がしてしまう。
そして最後の歩のラップ。そもそも国同士を比べることがナンセンスだってまあ確かにそうで、そう言われると何も言えない。。

最近は、1番多くの人が目を通すであろうインスタグラムでの発信に力を入れているのだが、この前高校からの友達にこう言われた。
「日本嫌いになったのかと思った」って。
日本を外側から見るようになって日本の悪いところが目につき始め、それを指摘している私のことを日本を嫌いになった日本人と思うのも不思議ではないよなぁ。
でも本当はその逆で、日本が大好きだからこそ嫌な国になってほしくないのだ。完璧な国なんてなくて、その国その国で良いところもあれば悪いところもあって、でもグローバルな現代なら他の国から良いところを学んで自分の国に活かせることができると思う。

日本人は日本は世界の中でも素晴らしい国だと思ってる人は多いと思う。そう思う理由はきっと製品の質の良さだったり、人の気遣いの凄さや細やかさだったりだろう。でもその日本は素晴らしい国という概念が、努力をする方向性を偏らせ、他に取り組まなければならないことから人々の関心を遠ざけている。

例えばゴミの問題。日本はまず包装が過剰だ。包むという昔からの習慣だからなのかもしれないが、だからと言って「仕方ない」の一言で片付けれる問題ではなくなっている。一応分別はするが、リサイクルできる物でもほんの一部しかリサイクルされていないのだったら分別する意味も分からない。最近で言えばスーパーの袋が有料化されたが、その本当の意図を理解している人は少ないような気がする。私の家族の反応の例を挙げれば、「どうせ何かの時に必要だからお金を払ってでも袋をもらう」「マイバッグ持参なんて面倒臭い」と言ったように、結局自分本位で、環境のことなんてちっとも考慮していない。日本はとにかくエコの意識が低い。というのも商品をいかに良く見せるか、いかに多くの消費者に買ってもらうかということに必死で、日本製品は素晴らしいという自惚れが、日本人の経済発展への情熱にますます拍車をかけ、プラスチック問題のような環境問題に対しては何の努力もしていない国に見える。

他の問題で言えば添加物。日本のお菓子や菓子パンなどどこでも手軽に買える食べ物は確かに美味しい。でも日本は「添加物大国」と言われている。美味しいから日本の食べ物はすごいんだなんて勘違いしてたら日本の食料は将来とんでもないことになる。そこでもまた「日本の食べ物は美味しい」と自画自賛してしまっているがために、「日本の食べ物は実は化学物質まみれで危険」という事実に気づかないでいる。去年の夏帰国した時に、親戚のおばちゃんと食べ物の話をした。私たちがヴィーガンで食に気をつけていることを知っているおばちゃんはこう言ってきた。
「外国だと食べるもの大変でしょ。日本の食べ物は安全だから良いよね」と。
その根拠のない自信は一体どこからやってきているのだろう、いやいやいや外国の方がバラエティ豊かで困らないんだけど、と心の中で思いながら、あえて日本の食が安全ではないことは伝えなかった。


日本人は真面目で働き者。私はその素晴らしい特徴を活かせれば、日本人が盲目的になっていること、つまり、私がいつも訴えているエシカル消費のこと、環境や動物、食べ物のことに対して一生懸命解決を心がける素敵な国にできるはず。麻痺して眠ってしまっている感覚を奮い起こす目的で私は発信しているつもり。だから決して反日主義だなんて勘違いしないでね笑

アニメの話に戻るが、私は家事をしながら見たというのもあって、ちょっとうるっとした程度だったのだが、私の旦那はと言うと毎エピソードというと大袈裟だが、涙なしには見れなかったそうだ。この人日本人の私より日本愛してるんじゃないかと思った瞬間だった。笑


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