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無職が漫才するのなら


もし無職の俺が漫才師になったなら、登場の出囃子から退場まで、こちらの曲を使いたい。


アントニオ・ヴィバルディ(Antonio Vivaldi) 
ヴァイオリン協奏曲集≪四季≫より冬 Allegro non molto

🎻


Allegro non moltoを、クラブ並みの大音量で流しながら漫才する。張り上げた声は音楽でかき消され、客席にはこちらの漫才は一切届かない。だからいくら滑っても気にならない、嘘も真実も放送禁止も、何を言っても大丈夫。
おかげで自由にのびのび漫才ができるって訳!



はい、どーもー
マイクロチップ埋め込まれてる系芸人でーす。
常に監視されてましてねー。いや見るな聴くな。

最近は何をするにも気を遣い当たり障りのないことしか言えませんわ。

僕ですか?
まあぎり首の皮一枚でつながっている感じですかね。
不細工と自ら公言することで身を守っていたんですけどね。
タコつぼに入ってぬくぬく過ごしてたんですけどね。

ぼ~っとしてたら身ぐるみはがされ丸裸。なんでやねん。

白日の下に引っ張りだされてタコ焼きにされ勝手に食われましてん。

「エクスキューズミー、脳内ハッキング or 脳内コントロール?」

いや「ビーフorチキン」みたいに言うな、どっちもいらんわ。もうええわ。

「エクスキューズミー、善人or 犯人?」

いや「ビーフorチキン」みたいに言うな、どっちも違うわ。もう…、ええわ~。

「エクスキューズミー、トウシツ or?トシデンセツ?」

もうええ言ってるやろがこのボケー!話にならん、降ろせ降ろせ!こんなもん緊急着陸脱出や、
俺を舞台から降ろしてくれー!!

「バサバサバサ」



― 背中のパラシュートを開き客席中央通路に無事着陸 ー
ありがとうございましたー。


🎻



※是非Allegro non moltoを聴きながら読んでみてください※

アントニオ・ヴィバルディ(Antonio Vivaldi) 
ヴァイオリン協奏曲集≪四季≫より冬 Allegro non molto







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