「広報結果出てないじゃん」から解放される!誰もが悩む広報活動のゴール設定重要ポイント
目標設定はどうしたらいいの?
広報活動を実施するにあたり、最も難しいのが目標設定ではないでしょうか。営業やマーケティングなら売上の数字がありますし、総務や人事だって、離職率低下や従業員満足度を上げる、という目標があると思います。広報は営業とバックオフィスのはざまにいる…というと語弊がありますが、かなり独特なポジションにあるため、どう目標を立ててよいのかわからない、という人が非常に多いのではないでしょうか。
広報の目標はどの企業も一緒
結論を先にお伝えします。広報活動の目標は実はどの企業も一緒です。
目標は「ステークホルダーにいい企業だと思ってもらう」です。詳細が変わるだけで、どの企業もこれです。ただ、勘が良い方はお気づきの通り、もちろんこれでは活動も評価もできません。言語化する必要があります。どこをどう言語化しなければならないか?は以下の通りです。
「いい」とはどのような状態か(何と比べてどんな状況なのか)
「いい企業」とはどのステークホルダーにとって、どのような企業で、何と比べてどんな状態なのか
このあたりがしっかり言語化されたものが、広報のゴールです。
なぜ目標がしっくりこないのか
当然「いい企業」が設定できただけでは、活動ができません。その状態にするための戦略と戦術、そこに対する数値的な目標=KGIとKPIが必要になります。おそらく皆様ここから始めるので、目標設定に迷ってしまうんだと思いますが、「いい会社」を情報を使って実現する、と考えるとKGIもKPIも見えやすくなってくるのではないでしょうか。
このあたりは様々著書やセミナーにて、フェーズに分けて数値の目標を指南してくれるものが結構あると思います。間違ってはいないと思いますし、私もそれでやってみたことがありますが、結論としては「何となくしっくりこない」じゃないでしょうか。しっくりこない理由は、結局何に影響を与えられているか実感がわかないからなんだと思います。
しっくりこないことの本当の闇
皆さんが著書やセミナーでおっしゃっている目標設定は間違ってはいないんだと思います。その通り実行し、達成できた結果論として事業に貢献できている感じが得られるんだと思います。ですが、疑問を持ちながらやみくもに頑張るのはとてもしんどくないですか?そしてその疑問は、当人だけではなく、周りの人もそう感じてしまうという落とし穴があります。
広報の皆さんなら一度はこんな経験ありませんか?とある上司から「掲載が売上に結局つながってないじゃん」と言われ、またとある同僚から「なんか結果出せてるの?」と疑問に思われ、またとある後輩から「何やってるのかわからないっすね」と言い放たれ…。言われ放題散々言われ、それでも目標数値を達成した先に、事業に貢献できている感じがある…!と歯を食いしばっていませんか?
肩の荷が下りる目標の立て方
「ステークホルダーにいい企業だと思ってもらう」というミッションを建てた後やっていただきたいのが、戦略・戦術の構築ですが、まずはこんな風に考えてみてください。まず戦略は、ステークホルダー別に考えてください。よくあるステークホルダーは、以下かなと思っています。
販売先(購入する可能性のある人全員)
仕入れ先(仕入れる可能性のある企業・団体全員)
同業者
従業員とその家族
求職者
行政(法律や条例など)
株主・資金提供者
地域
非営利団体
全部やることが望ましいですが、事業の方向性に合わせてどれか一つから始めてよいと思います。これを経営層と話し合うことが非常に大事です。今の事業に不足している資本や環境は何か?をしっかり話し合いましょう。
これが決まったら、
いい企業だと思ったときにステークホルダーはどんな思考の変化があり、どんな行動を起こすのか
これにつきます。この行動内容がKGIであり、その数値目標がKPIです。で、皆様の肩の荷を下ろすポイントのは、「段階的に目標を設定する」ということです。広報活動はすぐに目が出るものではありません。ゆえにしんどさを感じてしまいますよね。段階目標持たないと、広報活動自体がしんどくなって、心が折れちゃいます…
例を一つ出しますね。
たとえば、海洋環境に配慮された食器用洗剤を売っているとしましょう。購入予定者に向けてよい会社だと思ってもらう、という目標に関しては、「洗剤も環境への配慮が求められる世界線で、自社の商品がパイオニアとして認知されること」のように設定しておきましょう。
※なぜそうしたのかというと、「洗剤に環境とかどうでもよくない?」という社会だと、環境に配慮しているということ自体が評価されないからです。
ただ全員がそう感じているわけではない、というか、「配慮はしてあるべきかもしれないけど、(高いなどの理由で)買うかどうかはまた別の話」と感じる方も多いと思うので、KGIやKPIは以下のようになるはずです。
KGI:
海洋環境に配慮した洗剤を買うのが当たり前になる環境を整備する
KPI:
①海洋環境に関する話題量増加
②海洋環境に配慮した洗剤に関する話題量増加
③購買シェアの増加
たとえばこんな感じ。ですがこの目標、とんでもなく遠く大きなものですよね。なので、もうちょっと小さな粒にしていきます。これが段階的な目標になってきます。
段階に分けてみると?
KGI:
海洋環境に配慮した洗剤を買うのが当たり前になる環境を整備する
↓
みんなが海洋環境に配慮した洗剤を買っている既成事実を作る
↓
海洋環境に配慮した洗剤を買っている人を好意的に受け取ってもらう(エバンジェリストを作り増やす)
↓
海洋環境に配慮した洗剤の情報がちらほら出て、自然と目にする状況を作る
↓
海洋環境に関する情報を検索すると、海洋環境に配慮した洗剤の情報が出てくる状態を作る、その量を増やす
ざっくり分けましたが、ここまで小さくすると、やることが明確になってきませんか?KPIはこの段階的に設定したKGIに沿わせて設定していけばよいのです。著書やセミナーでフェーズ論の説明をしていますが、結局この話にたどり着きます。KGIをまず小さくして、そこにあった活動KPIを設定しましょう、ということなのですが、このようにKGIを段階分けすると、少しわかりやすくなり、今皆さんの肩の荷が軽くなってませんか?
結局コミュニケーションは「言語化」に尽きる
社内コミュニケーションにおいても、結局言語化ができているかどうかで、円滑に進むかどうかが分かれます。上記のように丁寧に分解し、言語化して表現することで、社内や上司の理解も得られやすいのではと思っています。皆さんを守るのも言語ですので、ぜひ養ってみてくださいね。また、大きな目標も、まず一歩から。第1段目高くしすぎると登れないので、小さい目標をこつこつ達成していきましょう!
まだ肩の荷下りてないですか?
ご相談ありましたらお気軽にどうぞ!
私のプロフィール
リクルート関連会社で求人広告の企画営業、カフェプロモーションの企画制作会社でのシニアアカウントエグゼクティブを経て、ブランドプロデュースカンパニー株式会社マテリアル入社。化粧品/日用品メーカーの新商品販促企画、PRディレクションを経験。クリエイティブやプロモーションと連動したPRコンストラクチャーを得意とし、PRに紐づくクリエイティブディレクションも行う。現在新規事業を推進するため、株式会社CONNECTED MATERIALに出向し、広報とメディアとのマッチングプラットフォーム「CLOUD PRESS ROOM」のカスタマーサクセス責任者、広報アドバイザー、PRプランナーという顔つきで従事。
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