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高齢な親の介護日記③

2024年1月4日 木曜日 雨のち曇り

大神神社に父と子供達を連れて初詣に行った。
朝は雨が降っていたから折り畳み傘を父にもたせた。お参りした後、電車の中で「なんで傘なんてカバンに入ってるんだろう」と父は首をかしげていた。
大神神社は白蛇の神様だ。私は巳年だということもあり小さい頃から家族三人で初詣にきていた。父は何故毎年大神神社に初詣に来ていたか思い出せないでいて「一番上の姉貴が巳年だから来てたのか」とつぶやく。「私も巳年だよ」というと「ああそうだったな」と言っていた。
晩御飯は父が好きな美々卯のうどんすきを予約した。ビールを注文し上機嫌な父が孫達に「今日は何が楽しかったですか?」と質問した。そしてその後すぐに「面白い事にな、俺は今日どこに行ってきたかあんまり覚えてないんだ。頭の中がボヤッとしてな」と言った。
私は今食べているうどんすきも忘れられそうだから写真を撮った。食べた後、父に「さっき何を食べたでしょうか?」と聞いてみると、案の定、苦笑いしていた。
翌日には大神神社に行ったことを忘れているだろう。

2024年の私の運勢は、全て頑張ったことは空回りすると、その日の晩のテレビ番組でいっていた。
認知症の父のために頑張ったことは全て忘れられるから空回りするかもしれない。
しかし母を突然事故で亡くした私は、母を看取れなかった後悔があり、父はきちんと後悔のないよう看取りたいと考えてしまう。
それを理解してなのか父は「俺の事よりも子供達の面倒をしっかり見てあげて」と言う。

せめて父には些細なことでも「ありがとう」と日頃からきちんと言葉で伝えたいなと思った。





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