見出し画像

BL作家・九尾つなし×担当編集者 特別対談「編集者さんは一人じゃないと思わせてくれる存在」

こんにちは! CLLENN公式noteです。

現在、100名のデジタルマンガ編集者を大募集中のCLLENN。
今回は、CLLENNにあるBLレーベル「NuPu(ヌプ)」の代表作で、6月30日に上・下巻でコミックス発売する『嗅愛フェロモン』著者・九尾つなし先生担当編集者・Yさんより、作品づくりのこだわり、作品づくりにおける担当編集の大切さについてお話しいただきました。


『嗅愛フェロモン』制作秘話


『嗅愛フェロモン』著:九尾つなし
【お前のにおい、甘い、興奮する…!】子供の頃から、なぜか動物に好かれる体質の秋斗は、勤め先の店長の友人・小熊にも異様に懐かれていた。匂いに敏感な小熊は「秋斗君は良い匂いがする」と、いつも匂いを嗅いできて…。ある日、小熊に首筋の匂いを嗅がれていると、思わず喘ぎ声が漏れてしまった秋斗。それを聞いた小熊のナニかが反応して…

ーー普段どのように作品づくりを進めているのでしょうか?
担当編集Y:作家さんからどんなお話を描きたいかざっくりと聞いて、方向性に問題がなければ簡単なキャララフとネタ案をまとめていただき、それをもとに打ち合わせを重ねます。九尾先生の場合は、他の作品の作業中に「新作のネタが思い浮かんだ」と話していただくこともあります(笑)。

九尾:『嗅愛フェロモン』に関しては、私が「いい匂いのするキャラクターを描きたい」と思い浮かんだところからスタートしました。最終的にいい匂いがするのは受け(秋斗)になったのですが、最初の案では攻め(小熊)の方がいい匂いのするキャラでした。でも上手くプロットで動いてくれず、Yさんに相談しているうちに「受けがいい匂いだったら...?」とひらめき全て書き直したところキャラがスルスル動いてくれるようになり今の形に落ち着きました。

担当編集Y:前作『俺のバージンは売ってない!』は当初3話の予定だったものの最終的に話数を伸ばしたこともあり、『嗅愛』に関して最初から長期連載を見据えておきたくて。なので初期段階で作中に描かれない範囲までキャラのバックボーンをつくり込んでいただきたいとご提案しました。

九尾:長期連載を見据えていたことは今初めて聞きました(笑)。私はずっと二次創作を描いていて一次創作をしてこなかったから、キャラ設定を深く掘り下げることに重きを置いていなくて。実際に身長を含めてキャラ設定を細かく落とし込むと、動かしやすくなり後からブレにくくなったと気づきがありました。

――攻め・受けのキャラ案についてお聞かせください。
九尾:クマは嗅覚が鋭い生き物ということから、「匂い」がテーマの作品であればクマっぽい人にしようと攻めを考えました。なので名前にも「熊」が入っています。当初はもう少し線の細いキャラだったのですが、Yさんから「もっと筋肉がほしい」とご提案いただき、描いてみたところしっくりきて、今のキャラデザになりました。

受けの方も初期提出では前髪ぱっつんで私はかわいいと思いましたがYさんから「もう少し練ってください」と言われたため、考えて描いていくうちにより良くなり指摘してもらえて良かったなと思っています。

初期設定のキャラ案。ここから担当編集とのやりとりを経てキャラが固まっていった。

九尾先生が描くエッチシーンのこだわり

ーー作品を手掛ける上でのこだわりを教えてください。
九尾:私は「お初(初夜)」が大好きなので、挿入までの過程を丁寧かつエッチに見えるように、挿入シーンは大切に描いています。あとは、できるだけ顔を見せたいので、受けのお尻が見える構図が大好きだけど出来るだけ顔も描くというこだわりがあります(笑)。

担当編集Y:エッチシーンに関しては見せ方を含めて相当なこだわりを感じていて、実際に絶大な信頼を置いています。あれだけの回数を描いているのに、同じ流れがないんです。私からは「もう少し表情を見せたい」と提案するくらいです(笑)。
エッチシーンだけでなく、「自分で考えて描く」ことにもこだわりを持っていらっしゃると思います。編集側からの修正依頼も方向性をお伝えするだけで、あとは好きに直してもらう方がいいものが上がってくるんです。

赤入れしたものをベースに電話で相談しながら修正の方向性を決めていきます。 電話で意図を確認して、修正が必要ないと思ったものは変更なしで進めることも。 担当編集として気にしているのは、「その流れが自然か」や「面白いか」です。

九尾:言われた通りに直すのはなんというか......悔しいですし(笑)ネタかぶりもすごく気にしてしまいます。

担当編集Y:細かいことを気にされますが、確認すると気にしなくていいことがほとんどで、いつも「気にしなくていいよ」と言っています。
また、すごく向上心が高く、作画の手を抜かないことも先生のこだわりだと思います。あとはスケジュールをしっかり守っていただけるのも本当にありがたいです。

九尾:スケジュールに関しては絵を描くことが大好きだから自然と守れています(笑)。ただ、『嗅愛』のコミックスの描き下ろしは〆切を延ばしていただくことになって悔しかったです……。

担当編集Y:コミックス2冊同時発売でそれぞれに描き下ろしをしていただいたので、トータルのページ数が結構あって。加えて、うちの新連載や他社さんの連載もあるにも関わらず、早めに進行いただいていたので、こちらとしては全く問題ないです。描き下ろしをたっぷり描いていただいたので、読者の皆さんに期待してほしいです!

担当編集者の役割は「作家のモチベーションを保つこと」

ーー編集者として作家さんと作品づくりする上で意識していることはありますか?
担当編集Y:作家さんが作業しやすいように、を第一に考えています。作家さん各々お好みのコミュニケーション方法での打ち合わせや、作業順など。あとはご自身の作品を「おもしろい」と思って描いていただけるように努めています。ネームを読んで「悩まれていたんだな」「ノッて描いているな」と感じるほど、作家さんのモチベーションはそのまま作品に出てしまうんですよ。

九尾:楽しく描いている時、悩んで描いている時、Yさんには全部バレるんですよ(笑)。悩んで描いたプロットに「ここ悩みました? こうしたらどうですか?」と方向性の提案をもらって、もう一度揉んで提出した時に「良くなりました」と言ってもらえるとすごく安心する。なので、ちょっと悩むと「Yさん……」とすぐにバブバブしちゃいます(笑)。

担当編集Y:一人で落ち込まれるよりすぐに相談していただいた方が、こちらからも何かしら提案できるので助かります。どんどん相談してください(笑)。

九尾:ありがとうございます(笑)。

――最後に、担当編集者の存在は作品づくりにおいて、どのような影響をもたらすと感じますか?
九尾:モチベーションに繋がります。私はアシスタントさんもいなくて基本的に一人でずっと作業をしている中、読者さんには見せられないネームやプロットを描いていると、どういう反応が返ってくるか不安になることもあります。だからこそ、「早く担当さんに見せたい」という気持ちが強くて、少しでも良い反応がもらえるとすごく嬉しくなるんです。何があっても助けてくれる安心感がある。一人じゃないと思わせてくれる存在です。

編集者採用についてはこちら

採用特設ページ
http://special.dmm.com/recruit-comic-editor/
未経験者の募集はこちら
https://dmm-corp.com/recruit/business/1640/
漫画編集経験者の募集はこちら
https://dmm-corp.com/recruit/business/1627/

おまけ:1話無料試し読みはこちら
https://book.dmm.com/product/4141769/b925aotmc02437/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?