【9月の創作まとめ】短歌自選5首
こんにちは! 生きづらい社会の中で、心がスッとラクになる「言葉のお守り」をお届けするつくだ@書籍編集×作家です。今日は9月もおわりということで、9月に詠んだ短歌のうちから5首を選んでみました。
9月に詠んだ短歌の数は未公開の物も合わせて232首。一日におよそ8首詠んでいた計算になります。人気があった歌、逆に反響が少なかった歌、いろいろありますが、そこはひとまず棚に上げて、9月の私を代表する歌はこれ! という歌を順位不動で挙げてみました。
ノートからこぼれた言葉群青の光と甘い香りにどよめく
歳降りて生きて悪いか青臭く我こそ年代物の青柿
菊香る目覚めの朝に連れ合いが 永らえたまえと捧げし一輪
恋すれば泡と消えるを知りつつも紅引きたればあの人と泡沫
歌詠みは花鳥風月のみならず苦しみまでも詠むが本懐
ちょっとずつコメントいたしますね。
1首目は「ノート」をお題で詠んだ短歌です。ノートに書くものといえば、言葉か図です。そこで言葉の持つ力の大きさを表現してみました。
2首目は「青」というお題で詠んだ短歌です。私は年をとっても青臭いことばかり言っている人間なので、それを秋の味覚である柿に引っかけて詠んでみました。
3首目は詠んだのが9月9日、菊の節句の日だったので菊をモチーフにお話しをつくってみました。朝目が覚めると連れ合いはもう起きていて、自分のために長寿の加護があるとされる菊の花を一輪挿しにそっと挿しているという歌です。
4首目は「泡」というお題で詠んでみました。恋をすれば泡となって消えてしまうという人魚の伝説を背景にして、恋の歌を詠んでみました。
そして最後が、今日できたばかりの歌。いまもそうですが、私、なかなか歌が降りてこなくなってしまいまして、悩んでいたら「たった一つの歌にめぐり会う為の待ち時間を恋しく思いながら過ごすのも、素敵かもしれません」という言葉をノート仲間の前田じあんさんからいただいて、待ってたら降りてきたのがこの歌です。
歌詠みというか物書きはすべからくそうかもしれませんが、鶴の恩返しの鶴のように、自らの羽根を糸として言葉を紡いでいきます。それはうれしい言葉ばかりではなく、自分にとって苦しいことを題材とすることがあります。
つまり、すべては短歌をつくるためのネタであり、「書けない」という苦しみさえもそのまま歌として詠んでいこう。それが歌詠みとしての業なのだ。そう理解して詠んでみました。
以上の5首、そんな思いで詠みましたが、その解釈にかかわらずご自身なりの解釈で短歌を楽しんでいただけますと幸いです。
来月も楽しみつつ歌を詠んでいきますので、
どうぞよろしくお願いします🙇
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