国産ドッグトラッカー制作計画始動
そもドッグトラッカーとは?
ドッグトラッカー……アウトドアに犬を連れて行く人にはおなじみのデバイスですよね。
首輪なんかに組み込んだGPSで座標を取得。なんらかの手段でハンドラーの手元に犬の居場所を送信するっていう道具です。
で、知ってる人は知ってると思うんですが、このなんらかの手段というのが問題なんですよね。
今日本で合法的に使われているドッグトラッカーだと、Tractiveあたりがメジャーどころでしょうか。
仕組みとしてはスマホなんかと同じ4G回線を使用して、一回オンラインにアップした座標をアプリから取得する感じです。
私も持っていますが、送信間隔の長さと、当然ながら4G回線が入らない場所ではロストする点がネックです。
あとサブスク形式なんで、回線使用料が継続的に発生するのも痛いですね。年契約したのに使ってない期間があると、この上なくもったいないです。
次に、猟犬用としてFURUNO社のドッグナビが国内で販売されています。
端末と首輪だけで無線機として完結しているので、山間部でも問題なく使えます。
弱点は価格ですね。端末と首輪のセットで17万円超という驚きの値段になってます。
そりゃ端末から何から一から設計して、技適通して、決して多くはない国内の狩猟者限定に販売してたら、このくらいの値段にしないと採算取れません。というか採算が合わなくなってきたので生産終了するそうです。
で、残るはそれ以外。一昔前までは、山屋さんにはおなじみのGPSメーカー、米ガーミン社のAstro320というドッグトラッカーが有名でした。
ただしこいつは防災無線と周波数が被っているという厄介者で、使っているのがバレたら後ろに手が回ります。(たまにテレビに映ってたりするけど)
当然技適には通っていないし、申請しても絶対に通りません。
はい、選択肢無くなってきましたね。
リード無しで犬を放そうとしたらほぼ必須のドッグトラッカーですが、入手は容易じゃないわけです。
IoTで手ごろなトラッカーを
そこで登場するのがIoT。その中でもLoRaWANという規格に注目しました。
自由に使える周波数帯も少なければ、海外製の未承認Bluetooth機器を使っただけで最大100万円の罰金を課されるクソみてえな日本の電波法ですが、LoRaWANで用いる920-928MHz帯はIoT用に解放されています。
LoRaWANの特徴として省電力で遠くまで電波が届くというものがあり、開けた場所なら最大10kmほどの距離で通信可能です。すごいですねえ。便利ですねえ。
技適を通った合法的なモジュールも、アキバの秋月電子などで販売されています。
要するに、合法なモジュールを組み合わせて運用すれば実際合法という考え方です。
で、結局ゼニはなんぼや?
単純にモジュールだけで組んだ場合の値段を計算してみましょう。ワイヤーやケース代、人件費は含めません。
ArduinoNano(AliExpress)×1 ¥310
首輪用マイコンボード。オープンソースのマイコンとして超ドメジャーな製品で、豊富なライブラリが特徴。何より安い。
ESP32(秋月電子)×1 ¥800
ハンドラー用マイコン。Bluetooth対応のIoT通信モジュールですね。
E220(秋月電子) ¥1980×2
LoRaモジュール。920MHz帯で通信する、プロジェクトのコアです。
NEO-6M(AliExpress)×1 ¥533
GPS受信モジュール。ドローンなんかで有名なモジュールですね。ロシアのグロナスとか中国のベイドウ衛星なんかに対応してます。
合計5603円。
ヤバいですね。原価とはいえ、既存品の価格16万円を果てしなく下回っています。
最終的には首輪側からGPSデータを送信。ESP32でコンバートして、スマホアプリで表示という仕組みになります。スマホアプリはUnityで作ります。
今現在の開発状況
GPSデバイス受信実験、成功。
LoRaモジュール送受信実験、成功。("hello world!"表示)
上記を統合した組み込み、未達。
アンドロイド用地図アプリ開発、未達。
山林での実地試験、未達。
CAD、3Dプリンターを用いたケースの設計製造、未達。
製品化、未達。
言い方が悪かったかもですね。未達とはつまり『今後の展望』ってやつです。
素晴らしいロードマップですよね?
クラウドファンディング
コードを含めた開発状況はマガジンとしての販売を考えています。500円買い切りの情報商材としてはほとんど破格じゃないかと思います。
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