広告業界 「みんなの声プロジェクト」 始まります。


■丸2年、頑張りました!


「41歳を中途半端にしない」という最初のnote。
そこで、毎月1日にnoteを書く!と宣言してから2年。
今日で、24回目の投稿になりました。

今回で、一旦毎月の投稿は終わりにしようかと思います。

理由は、純粋に書く時間が負担になってしまったから涙。

書きたいことはまだまだあるのですが(後述)
いかんせん、noteを書き上げるのに丸1日以上の時間がかかってしまい。。
迷いましたが、一旦区切りとして、今後は不定期で書いてみようかと思っています。

最初は、広告業界をキラキラさせるために。
そして、優秀な若手がこの業界を魅力的に思ってくれるために。
単純に自分が思っていることを、ただ書くブログのつもりで始めたのですが、 ありがたいことに、多くの方々から反響がありました。

「いつもnote見てます!」
「勉強になります!」
「部員にプリントアウトして配ってます!」

など、たくさんのありがたい言葉を頂き、本当に本当に嬉しかったです。
ただ、それに比例して、それがプレッシャーになってしまったのもあります。。

でも、このnoteを始めてから良いことも悪いこともありました。
それは最後に少し触れたいと思います。

ひとまず、、
ちゃんと有言実行で2年間、頑張った自分を褒めたいです笑


■広告業界をよりよくするために。


ここからが本題です。

タイトルに書いた「広告業界みんなの声プロジェクト」
今回は、これについて書きたいと思います。
今日から公開です!


このプロジェクトは、JAC(日本アド・コンテンツ制作協会)という、
日本の広告制作プロダクションがほぼ加盟している団体の取り組みです。
一応、自分がリーダーとしてこのプロジェクトを進めてきました。

内容は「広告主・広告会社・制作会社・スタッフ」の方々に対して、
「広告業界がキラキラするために」というテーマ
のもと、
それぞれの方に同じ質問をして、答えて頂くインタビュー記事です。

・自己紹介〜仕事のやりがい
・広告制作において、働いていておかしいな?と思うことはありますか?
・広告主・広告会社・制作会社・スタッフの方々に求めること
・広告業界をキラキラさせるために必要なことはなんだと思いますか?

これらの質問を、それぞれの立場で答えて頂いたのですが、本当に面白いです。 そして、勉強になります。

でも一番嬉しかったのは、みなさん広告業界に対して、愛をもって語ってくれたこと。

なので、ネガティブなことはあんまりなくて、 「もっとこうなったらいいのに」というポジティブなインタビューになっています。
ぜひ、みなさん読んでみてください!


■このプロジェクトを立ち上げた経緯


実はこのプロジェクト、JAC内の「業務改善プロジェクト」という名のもと、 2021年6月からスタートしました。

「業務改善プロジェクト」とは、制作会社が直面する様々な問題に対して、 1社ではできないことを、制作会社全体として主張することで、
日々の理不尽な事象に対して、改善を図れないかということを考えるプロジェクトです。

私はまず、各制作会社のプロジェクトメンバーに対して、
「(広告会社に対して)いま、困っていること」を書き出してもらいました。

そこで出たことをまとめると、以下のようなことが挙がりました。

<企画関連>
・企画フェーズでの労働負担が大きい→PMが辞めていく。
・企画費が持ち出しになる。→プレゼン費とCRの要求がアンバランス
・企画段階での概算が守られず、強行する。→決まってから考える。

<スケジュール関連>
・何があっても納品スケを遵守させられる→予算オーバー・過重労働に。
・金曜発注、月曜プレのようなスケジュールが横行→PM過重労働
・調査が増え、企画決定が遅れる→逆算のスケジュールになっていない。

<予算関連>
・修正や予期せぬトラブルがあっても予算変わらず→追加費用がとれない。
・そもそも、予算の考え方が合っていない→低予算案件など。
・事後の値引きが横行→下請法違反に抵触?

<構造上&意識&スキル関連>
・広告会社の営業(& CP)のスキルが落ちている→理不尽な要求が多い。
・縦割りによるプロダクションへの丸投げ→パートナーシップの欠如
・クライアント都合をプロダクションに押し付けてくる

<その他>
・TVCM制作確認書が形骸化。
・天候予備、タレント都合でのトラブルがプロダクション負担に。


やはり各社、同じようなことで悩まれていました。
このnoteで議題にしたことも多々あります。

私はこれらを元に、JACの業務改善プロジェクトとして、
日本アドバタイザーズ協会(JAA)と日本広告業協会(JAAA)に対して、
3つ、提言をしようと考えました。


■その提言は意味があることなのか?


私が考えた提言は3つ。

① 企画作業へのプロダクション参加を原則禁止。
② 企画決定は納品日の80日前までに(80日ルール)
③ 休日明けプレゼンを原則禁止。

① に関して、まず企画作業にメスを入れることが良いと考えました。
なぜなら、この提言は広告主が絡まず、対広告会社とのルールで済むので、 ルールさえ決めたら、即効性があると考えたからです。

以前、「ここが変だよ!?日本の広告業界〜企画篇」でも触れましたが、
海外では企画作業までが、広告会社で完結します。

日本でもそうすることによって、制作会社の負担が減る。
そして、正常なパートナーシップが醸成されると思いました。

ただ、この提言は実現可能性がかなり低いことが予測できました。

・まだ広告会社の中で企画作業を担えるリソースがないこと。
・制作会社としてのサービス(=営業)側面がなくなること。

広告会社・制作会社双方の足並みが揃わないことが容易に想像できました。

② に関して。 無茶なスケジュールが、主な過重労働を強いるきっかけになっていることは明らかで、 ここに対して、具体的に「80日」という数字を入れるとよいのではと考えました。

ただ、これも広告主にとって、決済フェーズが複雑な場合、
(それがほとんどの企業ですが)それが物理的に難しい。

そもそも広告会社や制作会社にとっても、「短納期案件=それを叶えることができる他社優位性」という意味で、「なんとかする」ということがサービスの強みになっていたことも否めません。

③ の休日明けプレゼンに関しては、以前なんとなくルールになったことはあります。
それが今ではファジーになってしまい、ほぼ意識されないことが多い。

ただ一言、「月曜プレだと、休日勤務になりますので、火曜日にさせてもらってもいいですか?」と広告会社の営業さんが言ってくれたら。
そもそも、広告主から「月曜プレだと大変ですよね」と気遣ってくれたら。

この提言は一番実現可能性が高いと考えたのですが、 これだけ言っても、「はい。善処します」の一言で終わってしまうのではないか。

結局「前週金曜に終わればいいじゃん」などの意見もでると思いましたし、 実際にどこまで強制力があるのかは疑問でした。

そう。
つまり、これらの提言は強制力が全くない。

実はこれまでJACとして、JAAや JAAAに対して多くの提言をしてきました。
それがほぼうまく行っていないという歴史があります。

なぜなら、JAAもJAAAも、加盟している広告主や広告会社に対して
その団体からの強制力がないからです。
「制作会社からこういう提言があったので、みなさん守りましょうね!」
で、終わりです。

実際、現場ではケースバイケースの案件が多く、一概に理想を守れるわけがない。 しかも、JACとしても同じように強制力がないので、制作会社も足並みが揃わないケースが多々ありました。

なので、結局提言をしたとしても意味がないのではないかと考えました。
意味はあるのですが、それでどれだけ変わるのか。

結局、広告会社も広告主あってのものですし、
制作会社の環境を変えるなら、実は広告主や広告会社の意識も変える必要があります。

それは本当に大変なことです。 なので、そんな事情があって今までうまくいってない。 理想論だけ、しかも制作会社の立場だけを主張して提言しても
聞き入れてもらえない
のではないかと考えました。


■上からじゃなく下から。


そこで考えたのが、この「みんなの声プロジェクト」です。

結局、上からの強制力がないんだったら、 現場からムーブメントを作るしかないと考えました。

それも、制作会社だけではなく、同じように広告主・広告会社、そしてスタッフのみなさんが悩んでいる様々な問題に対して、ひとりひとりが、声を上げていくこと。

同じ強制力がないのであれば、 ひとりひとりの意識が少しでも変わることで、 その先に大きなうねりが起きる可能性があるのではないかと。

プロジェクトメンバーからは、 本来の「業務改善プロジェクト」とは遠いのでないか?意味があるのか? といった意見もありました。

ただ、なにもしないより、まずやってみる。

そして、一番大きかったのは、このnoteでした。

私のような、ただのイチプロデューサーの言葉が、
多くの方々の意識を変えるきっかけになっている。

その体験が、このプロジェクトを後押ししてくれました。

即効性はないと思います。
記事を読んで、自分も頑張ろう!変わろう!と思うだけでいい。

その積み重ねが、業界を少しずつキラキラさせていくと信じています。

もちろん、制作会社だけが変わっても環境は変わらないし、
広告主だけが変わっても、スタッフだけが変わっても
業界を変えることは難しい。

逆に言うと、この広告に関わる4者が、
均等に変わっていかないと、業界は変わらない。

だから、4者に同じ質問をするというコンセプトになっています。

今後、プロジェクトメンバーから広告関係の皆様へ
インタビューの依頼がいくかもしれません。
その時は、どうか協力して頂けたら幸いです。

もし、インタビューを受けたい!という方がいたら、ぜひ立候補ください!
自分か、プロジェクトメンバーがすぐに飛んでいきます!

最後にこの場を借りて、今回のプロジェクトメンバーを紹介しつつ、
感謝と御礼を申し上げたいと思います。

まずはここまで、リーダーとして至らない部分を、
たくさんの同意とフォローを頂き、本当にありがとうございます!
引き続き、よろしくお願いいたします!

<JAC業務改善プロジェクトメンバー> ※順不同

(株)スプーン 大桑仁 様・佐野大 様
(株)電通クリエーティブX 家山景介 様・為末亘哉 様
(株)AOI Pro. 山田博之 様
(株)TYO 石川竜大 様
(株)ギークピクチュアズ 小澤祐治 様
(株)サン・アド 臼井悟史 様
(株)ピラミッドフィルム 村井大智 様
(株)二番工房 熊倉康介 様
(株)博報堂プロダクツ 金子裕 様
(株)ADKクリエイティブ・ワン 和田優輝 様
(株)東北新社 溝渕浩司 様・戸田和也 様
(株)インディ・アソシエイツ 荒木康紀 様
太陽企画(株) 泉家亮太 様
(一社)日本アド・コンテンツ制作協会 広川雅典 様・市川裕子 様
(株)KEY pro 城殿裕樹

JAC業務改善プロジェクトメンバー


■おわりに


これで、2年間のnoteはひとまず一区切りです。
もし、このnoteを楽しみにしていた方がいらっしゃったのであれば、
代わりは、この「みんなの声プロジェクト」が担ってくれると思います。

最後に、このnoteを続けて良かったことと、悪かったことを。

良かったことは本当にたくさんありますが、一番良かったのは、
同じように広告業界を良くしようと思っている方々が、
とても多いということがわかったこと

不慣れな発信でしたが、こんなにも多くの方々に共感して頂けたことは、
今後の自分の広告人生において、貴重な経験と自信になりました。

悪かったことは、やはり敵を作ってしまったこと。。

このnoteに時間がかかってしまうのは、極力誰かが傷つかないように、
何度も何度も、公開前に読み直しているからです。

それでも、言葉が強くなったり、制作会社からの一方的な意見もあったと思います。

このnoteで不愉快な気持ちになった方々には、
改めてお詫びを申し上げます。

調子こいて本当に申し訳ございませんでした。

でも、これでやっと肩の荷がおります笑
もし、今まで「実は読んでいたよ」という方がいらっしゃいましたら、
最後に、このnoteにいいねを押してもらえたら嬉しいです。

それで、今後の更新回数を考えたいなと思います。

広告は面白い!

ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました!
きどのでした!








■おまけ


おまけです笑

本当は今回のnoteは、書こうと思ったけど、さすがに諸事情で詳細は書けないと思って断念したこと。そして、今後書きたいことを、タイトルと簡単な説明で終わろうと思っていました。

自分のメモとしても。
もう少しだけお付き合いください笑
おまけ、長いです笑



<プロダクションって儲かるの?理想と現実>

これはプロダクションのお金の流れをリアルに全部書こうと思ったのですが、やめました。

このテーマを書こうと思った理由は、「城殿さん儲かってますね〜」とよく言われるのですが、実際のところは、本当にギリギリなんです苦笑。

なので、PL(損益計算書)を公開してやろうかなと思いました笑。

そうすれば、プロダクションはいかにリスクがあり、
そもそも、運要素がとても大きい
ことがわかるかなと。

ただ、これを出すと株主ふくめ社員が不安になるとか、
他プロダクションの利益率などもわかることになるので、
多方面での影響を鑑みて断念しました。

でもいつか絶対に書きます。
それが最終回ですかね笑



<プロダクションにおける女性の働き方を考える>

これも書こうと思っていたひとつです。
ちょこちょこ、このnoteでも触れましたが、プロダクションにおける女性の比率って、PMは半々なのに、プロデューサーになると一気に割合が減ります。

それはなぜなのか。

ここの考察はプロダクション業界に優秀な若手が入ってくるためにも、
絶対に書かないといけないと思います。
先日、ビヨンドの活動で、女性プロデューサーの座談会を行いました。

https://unit-beyond.tokyo/

(ここの下部、女性プロデューサー座談会の記事をご覧ください)

最近はやっと少しずつ女性プロデューサーも増えてきましたが、
まだまだ比率的には圧倒的少数なので、この問題についてもいつか書きたいと思います。



<ここが変だよ!?日本の広告業界〜広告主・広告会社篇>

とても反響があった「ここが変だよ!?」シリーズですが、
広告主・広告会社篇も考えていました。

あくまで海外との比較を書いていたのですが、途中まで書いてこれはダメだと笑
攻撃的なことは書いてないのでが、どうしてもネガティブにとられることが多い気がして、 今の自分の立場では、公開できませんでした。

以前、ここが変だよ!?のスケジュール篇でも触れたことですが、
もっと深掘りしたいと思っています。
これも自分が引退するときですかね笑



<見積をちゃんと書こう>

プリント費がなくなり、プロダクションとして利益構築が昔に比べて難しくなりました。

ただ本来、プリント費という考え方が、プロダクションの負の遺産で、
それについて書こうと思っていました。

以前のnoteで、日本のプロダクションにおける制作費の間接費は10%と記していますが、
それがそもそもおかしくて、ぶっちゃけて言うと、見積に誠実性がない。

だからぼったくりとか言われるんです。

昔の慣例でまだまだどんぶり勘定な見積になっている制作会社が多い。
もっと見積に透明性をだすために、自分が見積作成で意識していることを書きたいと思いました。。

そして、お金はスタッフを守るためにも大事なコトです。
いつか必ず書きたいなと思っています。



<私が熱海に別荘を建てた理由>

急に広告と関係ない話にみえますが笑
実はキープロの福利厚生として去年、熱海に保養所をつくりました。
また「儲かってるねぇ〜」と言われそうな話ですが、、

ちゃんと戦略があって、熱海に土地を買って、イチから建物を建てました。

理由は色々あるのですが、ざっくり言うと、
「それもプロデュースです」ってことかと思います。

プロデューサーの可能性という意味で、何度かnoteにも書きましたが、
それの一環で、こういう広告以外のプロデュースをすることのメリットは数え切れないほどあります。

これもいつか詳しく書いてみようと思います。
決して、道楽とかではなく、地に足をつけた戦略です。



<車両部さんを大事にしよう>

いきなりニッチな話にみえるかもですが。
私は車両部をとても大事な役職だと思っています。

新人の頃、現場のことを色々教わったり、もうひとりの制作部として本当に頼りにしていたこともあります。

そもそも、車両がなければ現場にもいけない。
撮影した素材を安全に届けなければ、編集・納品まで進めることも不可能。
すごいプレッシャーのかかる仕事です。

最近、車両部さんへのリスペクトに欠けた対応をしている制作部、
そして現場スタッフが多い
ことに心を痛めています。

いかに車両部が大事なのかを、ちゃんと書きたい。
多くの人に興味がなかったとしても。

あと、制作部として、シミュレーション能力を養う意味でも、
車両手配や配置表は非常にいい筋トレ
になります。

自分は、この車両表をつくることがとても好きでした。
現場の全てを把握できている気がして。
それくらい緻密で大事な制作部の仕事です。



<仕事紹介〜〇〇社の場合>

このnoteを書いてみて、やっぱり具体性のある話はわかりやすいと実感しました。
なので、自分が実際に担当している案件に対してのエピソードトークをしてもいいのかなと。

ただ、これは関係各所の許可どりが必要になり、いつもより時間を要する話になるので、断念しました。

書きたいエピソードはたくさんあります。もちろん色々なトラブルも。
それをPMとして、Pとしてどうやって乗り越えたかを具体性をもって書くことで、 最終的に全体に共用性のある話になると思いました。

以前担当していた、飲料会社のエビソードは、いとまがないほどあります笑



<プレゼン会社「barber」に関して>

これも以前のnoteで触れましたが、このプレゼン会社の「barber」をもっと深掘りしたいと思っていました。

例えば、悪いコンテと良いコンテをbefor→afterで紹介するなど笑

実際、「barber」は何ができるのか。
単なる事業紹介や宣伝ではなく、 実は広告業界における海外と日本の差を縮める重要なファクターになると思っています。

あとは、広告における企画の捉え方という点でも、
いかに資料やコンテが大事か。
そして、プロダクションの労務問題に対するひとつの解として。

いま撮影スタジオや編集室でもパンフレットを置いていますので、
ぜひ、興味のある方がいたら、すぐにこの内容をご説明したいと思います笑



<新規事業のプロデュースを考える>

熱海の件と近いのですが、私には明確に50歳になってから 残りの人生を賭してでも、叶えたい新規事業があります。

これは純粋に個人ブログの要素が強くなるので、
なかなかnoteに書きにくくなってしまいました苦笑

大きな視点でみると、プロデューサーはなんでもできる!という話なので、
このnoteの趣旨とずれていないと思うのですが。

とにかく、新規事業のアイディアが自分にはたくさんあります。
ほぼ広告と関係ないです笑

ひとつ、事業化直前までいった話でいうと、
「カラオケセットリストメーカー」というアプリ開発の話があるのですが、
それは、まあ興味ある方はお酒の席でいいのかもですね笑

あと、ラーメン屋のオーナーもいつかやってみたいです笑



ざっと挙げただけでも、書きたい内容はこれだけあります。
本当はもっとあります笑

もし、これを書いて欲しいという意見があればぜひ。

以上、おまけでした!

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