ONE LOVE　（詩）

　愛を求めてんだ人はみんな
　よく聞く台詞だ

　雑踏に流れる音楽で
　見えない電波にのった誰かの呟きで
　ドラマのモノローグで
　ドキュメンタリーのナレーションで
　アニメの、血を吐くような叫びで

　愛なんか探したって
　落ちてやしない
　おいあんた
　それは愛じゃないよ
　よく似た違うなにかだ

　よく見ろ　それは
　愛じゃねえぞ

　愛されたいんだ人はみんな
　もう聞き飽きた
　
　ネットに溢れる叫び声
　ひとりが辛い誰かたすけて
　あたしも同じ諦めないで
　交わしてる慰めの優しいことば
　だけど手と手はすれ違うばかりで
　
　愛なんか求めたって
　救われやしない
　おいあんた
　あんたが愛になるんだよ
　求めていた愛そのものに
　
　よく見ろ　愛は
　そこにあるんだよ
　あんたのなかに
　
　愛は全て　受けとるものじゃなくて
　いつも　体に流れているもの

　もしもこの愛が
　あんたに視えるものならば
　あらゆる枷は全て外れて
　私も
　あんたも、
　全てがきっとひとつになれる
　ひとつの大きな愛になれる

　愛を光に　世界を変えろ
　私もあんたも
　ひとつの光　大きな光
　
　暮れゆく世界を塗り替えろ
　私もあんたも
　まだ　世界は終わらせない