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設計料(設計監理料)というモノの値段の決め方について

建物の設計監理料(以降、設計料で統一します)ってどんな風に決まって(決めて)いるんでしょうか?
というお話です。


モノ(サービス、モノ)の値段とは、どうやって決まるの?

これは設計料に限った事ではないですが、モノの値段ってどうやって決まってますか?という問いに、パッと答えられるのって意外と難しいと思います。

例えば…
①一般的に、このぐらいの値段だから。
とか
②○○円均一のお店だから、この値段。(100均など)
とか
③そのモノ(サービス、モノ)を提供する事にかかった(あるいはかかるであろう)、時間や材料などを金額に換算して算出する値段。
とか
④買いたいと思う人の値段と、売りたいと思う人の値段が合う金額。

などなど、色々な値段の決めるポイントはありそうです。(他にもあると思いますが)

値段の決め方の疑問点

ここで少し疑問点がでてきました。
例えば①の【このぐらいの値段だから】という部分、わかりやすい例だとすると、ラーメンとか、大根1本とか、雑誌1冊とか、などなど色々例はありますが、【このぐらいの値段だから】=本当のそのモノの値段(原価+経費)の図式が、かならずとも成り立っているのかな?という疑問です。

もう一つ疑問点が。
②については、100円均一のお店だから100円(100円以外も少し置いてはいますが)という金額の決め方。だけど、当たり前だけど、そこに置いてあるすべてのモノが原価が一緒で経費も一緒という事は、まず無いと思うので、原価が安いモノから、高いモノは混ざっていると思います。

④については、パターンごと全然変わってくるような気がするので「時価」みたいな感じに近いような気もします。
買いたいと思う人がたくさんいて、売る側の個数が少なければ、値段が高くても売れるはずだから、値段は上がっていってしまうのかなと。

③については、モノにかかる時間や材料を加味している分、正しい金額が算出されそうな気がします。
その算出するための「時間(人の単価)」、「材料」は、たぶん上記の①、②、④に当てはまりそうなので、一番親切な値段の出し方だとは思いますが、周りの状況によって値段は変わる可能性があるのかなという気がします。

じゃあ、設計料の決め方って決まりはあるの?

設計料というのは、本来は③で算出されるように、設計料算定の基礎は
平成31年国土交通省告示第九十八号によりしっかりと明記されています。
↑リンク貼り付けましたが、長文過ぎて読む気が失せると思いますが…

概略でお伝えすると、こんな感じです。

設計監理料 = 直接人件費 + 諸経費+ 特別経費 + 技術料 + 消費税
・直接人件費:1日あたりの人件費(資格や経験年数により規定あり)×業務にかかる日数
・諸経費:設計事務所の経費(コピー代、交通費、通信費、消耗品費や事務所の利益などを含む)、直接人件費と同額で計算される
・特別経費:出張費や特許使用料など、建て主の特別な依頼によってかかる経費
・技術料:その業務において発揮される技術力や創造力、業務経験や総合企画力、情報の蓄積などの対価として支払われるもの、直接人件費の半分程度であるケースが多い

国土交通省HP「設計、工事監理等に係る業務報酬基準について」

と書かれても、じゃあいくらかかるの?という感じがしますが、便利なものを見つけました!
設計料計算ツール 告示第98号業務報酬基準対応
こちらから飛べます。

建物の用途と床面積と人件費単価(コレも一応国土交通省で単価を決めているのでリンクを貼ります↑)

これらを打ち込むと、その物件にかかるであろう業務報酬(=設計料)が算出されるというモノ。

例えば、100㎡(30.19坪)の戸建て住宅(構造計算も含む)を計算した場合、人件費単価は一番安い【技術員】の場合、1日あたりの単価が29,000円。時間単位に直すと1日作業時間を8時間として、3,625円/1時間となります。
ので、それを入れ込んでみると。。。。。

計算結果はこちら

結果は、10,115,490円(税込)となります。

あれ?一桁間違えたかな?ぐらいの感じの金額感ですが、国の決めている指標で計算すると、この金額が出てきます。

一般的な設計料の目安。

という感じで国で掲げている設計料の指針は、わかりにくいうえに、実態に沿ってない部分が大きいので、設計事務所では、工事費の10%前後。
あるいは、延べ床面積の1坪(3.31㎡)あたり10万円前後。という形で、金額を算出しやすくしているケースがほとんどです。(建物用途や規模等で各%や単価は変わってくるとは思います)

例えば、3,000万円の建物であれば、10%の設計料の場合、設計料は300万円となります。
わかりやすいですね。しかも国の指針の値段よりだいぶ安い。
床面積ではないので比較はしにくいですが。

あるいは坪単価100万円の家だとすれば、工事費が3,000万円だとすると延べ床面積は30坪(99.37㎡)となり、1坪あたりの設計料を10万円で計算すると、300万円となります。
国の指針とほぼ床面積は同じですが、設計料の算出額は1/3程度です。
単価の設定次第ですが、パーセントで出しても、床面積で出しても同じような金額感にはなりますね。

世間一般の設計料の決まり方(まとめ?)

いろいろ書いてきましたが、国の指針はあるけれど、あまりそれが使い物にならない(用途・規模にもよるのでしょうが)という現状の中で、世間一般での設計料の決め方としては、最初に書いた①~④でいうと、もちろん③も考えつつ、④の要素もある(有名な建築家さんともなれば%は高くなると思います)けど①の一般的な設計料も踏まえて。という部分で設計料を決めているのではないのかなと思います。

まるやま設計室の設計料について。

こちらのnoteに詳細を書かせていただきましたのでご覧いただければと思います↓。

だいぶ長文になってしまいました💦
最後までお読みいただき、ありがとうございます!

まる。

まるやま設計室

丸山 雄太 yuta maruyama
tel: 080-9837-2860
e-mail: yuta.maruyama00@gmail.com

instagram: https://www.instagram.com/maruyama_sekkei/





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