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パンを焼いてみた。

最近、時間に余裕ができたので、以前から気になっていたちぎりパンのレシピが載っている本を購入した。
ちぎりパンのぽてっとした形が何ともいえず可愛く、美味しそうだ。
自分でも焼いてみようと思った。
実家では母がお菓子作りをすることがあり、たまにパンを焼いてくれたりもした。
手作りのパンは市販の物と味が違うし、焼きたてがアツアツでやわらかく記憶に残るおいしさだ。
あの味を再現できればいいなと思いつつ作業にとりかかった。

パンを作るのには強力粉を使う。
普段、料理に使っている薄力粉よりたんぱく質の含有量が多い。
たんぱく質は、水を加えてこねることで“グルテン”になるのだが、強力粉にはグルテンくんが多いため粘度と弾力が生まれるそうだ。
何だか分かったような分からないような。強力粉は粒子が粗く、薄力粉はきめ細かいので用途もそれぞれらしい。
パンを一回焼くのにこんなに粉が必要なのかとびっくりする。
私はアトピー体質なのでこれをきっかけに炎症が起こらないか少し不安だが、とにかく一度はパンを焼きたいのだ、と孤軍奮闘する。生地をこねたり、ふきんをかけて寝かせたり、丸めて型に並べたり、自分でやってみると何だか非常に面白い。
一つ一つ簡単な作業だけど、焼き上げるというゴールに向かって進んでいくのが楽しい。
案ずるより産むが易し、頭の中でパン作りについてさまざま考えているより、やってみた方がはるかに簡単だった。

発酵させたパン生地が膨らんでいるのを見て歓声をあげ、分割して丸めた生地の一つにしみじみと話しかけ、オーブントースターにかじりついて小さな窓から必死に焼き具合を見ている時、ドキドキワクワク幸せな気分だった。

焼き上がったパンをオーブンから取り出した。パンは無事に焼けていた。それだけでもう感無量。ありがとう。
昼寝していたパートナーを叩き起こし(迷惑)、ポンと盛り上がったパンの欠片をちぎって二人で食べたら美味しかった。

少し焦げ目が濃く食感がしっかりしていたので、次はちょっと焼き時間を減らしてみようかな。
そう思っているとパートナーが、
ふわふわした可愛い見た目のちぎりパンの動画を「こんなのもあるんやね」と見せてきた。
彼はちぎりパンという存在を知って素直に驚き、無邪気に他人の動画を見せた様子だったが、私はなぜか少しイラッとした。
今は私のパンに感心したままであってほしいのだ。
彼は探究心旺盛なタイプだ。

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