プラトニック婚、救われた未完成婚が題材の本を紹介する。

今日は、未完成婚が題材(実話ベース)の本を3冊紹介してみたいと思います。
その界隈では有名かな?(だと私は思っているので)既知の方もいらっしゃるかもしれませんが……。

セックスできない夫婦は私たちだけじゃない、そう思えた、勇気をもらった本です。
全て女性目線にはなるのですが、作品という形で、いくつか見させていただけたことで、自分たちのことを客観的に見る手助けをしてくれたと感じています。
もし、未完成婚とはなんぞや、どんな生活なんだそれは?と興味をもってくださる方がいらっしゃったら、それもまた私は嬉しく思います。
早速いってみよー!

①『夫のちんぽが入らない』(講談社)
著:こだま

内容はタイトルままです。夫の性器が入らない方の私小説。
物静かな人が、ものすごく叫んでいるような、まさに「血文字で」書いているような文章です。本当に辛かったんだろうなっていうのが伝わってきて、未完成婚当事者の私としては涙無しには読めなかったです。
電車で結構しっかり泣きました。
なんで?どうして?って本人は誰にも言えずに思っていて、助けてもらいたくてもどこへ助けを求めればいいのか、その情報にアクセスできない。だからそのとき思いつく限りのことをやって、乗り越えた方なんだろうなと。
文庫の帯に上野千鶴子(社会学者)さんが「それにしても、愛と性が別なものだとわかってしまった時代のカップルは難儀なものだ。」と書いているのですが、この言葉の意味は、オープンマリッジにしてからわかるようになりました。
愛と性は別ですよね、はい。
別、だし、関係があるようで、関係がないのかもなあと。

好きな人と結婚した。セックスができない。

子供は欲しい。セックスしないで子供を作る。

好きでもない人と結婚した。子供は欲しい。セックスはできる。子供ができた。

……どれも十分、ありえるんですよね。

結婚って、夫婦って、なんだろうって、今も考え続けています。


②『スキンシップゼロ夫婦』(ワニブックス)
著:まゆ

セックスというか、スキンシップが難しいご夫婦のお話。主人公の夫が「自分に自信がないんだ」と言うシーンがあって、それはまるで自分の夫を見ているかのようでした。きっと男性も、思うようにいかないことは辛いし、もっと言うと男性こそ、精神面が性機能に直結する、そんな繊細な部分があるのではないかと今は思います。

読者のレビューでは夫側に何かしらの器質(発達障害など)があるのではないかと推察する方もいらっしゃって、なるほどなあ、と面白くも皮肉にも感じます。何かしらの具体的な原因があると推察して、そこに名前がつけば、普通の夫婦生活を送っている人は納得できるのでしょうかね。
もちろん、発達障害という言葉に救われる人もいるでしょう。周りの理解が及べば、本人も周りも、生きやすくなるかもしれません。
それはそれで否定する気持ちは一切ありませんし、登場人物に会ったこともなく専門家でもない私がとやかく言うことでないのは百も承知です。

でも、あくまでも個人的にはですが(こういった見解に対して)、
それだけでは未完成婚は語れないんじゃないかな……だって、関係性だもん、一方通行な話なのかねそれは、自分と違ったらみな障害や病気としておけばいいのかね、異常?へえ、なんすかそのお手軽発想、個性がどの範囲なのかね君は、オメデタイっすねえ、よかったですね未完成婚じゃなくて、どうかそのままでいてくれマジで、……と思っています。笑
(性格悪っ!笑)

このご夫婦だからこその、あたたかな心のふれあい、空気感が、私は大好きです。


③『奥さまは処女』(光文社)
原作:うなぎ
漫画:梅林イクミ

ほぼうちと一緒じゃん……と思えた作品です。とても励まされました。世代的にも、夫婦のキャラクター的にも……これ、私たちのことだよね?みたいな。笑
あと、作者の言い回しをはじめとした文章が面白くて、知的で、読み物として純粋に楽しめました。

うちと違うのは、主人公が子供を欲しいと願う点ですかね。あくまでも妊活をするという目的があって、だけどセックスができたことがない、じゃあどうしようと奮闘する。主人公の前向きさに救われましたし、結果的にたどり着いた妊活の方法は私も当時知らなかったので、驚きました。
もしかしたら今の時代なら、助けを求めれば何かしら解決策が出てくるのかもしれないと気づかせてもらえた作品です。その情報にアクセスするのは、きっとまだまだ難しいのでしょうが。でも、こういった作品が広く知られることで、きっと、救われる人はいる。

個人的には、ネット含め、未完成婚に関する表現は女性当事者からのものが圧倒的に多く、男性からの表現にまだ出会ったことがありません。(もし、ご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えていただきたいです。)

そもそも男性というのは普通、好意のある女性を前に性交渉をしたくなるものだ、それができないということは異常だ(あるいは、性的趣向が少数派に違いない)といった偏見があり、表現しづらい環境なのではないか?と深読みしてしまいます。
そんなこと、ほんとに、ないんだけど。
まだまだこれから、ですね。

私はnoteに書くことで、
少しでも「未完成婚」という言葉を知ってもらえたら、
少しでも「子供はまだ?」と聞く人が減ったら、
少しでも「もしかしたら未完成婚でこの人は悩んでいるかもしれない」という想像力のある人が増えたら、
そんな風に思って過ごしています。

そんな私にとって、上記の3作品は、本当に大切なものですし、書いてくださって、世に送り出してくださって、本当にありがとうございます、そんな気持ちでいます。

なので、紹介というか、ラブコールですね、これは。笑

世の中、本当に、色々な人がいるんですよね。それはきっと素敵なこと。

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