見出し画像

新築マンションのインテリア選び実録

東京で新築マンションを購入した実録の続き。今回はインテリア購入についてです。

・インテリア用意の前提

・用意するものと箱

二人暮らしで最低限の家具しかなかったので、リビング家具の大部分は新規購入。反対に、寝室と書斎は今あるものが過不足なくハマりました。

購入したマンションは最も一般的な田の字型の3LDKで、基本的に1部屋はリビングとして繋げて使う想定です。

つまり、およそ20畳のLDKに置く家具を用意していくことになりました。

例えばこんな感じ。キッチン3.3+LD11.3+洋室5.0=19.3畳。LDの廊下を除いた有効面積は15畳ほど

・どんなリビングにしたいか

基本的に家族全員(今のところ3人、最大4人)がリビングでずっと過ごす生活が理想です。

つまり4人の居場所が必要で、それぞれ声はすぐに掛けられるけども心理的には別のスペースにもできる空間を目指しました。

シェアハウスやシェアオフィス、ユースホステルにある共有スペースのイメージです。特に大規模なシェアハウスやシェアオフィスは運営会社のデザイナー部門とユーザーの相互作用でかなり洗練されていることが多いのでフリーライドできちゃいます。

これらの要素をもう少し狭い自分の部屋に合わせるべく色々とこねくり回した結果、ダイニング/ソファ/スタディスペース/TV前の4か所を設定しました。

LDだけで30畳以上あるのであくまでイメージとして
間接照明+スポットライト、半円ダイニング、テレビを横から見るソファなどを取り入れました
https://www.social-apartment.com/builds/tokyo/bunkyo-ku/view/eq/29

・予算内訳

幸い家の価格が予算を下回ったので、インテリアには比較的予算をかけられる状況。200-300万円程度としました。
インテリアオプションはほぼ利用していない(ピクチャーレールくらい)のでその予算も充てられました。

50万円:ダイニング(テーブル・椅子)←メインアイテム
50万円:キッチンボード・棚類
50万円:照明類
50万円:ソファ、スタディスペースのデスクと椅子
50万円:絵などのアートや観葉植物
その他:カーテン、ダクトレールなど

我ながら照明の配分おかしくない?と思いますが、ここは趣味と割り切っています。

・インテリアの決め方

妻にこだわりがないので基本的に夫主導でことを進めていました。
夫が提案し、妻が確認して修正する。この繰り返しは楽しかったです。

・大まかなコンセンサスを作る

元々妻も夫も北欧、特にフィンランド好きだったので、大まかなイメージは“かもめ食堂”でした。
客もお店側も近いようで遠くもあるような、柔軟な距離感が理想的です。

ひとまず映画もろパクリで“Artek”をメインアイテムにすると決めて、二人でArtek東京へ訪問。
そこでダイニングセットを購入し、他の家具はこれが置いてある部屋に合うかどうかで選んでいきました。

・本を読む

インテリアについての本をたくさん読みました。特に参考になったものはこちら。

①『北欧式インテリア・スタイリングの法則』
これだけ読んでいれば事足りる、というくらい基礎的な考え方からコツの実例までが網羅されています。
原題は“The Interior Design Handbook”で、北欧特有という項目はあまりなく、一般的なインテリアの考え方が書いてあります。

②『宮脇檀の住宅設計テキスト』
基本的には戸建てについて書いてあるのですが、住宅全体の機能をどう考えるか、部屋をどのように使うのかの考え方はここから大きく影響を受けています。
個々の部屋は狭く、リビングにみんなが集まる家という理想はこの本の影響も大きいです。

③『インテリアコーディネーター合格テキスト』
インテリアを選ぶならとりあえずインテリアコーディネーターかなという安直な思考で読み込みました。資格試験は受けていませんが、基礎的な知識がついたことは何かと便利でした。
実家がよくあるシーリングライト系の家だったこともあり、多灯照明計画は参考になりました。

④『Casa BRUTUS特別編集 美しい照明術』
雑誌のインテリアは生活感がなさ過ぎて基本的に参考にならないので、照明のカタログとして使っていました。
色々と見たのですが、結局ほぼほぼここに載っている照明になりました。

・ネットで調べる
イメージ作りに適しているのはネットの画像です。ネットショップのコーディネート写真やSNSに上がっているものがメイン。
Instagramは個別性が強すぎてあまりいい画像にたどり着けませんでした。

・Flymee
幅広いラインナップのネットショップ。調べやすいしポイントもつくのでたくさんお世話になっています。

・Design within Reach
アメリカにあるブランドのネットショップです。日本からは購入はできないのですが、個人的に目指すテイストが近かったためコーディネート写真を参考にしました。
ここの縦置き本棚(日本ではハーマンミラーの取り扱い)を使っているので、お気に入りの家具を売っているショップの写真をたどっていくのがよさそう。

ソファから手を伸ばせば本がある生活にしたい
https://www.dwr.com/living-sleepers/nelson-daybed/3660.html?lang=en_US

・Pinterest
アプリでは一番探しやすかった印象。キッチンやスタディスペースなど、場所単位のキーワードで見つかることが多かったです。

・店舗に行く

ネットでなんでも買えるとはいえ、やはり実物は見て触りたいです。
何かと理由を付けて、妻と一緒に色んなお店を見て回りました。

・ACTUS
比較的店舗が広くなんでもおいてあり、コーディネートで単位で見られます。たくさん店舗があるので何かのついでに寄りやすいです。
丸の内(CONRAN shopとGarageが近い)と青山(Louis Poulsen東京が目の前)がお勧め。

・CIBONE / HAY / MoMA shop
3つとも同じビルに入っているので一気に巡れます。HAYはスタディコーナーなどちょっとした家具、CIBONEとMoMA shopは小物系。

・The Conran Shop
定番品がたくさん置いてあるのでベースを考えるのに適しています。いくつか店舗がありますが、丸の内がよかったです。

・Louis Poulsen東京ストア
照明を見るのであればまずここに行くと基準が作れます。
我が家は定番のペンダントライトPH5が他の家具と合いそうになく、NJPとパンテラだけ。

・Garage
観葉植物はここがお勧め。鉢やガーデニンググッズも意外と手ごろで気分の上がるものが揃っています。

・村内ファニチャー
売り場面積が大きく、色々まとめて見たい時に。ソファーなど大型の家具が揃っている点がうれしいです。
二店舗ありますが、北欧好きなら海外ブランドの直営店が多い相模原店の方が合っていそうです。

・3Dを作る

ある程度家具が決まってからは、アプリで3Dを作りました。
やはり3Dを見れば夫婦の間でイメージが共有しやすく話も早くなりました。

3Dで仮置きした家具をネットで見つけてきて、これはどう?と聞いて決まることが多かったです。
Room Plannnerというアプリを使いました。

・徐々に購入していく

引っ越し前の住戸でも使えそうなものはどんどん買っていきました。特に照明は場所を取らないので、購入後は普通に使えます。

実際に使っているとイメージも具体的になっていき次に買うアイテムの選択にも自信が持てるようになっていきました。
最終的には半年くらいかけて買い集めました。

・Youtubeを見る

Youtubeのインテリアチャンネルも参考にしました。動画で見られることと、Instagramなどと比して実際に住んでいる家感が強い点も参考として役に立ちました。
単純に見ていて楽しいです。

・Never Too Small
世界の“広くないけれど工夫がある”家を紹介するチャンネルです。建築家がデザインしたもので造作家具が多いのでそのままマネすることはできないのですが、方向性を決めたりイメージを膨らませるのには適しています。

・インテリアの裏側
有名なので見ている人は多いかと思います。個人的に一番いい点はいいところや悪いところを言語化してくれることで、自分が考える時も言語化する癖がつきました。

・場所ごとに考えたこと

・スタディスペース

シェアハウスやシェアオフィスにあるスペースを丸パクリし、壁際に丸テーブルと椅子を置きました。
共有部分で基本的にはお昼を食べたりちょっと気分を変えて仕事したりする目的で設けられていますが、実際は一日中そこで仕事をしている人もいます。

となると、リビングにあれば立派に一つの空間になるのではないかと考えました。
自分自身、今までを振り返ってみると勉強も仕事もあまり場所を取らないことが多かったので十分だろうなと。

・キッチン

キッチンボードは一番悩んだところです。オープンキッチンで部屋の一部になる一方で、インテリアオプションは好みではなかった上に値段も張るので検討外。
はじめはPamounaなどの一般的な背の高い一体型(下がボードになっていて上が吊戸棚に似た収納になっているもの)検討していたのですが、どうにもしっくりこず。

一番の理由は、インテリア選びの基準として素材そのままであることを重視し、他では化粧シートは使わないようにしていたことにあります。
キッチンボードは汚れやすいためお手入れ重視で全て化粧板であることが多いのです。木目を模した化粧板は部屋にあるとかなり違和感が出てくると想像がつきました。

結局冷蔵庫が暗めのグレーで見た目もよかったので、それに合わせつつ目立たない黒のボードに。レンジフートに被る部分だけ冷蔵庫と同じ背のものにして、間は腰までのボードのみ。空いた空間に飾り棚を付けて、ダイニングテーブルとつながりを持たせる形でメリハリを付けました。

今は収納としては余裕がありつつも、将来的に子供が増えたりすると足りなくなるかもしれないので、その際は吊戸棚を後付けする想定です。

・照明

照明は4つの場所を区切るために2つ以上ずつ置くことにしました。基本的にはアンビエントライト一つとタスクライト一つの組み合わせです。

キッチンのダウンライトを除き、ペンダントライト3つ(ダイニング、リビング、洋室)、フロアライト3つ、スポットライト、ポータブルライトという構成。

灯りで場所を分けるというのは、シェアハウスの大きなリビングが一番参考にした部分です。

・全体の調整 - 場の分離と調和

場所ごとに家具を見つける過程では、全体の調和も崩さないように調整しながら決めていきました。
後になればなるほどなかなかしっくりくるものが見つからないようになり、「これだ!」というものに出会うと飛び上がるほど嬉しかったです。

・分離

それぞれの場に少しだけスペースを空け灯りを設置するとともに、ダイニング・スタディ・TV方面にはそれなりに目立つ絵を置くことで視覚的に空間を分けました。
ソファは窓を背にしているので外の景色が絵の代わりです。

この空間分離ができる前提で家具を選びました。

・調和

分離しているとはいえ部屋は一つの空間なので、まとまりは欲しいところ。
よって、隣り合う空間には何かしらの共通点をそれぞれ持たせています。

①ダイニングとスタディスペース:テーブルの形(半円と円)
②スタディスペースとソファスペース:スチール素材と座面のグレー
③ソファスペースとTVスペース:絵と植物と自転車の色(ピンク)

・カラーパレット

大きな家具は黒・グレーとして、白は基本使わないこと。木は薄い色(バーチやホワイトオーク)で統一しました。
その上で差し色として、ペンダントライトのゴールド(真鍮)、絵と植物と自転車のピンク、絵と植物の緑を差し込んでいます。

いずれも彩度は低めとしています。

・変化

画一的になりすぎないように変化も考慮しました。といっても、全く同じということはあまりないので、同じブランドで揃えすぎなければ大体そうなるものではあります。
統一感はあるけれど少しだけずれているという点を意識しました。

素材:丸テーブルの素材は木とスチール、肘置き付きの椅子は木とプラスチック、丸いペンダントライトはガラスと真鍮と和紙
形:スツールは丸と四角、照明は球と楕円と三角錐

・実例

例えばもともと持っていた本棚に合わせる時に、

https://www.dwr.com/living-storage-shelving/story-bookcase/100087341.html?lang=en_US&sku=100087341

スチールと黒で素材が共通している部分は円となっていて、違う素材の大理石が入っているけれど四角の形は共通しているテーブルを置く、といった流れになります。

https://flymee.jp/product/35589/?pi_id=529604

・まとめ

インテリア選びは僕たち夫婦にとってとても楽しく、マンションを購入すると決めて最も良かったことの一つです。

当初はインテリアコーディネーターさんに依頼しようと考えていたところコーディネートの実例でしっくりくるものがなく、まずは自分で調べようと本を読み漁るうちに結局自力で買い集めていました。

夫婦ともに本好きで手に取れる場所にたくさん置く生活を続けたかったのですが、そういった実例がリノベや造作家具もしくは海外にしかなかったんですよね。

検索して出てくるコーディネート画像はホテルライクやモノを置かない方に偏っていて自分たちの生活とは合わないし、誰かに理想をうまく伝えられる自信もありませんでした。

暮らしは変化していくものだと思っているので模様替えをしたく、そうなると造作家具はそぐわない。
定番のブランドで揃えていけば汎用性も高そうだしそうそう失敗しないだろうという思考になっていきました。

自ら時間をかけて悩んだことで、自分の好みやそれを生活の動線に組み込む考え方も分かってきました。
あと何十年か経ってリフォームする際には、ぜひプロの力を借りたいなと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?