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⑧湖池屋の流儀
ポテトチップにロマンを求めて
会社に行くと無料貸出しの図書館がある。我々が通常想像するような大きな図書館ではなく、家にある読まない本を皆で持ち寄りそれを貸し出している。
年間購読100冊の目標を立てると本を読まない日などつくっていられないが、いつのまにか習慣化してしまい、読まないではいられなくなってしまった。
私の父は読書家で床が抜け落ちそうなほど本があった。けれど父の本を私が読むことはなかった。昭和一桁生まれの父の本は紙質がザラザラ。また古すぎて赤茶けているし本をめくると小さな虫が本を横断している。気持ちが悪くて触るのも嫌だった。
友人男性に超〜〜読書家の方がお二人いて、一人は新品を買う。本に線を引いて自分に落とし込み勉強する人。もう一人は「本は持たない」と決めて図書館で借りる人。
私の父が亡くなった時、本の始末が本当に大変だった。ブックオフに来てもらったが本が古いため傷みすぎて引き取ってもらえず、近くの図書館や学校に「差し上げます」と電話しても「いりません。」と断られてしまう。仕方なく妹と二人で父の蔵書を束ねて紐でくくり何度も何度も資源ゴミとして捨てに行った。この経験から私も本は持たないと決めた。基本的には図書館で借りる。
会社に図書館ができたのは去年の10月ごろだったろうか?片っ端から読んでいくことにした。興味のあるものは全部読んじゃったなぁ〜となんとなく棚を見ていたら…新しい本が陳列されているではないか!!それが『湖池屋の流儀』だった。
「ポテトチップ」にこんな壮大なロマンがあったのか…。
脳の成熟期は50〜55歳と言われているけれど、佐藤章社長の思考・判断・洞察力・着眼点はまさに脳の成熟期そのものと感じた。
私はスナック菓子を一切食べない人だけれど、明日はコンビニで「プライドポテト」を買って来よう。国産のじゃがいもにこだわり全国を渡り歩き、厚み、さまざまな塩使い、パッケージデザイン、CMに至るまで、ポテトチップを食べて佐藤社長を感じてみたい。
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