OKUTEC創業経緯|創業の動機|シニア創業
”定年まで勤めあげる選択肢がある中で、なぜ新しいチャレンジに踏み出したのか?”ということを良く聞かれます。私の中では自然の流れだったように思うのですが、自分自身を振り返ってその自然な流れはどのように生まれたのを探ってみました。以下の3つが強く影響してきているように思っています。
幼少期に父親が経営していた小さな会社
私がものごころが 付いた時には既に父親が小さな会社、奥田ブロック工業株式会社を創業・経営していました。おそらく創業は昭和30年頃だと思います。就職するまでは全く考えなかったのですが、父親は何故、ブロックという事業を始めたのだろうか? 父親に直接聞いたこともあったように思うのですが、はっきりとは教えてくれませんでした。おそらく会社を倒産させたことにより、家族に迷惑をかけたとの思いがあったからだろうと思います。しかし、その当時の時代背景を考えた時、ブロック商品需要は間違いなく伸びるとことは容易に想像でき、そのような事業をどのように人より早く見出し着手できたのか?が非常に興味深く、いつかは自分もそのようなテーマを見出し独立したいとの漠然とした想いを社会人になった時から持っていたように思います。
サンスターのイノベーション風土
私が30才前半でケミカル事業部の研究開発部に所属していた時に”NS11”と命名されたプロジェクトに参画しました。選抜された11名の中堅研究員が新規商品・事業テーマを検討するプロジェクトでした。NSはニュー・サンスターという意味だっと思います。2週間に1回程度、半日ほどかけてメンバーが集まり新規研究開発テーマを検討し、事業部に提案する活動でした。今でいうMOT(Management of Technology、技術経営)のようなもので、技術や研究テーマを経営の視点から提案し、事業化して価値を生み出すような活動を目的としていました。研究現場での活動だったので、良いアイデアはすぐに試作をして可能性判断しました。その結果、実際に研究開発テーマとして採用され事業化されたテーマもありました。また、技術的難易度や市場性の判断からボツとなったような類似商品テーマが数年後、他社で商品化されることもありましたので、そこそこ我々が検討したレベルは高かったのではないか?と思います。それと同じような思いになったのが、先日、アマゾンで保護シートを探していた際、”液体フィルム”という商品を発見してビックリして直ぐに購入しました。この商品のコンセプトは30年前にNS11で間違いなく検討したテーマで、その当時の思い出を蘇らせてくれました。NS11のような活動はサンスターの中では珍しいことではなく、新たな事業や商品開発の検討会が定期的に行われ、私の中でも新たな商品や事業のアイデア出しをする意識は習慣化されていったよう思います。
ドイツの小さな町の起業家
自己紹介に少し書きましたが、2001年頃から自社開発商品「Penguin Form System」の欧州市場開発を推進しました。その展開を一緒に進めるパートナーとして選んだのが、企業をスピンアウトして独立起業して間もないCeraConという会社でした。フランクフルトから車で2時間ほどの距離にある小さな町、そこにある古い倉庫のような場所がCeraConでした。そこへ我々の独自開発した商品「Penguin Form Ststem」を設置し、お客様へデモンストレーションすることから一緒に始めました。日本から出張ベースでの活動でしたが、我々の技術・商品を最初から高く評価し一緒に事業を開発しようとの姿勢で接してくれました。同時に技術やマーケティングなど、事業を立ち上げるための戦略論議は激しく行い、方向性が決まればすぐに実行!といったスピードもありました。その成果はすぐに表れ、2003年にはCeraConは借倉庫から脱出し大きな自前の本社工場を建設、その後も我々と一緒に順調に事業を成長させることを実現させました。
ドイツ経済を支えているのは輸出であり その立役者は中小企業である。また、その中小企業のほとんどが外部の能力を取り込むオープンなアプローチで競争力を高めていると言われています。私もこのCeraConと一緒に事業開発を進めた経験は独立する思いを強くしたと思います。
https://www.ceracon.com/en/company/meilensteine/
80才までモノづくり携わりたい
このよう経験を通じて徐々に強くシニアでも創業したいとの想いが強まっていったことは事実だと思います。しかし、それ以上に”モノづくりが好き”だという気持ちが強く、できれば、健康を維持しながら80才までは、世代を超えて若い人とも様々なアイデア討議を行い、商品開発のアイデアを出しながらモノ作りをしたい。そしてイノベーションを志す人が集まり、楽しく語り合える場所としてOKUTECを存続させることを目標にしたいと考えています。
【公式Titterアカウント】
https://twitter.com/CLOSER_OKUTEC