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IT革命以降、社会を支えるプログラミング

1980年代中頃、世界中の多くの国で通信が自由化されました。それまで国家や、一部の企業が独占していた「通信」が一般に解放されたのです。1984年にはApple社が一般向けとしては初めてマウスによるGUIを搭載した家庭用PC、「Macintosh」を発売。徐々にパーソナルコンピュータがエンジニア以外の一般ユーザーにも普及しました。

通信が自由化され、同時にハードウェアも進化を遂げる。1980年代は莫大な新規事業領域が創出されたIT革命前夜でした。それまでの電信電話による通信から「パソコン通信」などが生まれるのもこの頃です。

その後1990年代に入り「インターネット」の商用利用が開始され、その普及によって通信が高度化。Windows95の爆発的ヒットにより、インターネットやパソコンはさらに普及します。2000年代にはPHSや携帯電話やノート型パソコンが普及。誰もがデジタルと接点を持つ社会に変わります。

2007年にはスマートフォンの先駆けであるiPhoneが登場。スマートフォンの時代に入りほとんどの人が手のひらサイズのパーソナルコンピュータを手にして生きる時代になりました。

これら一連のいわゆるIT革命は産業や日常生活を、より高度で便利なものへと急速に変容させました。

そして、これら全てを作り上げてきたものがプログラミングです。スマホやパソコンの画面に映るもの、ほぼ全てがプログラミングによって作り上げられています。私たちがちょっと調べ物をしたり、動画を見たり、SNSを活用したりするときもスマホの中でプログラムが作動しています。一見プログラミングと関係のなさそうに見える製品、サービスのほとんど全てにもプログラミングは影響を及ぼしています。企業はプログラミングを用いて、さまざまなデータを収集、分析し、サービスや製品の向上、マーケティングの最適化を行なっています。製品の設計やデザインはプログラミングによって生まれたソフトウェアによって行われます。私たちの目に触れるものが生まれ、目の前に現れるまでに一度もプログラミングの恩恵を受けていないものを探すことは現代社会において非常に困難です。

1980年代ごろまでは、時価総額ランキングの上位は金融業でした。しかし現在はGAFAMやBATHといった巨大IT企業が世界の上位を総なめしています。大きなパラダイムシフトが起こったのです。そして今現在も毎年数え切れないほどの新興テック企業が生まれ、世の中を変革し続けています。この傾向はおそらく今後しばらく続きます。全ての領域がデジタル化し、より便利で最適化されます。そしてこれまでなかった多くの新しい価値が創出されていくでしょう。

それほどまでにIT革命後の現代においてプログラミングの存在は大きくて重要となったのです。プログラミングは今や空気や水、電気、ガスと同様、現代で生きる上でなくてはならない必須のインフラであるインターネットやそこで機能するもの、それに関わるものすべての根源なのです。

現代の生活で必須となったプログラミングは、あらゆる価値を創出する可能性を秘めたものとして非常に注目されています。特に2015年以降のプログラミングへの関心はそれまでと一線を画しています。世界中で、プログラミング教育の必修化、義務教育への導入が始まり、それに伴い、さまざまな教育サービスが生まれました。これにより、それまでエンジニアがパソコンの画面に文字を打ち込む難しいものとして一般の人とは直接関わりをもってこなかったプログラミングが必須教養の一つとして認知されるようになってきました。2021年現在、多くのプログラミングスクールや支援サービスが登場し、教育行政に先駆けてエンジニア養成にあたっています。今後より一層この流れは加速し、誰もが数学や英語と同じ感覚でプログラミングに取り組む時代が来るかもしれません。

プログラミングの普及は、誰もが価値を創出することを求められるこれからの社会を支えると同時に、形作っていくものになるでしょう。


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