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オトナとあの人と自分



早くなりたくてしょうがなかった『オトナ』は想像以上に残酷で、色がなくて、平べったい。



私は、自分のことが分からない。


いや、分かりすぎているのか?、



何かで見た、「うつ病患者は現実を直視できすぎている」と。



高校の時監督に言われた「あなた自分のこと全然分かってない、私の方がよっぽど分かってるわ」と。





裏の裏は表なのと、表が表なのは、同じだけど、私は違うと思う。




きっとみんなから見る私は、表なんだろうなぁってある人と話して思った。




「考えてない」と思われてるよ多分。って。



そんなわけあるか、ってかそんな奴になりてえわ。




って思いながら、また裏の裏で表に見せる。




でもねー。ときどき、ってか、たまーに、無理な時がくる。



そんな時ってねー、理性のカケラもなく、表面が出る。




どうしようもないトキ。





何かに絶望して、糸が切れたトキ。




現実を見過るが故に起きてしまう弊害。









オトナの男が好きではない私が、そんな人の前で裏の裏ではなく、表を自分で選んで見せれたの、2回目かな。



人生で。




あの日は練習があった。



重い身体に鞭を打って、こなした練習が終わり、


「はぁ、つかれた。もう家帰りたいな。今日パーソナルか、どんな顔していこう」


そんなことを思いながら、想像するあの人の言葉。




あの人の前の私は、裏の裏まではいかない。


だけど、表ではない。




人にモノを聞けない私は、



訂正。



人に明るくモノを聞けない私は、

あの人の前で、馬鹿な自分を作って、モノを聞く。




チャレンジのハードルを下げるために。



多分何も考えてない馬鹿なやつって思われてる。それでいい。



ほんとは、そこまでも考えてやってるけど、別にそれは知ってほしいと思わない。むしろ、知られたくない。





これもそれも、もう変えられないであろう私の性格。



出来ないことを馬鹿にされた私は、出来ないことに誰よりも敏感になった。



真面目にやって出来ないときに、どんなことでも涙が出そうになる。

次のチャレンジの一歩が出なくなる。



それが1番の成長の妨げだと気づいたから、苦手なフィジカルに関しては、馬鹿な自分を作って、「たくさん失敗をして、出来るようになりたい」そう思った。


自分で自分を分かってとった方法だ。



まあ、そんなことを思って、パーソナルに行っていたし、トレーニングしていた。



だけど、あの日はそれさえももう無理だった。



溢れる涙と、背中をさすってくれる手。




「2人の秘密ね」と言って、コンビニで話した話。





好きになるってこんな気持ちなんや、って思ったよ。



まあその人にはね、高校時代から付き合ってて、同棲し始めた彼女がいるんやけど。




そんな27歳のオトナの男でも、悔しくて1人で涙をしたらしい。



世の中甘くないな。



きっと、あの頃私が想像したオトナは、学校に行かなくてよくて、人から怒られなくて、縛られていない、それがオトナ。



そんなオトナがどれだけ、残酷で、平べったいことかは知る由もなく。




そんなことを思うと、

自分を分かっていると思っていた自分は、案外分かっていないのかも、もはや分からない。




だけど、本当のオトナと話をすると、まだまだ自分はコドモなんだなと感じる。





なりたかったオトナも、分かっていたはずのジブンも、あるべき姿は分からないけど、

きっとあるべき姿なんて無いんだろうけど、



裏の裏の表で生きる自分に生き詰まった時に、助けてくれるオトナがいることが、人生の姿なのかな。



助けてくれてありがとう



そんな人がいることが、何よりも財産で、お金よりも価値があって、そのおかげで繋ぎ止めれて、そうしてまた次に向かえて。だから次は自分が誰かにってのが、この世の中の歴史の全てなんやろうな。






あの日くれたココアは飲まれへんし、ちょっとの悪に負けそうな時浮かぶあの人の顔。



マンダラチャートを一緒にした時言ってた、あの人のロールモデル、トレーナー像は何なんやろう。



いつか、教えてもらお。






私は知っている。




きたない道を歩いてきた人の方が、人の心を動かす力があることを。





今は、苦しむだけ苦しんで、言われるだけ言われて、沈むだけ沈んで。




でも、絶対、試合に出て、点決めて、あの人の所に1番に走って行く。



ありがとうって、あの日の分も。いつもの分も。



絶対に。




それまでは、こんなどうしようもない奴の面倒見てください。



#エッセイ #日記#記録#記憶#目標

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