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夏休みの宿題終わったかどうか聞かれたくない

2024/8/8

仕事中、社内のスマホが一斉に鳴り響いた。
キュイキュイキュイキュイと高く絞り出すような音。

地震だろうがまだ揺れてない。
全スマホが「強い揺れに備えてください」とアナウンスする。

久しぶりの「今から揺れるぜ!準備はいいな?」ってやつだ。数秒前に知らされたって準備もクソもないのになぁと思いつつも身構える。



そのうちにぐらぐらぐらんぐらんと大きく揺れ出し身の危険を感じたので机の下へ逃げこんだ。

今の会社に勤めて10年以上になるが
これほどの揺れを社内で感じたのは初めてだ。

揺れがおさまり確認すると震度4。感覚的にはもっと揺れた気がする。

一時ざわついた社内も、怖かったね揺れたね、なんて言いながらたった数分でいつもどおりの風景に戻った。




地震が起こらない国の人は震度1.2程度でも大慌てすると聞いたことがある。

「素晴らしい!」と日本に移住する外国人たちはこの地震と共に生きていく勇気はあるだろうか…なんて偉そうなことを考えた。




仕事が終わり帰宅。
夕飯を食べ終え散歩がてら近所のスーパーでお気に入りのカットスイカを買う。

レジ横に「夏休みの宿題が終わったおともだちは勇気を出して「おわったよ!」と言ってみよう!ご褒美もらえるよ☺️」と張り紙が貼ってあった。

ちょっとした交流を楽しむ余裕のあるスーパーなんだな。


店員さんが隣のレジで「夏休みの宿題はおわったかな?」と聞いている。

子供はうつむき申し訳なさそうに「まだおわってない…」と答えた。


ハッとした店員さんが「ごめんね!大丈夫だからね!変なこと聞いちゃったね!まだでもいいんだよ!ごめんね!」と大慌てでフォローにまわるのが微笑ましい。


夏休みってそうなんだよ。
やらなければいけないけどやりたくない、逃げられない面倒くさいことがたくさんあるんだよな。


夏休みの宿題終わったかどうかって聞かれたくない質問だった。現実に引き戻され最悪でどんよりとした気分になる。

どんよりバカンスモードになった子供の表情を見て思わずリアル夏休み気分を味わってしまった。



スーパーから家までは歩いて5分ほど。
お盆が近づくにつれ夜風の中にわずかながら秋を感じるようになった。



明日は長崎原爆の日だ。


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