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  • 不当解雇されて、会社を訴えた話

最近の記事

⑨本人訴訟で会社を訴える

 私は労働関係の書籍を何冊か購入し、訴状や証拠を作成しました。解雇の無効を主張して訴訟を提起する場合、請求の趣旨は、以下の事項を記載することになります。 ①雇用契約上の地位を有することの確認請求 ②解雇されてから判決が確定するまでの未払賃金支払請求 解雇を不法行為と捉えて、不法行為に基づく損害賠償請求を行うことも考えられますが、上記の請求よりも認められる可能性が低く、認められたとして  も上記②よりも認容額が少なくなる場合が多いため、お勧めしません。  未払賃金請求は、判決が

    • ⑧弁護士に訴訟を依頼するか迷う

       会社から解雇通知を受けた後、私は弁護士にこの件を相談しました。その法律事務所は、zoomで相談できて、初回相談が無料の事務所でした。相談した弁護士は、試用期間中の解雇であることは、会社側に有利な事情であること、訴訟の審理を行う裁判官は、法律の専門家であることから、法務担当者の解雇については、労働者側に不利な判断がされる可能性があること、仮に訴訟中に別の会社に就職した場合、訴訟での判決で認められる未払賃金から別の会社での収入が4割まで減額されることを述べました。全体的に私に不

      • ⑦解雇を通知されてから数日間

         解雇を通知された後、私は会社を訴えるために、ノートPCから証拠を確保する作業を行いました。いつノートPCにログインできなくなるか分からないため、ノートPCからはログアウトせず、数日間ログインしっぱなしで作業を行いました。  まず、6月27日のミーティングは、録画されていて再生することができましたので、これをスマホのデジカメで動画撮影してUSBメモリに保存しました。  業務で作成した資料も、全てUSBメモリに保存しました。就業規則等の問題になりそうな社内規程もUSBメモリに保

        • ⑥解雇が通知された日(6月27日)

           私は、6月27日16時からのミーティングに自宅からリモートで参加しました。ミーティングの開始早々、B部長から、6月30日をもって私のことを解雇することを告げられました。解雇の具体的な理由を聞いても、B部長は、「承太郎さんのことを何度も指導したけど、改善しなかったから解雇する。詳細は進捗報告書を見れば分かる。」というだけで、具体的な解雇理由を述べることはありませんでした。私は、この解雇が不当解雇であることを確信し、ミーティング中に会社を相手に訴訟を起こすことを決めました。その

        ⑨本人訴訟で会社を訴える

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          7本

        記事

          ⑤入社4か月~6月26日まで

           試用期間の満了日は、6月30日(金)でしたが、6月に入っても解雇の通知はされませんでした。A社の就業規則では、原則解雇の1か月前までに解雇予告通知を行うこととされていたので、私は、結局解雇なんかされないのかな、と考えていました。  6月27日(火)16時から、最後の進捗確認ミーティングが予定されていましたが、6月の中旬になってB部長から、6月27日の進捗確認ミーティングには、オフィスに出社して参加するよう連絡がありました。私は、今までB部長から出社するよう言われたことは一度

          ⑤入社4か月~6月26日まで

          ④業績改善プログラム

           私は、4月以降、業績改善プログラム(PIP)というものが実施されることになりました。業績改善プログラムは、週1回上司とミーティングを行って、1週間のプロジェクトの進捗を上司に報告するものです。報告は、「業務進捗報告書」というタイトルのエクセルファイルに1週間の進捗を記入して上司に報告する方法で行われました。1週間ぐらいでプロジェクトの進捗が何もないことが多く、そもそも上司はプロジェクトの進捗を把握しているので、本当に無意味なミーティングでした。業務進捗報告書は、共有フォルダ

          ④業績改善プログラム

          ③入社してから入社3か月まで

           入社時の試用期間は3か月間とされており、3月末日が試用期間の満了日でした。試用期間も試用期間満了後も待遇はまったく変わらなかったし、今まで他の会社で試用期間後に本採用されなかったことはなかったので、試用期間のことは特に意識せずに勤務していました。  3月下旬、突然上司のB部長からTeamsで、「試用期間を3か月延長する。」と伝えられました。なお、Teamsとは、マイクロソフトが提供しているビデオ会議のツールです。試用期間が6月末まで延長されることになりました。試用期間延長の

          ③入社してから入社3か月まで

          ②入社経緯

           私は、法科大学院を卒業した後、30代に10年ほど電機メーカーで法務の仕事をしていましたが、給料アップのために転職活動をしていました。そして、2023年1月に、A社に入社し、法務部に配属されました。私は年収1000万円を目標にしていましたが、A社では前の会社よりも年収で100万円以上アップし、目標だった大台に到達しました!私の担当業務は、主に契約書管理と社内での法律相談対応でした。A社は、給料も良いし、仕事量も多くなく、リモートワークが上限なく認められていましたので、最高の職

          ②入社経緯

          ①不当解雇されて、会社を訴えた話

           私は、承太郎といいます。40代の男です。私は、外資系の医薬品メーカーA社に中途で入社しましたが、半年間経ったときに、突然会社から『解雇』すると告げられました。その後、A社を、弁護士に頼まず自分で訴えて、結局会社と和解し、月給6か月分、約500万円の解決金を得ました。ここでは、解雇されるまでの経緯、解雇された後A社を訴えてから和解するまでの経緯を書こうと思います。  解雇されそうな方や解雇されてしまった方で質問、相談があれば、コメント欄に記入いただければ、できる限りお答えしま

          ①不当解雇されて、会社を訴えた話