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この世界へ思い出を作りにきたのかもしれない

久しぶりに日本酒が飲みたくなった。
バカ舌なので細かい違いはわからないが
醸造アルコールが入ってない純米酒の方が
まろやかで飲みやすい気がする。

今回もいつもの酒蔵の、
いつもの純米酒を手に取った。



おつまみはイカの塩辛。

お気に入りの塩辛があったのだけど
ここ10年ほどでスーパーから忽然と姿を消してしまい残念でたまらない。

瓶詰めで600円ほどの、
ラベルに北海道の絵が書いてあったような…
名前を覚えてないので記憶を頼りに
画像検索してみたけど見つけられなかった。


今回も渋々初見の塩辛を購入し一口食べてみてがっかりする。わかっていたがやはりあの塩辛には到底およばない。

冷蔵庫から大根をとり無言でおろし、
器によそい塩昆布、おまけにごま油まで垂らしてようやく「おいしい」と感じることができた。



ひんやりと冷えた日本酒を、
琉球ガラスのグラスへと注ぐ。

ショットグラスほどの大きさで
沖縄の海と空を思わせるエメラルドグリーンとコバルトブルーのグラスは、なみなみ二杯呑むとちょうど一合分になり飲み過ぎ防止になるところも気に入っている。

このグラスで呑むたび
母と2人で行った沖縄旅行を思い出す。




レンタカーを借りて
ソーキそばや沖縄ぜんざいのお店を巡ったり
美ら海水族館でジンベイザメを眺めながらカフェでぼんやり過ごしたり。

地元のスーパーで珍しいお惣菜をたんまり買ってホテルで晩酌したな。


朝一で首里城へ行って
開門の儀式も見たっけ。

道の駅でなんとなく買った海ぶどうが
九州の居酒屋で食べるものとは比べ物にならないほど美味しくて2人で驚いたよなぁ。


あの時、またこうしていつでも旅行に行けば良いと思っていた。

気まぐれに二人で。簡単なことだと思っていた。

あれから15年ほどが経った私は、
あの時行っていて良かったと心から思っている。



生きてると日常のあれこれ、
どうでも良い不安や過去の思い出なんかにがんじがらめになって

なぜこの世界に生まれたのか、意味なんかないからこそ虚しくてたまらなくなる時があるけど

私はこの世界にたくさんの思い出を作りにきたのかもしれないな。


旅行先で良いことも悪いこともあって
ワオ!(岡田さんイメージ)っと驚いたり、泣いてみたり、悔しがったり笑ったりして


長い旅行なので落ち込んで再浮上は二度とできないと突っ伏すこともあるだろうが
楽しむ時は思いきり楽しんでほしい。


きっと全部が旅の思い出になって
「行ってよかったなぁ」といつかどこかで、しみじみと思い出すんだろう。



さてさて、グラス2杯分の日本酒を飲みあげ
良い気分になってきたので布団に潜り込もう。

明日からも1週間、ぼちぼち生きてみる。


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