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THE TOKYO PERFECT DAYS day.2

つ、疲れている。

きのうは重いカバンを持ち、19000歩歩いた。そりゃそうだ。肩はバシバシに張り、足も筋肉が悲鳴をあげている。しかし今日は八王子まで行かねばならない。なんなら駅から徒歩20数分だと言う。

多摩美術大学八王子キャンパス。
そう、ユーミンの母校だ。社長はタクシー使っていいぞ、と言ってたからお言葉に甘えてそうしよう。うん。そうしよう。足がスティックになってしまう。
疲れを少しでも癒すため、朝風呂に入ってからコーヒーを淹れ、ほっこりしてから7:30に出発した。

最寄りの橋本駅に着いてから、すぐさま発見した多摩美術大学行きのバスに飛び乗る。今回からiPhoneで使えるICOCAアプリを導入したから移動が感動的に楽だ。昨年からアプリで関西以外でも使えるようになった事を知り、早速導入したのだ。

この日、東京は春だった。
バスを降りると昨日の雨が太陽の光に照らされ、美しい。ふと頭の中でユーミンの曲がかかる。

雨上がりの庭で

くちなしの香りの

やさしさに包まれたならきっと

目にうつるすべてのことはメッセージ

やさしさに包まれたなら/荒井由実

東京は春
大学の駐輪場。この斬新な停め方が新しい芸術を生む。


そして多摩美術大学で仕事を終え、再びバスに乗り込む。時間は11:30。次の取引き先は吉祥寺だが、とりあえずお昼を食べよう。
さっき友だちに八王子に行くならここに行くといいよ、と教えてもらったラーメン屋に行こう。

八王子で降り、あまりに暑いのでスーツを脱ぎ歩いた。歩くこと10分ほど、それはあった。

ラーメン専門店 竹の家


アナログな食券製に戸惑いながらベーシックなラーメンを注文する。程なく運ばれてきたラーメンはシンプルで昔ながらの中華そば。いきなり昭和初期にタイムスリップしたようだ。すっきりとしたスープに海苔、メンマ、申し訳なさ程度のチャーシュー。これがいい。これでいい。ちょうどお腹もそんなに減っていなかった事もあり、スープと麺が優しくのどを通る。味は特別美味いということもなく、しかし不味いわけでもない。良い意味でそれ以上でもそれ以下でもない《ラーメン》を1番素直に表現したものだった。これが八王子ラーメンなのか。

シンプルで潔いラーメン

ラーメンでさらに身体が熱くなったところで汗を拭きながら吉祥寺へ向かった。目指す取引き先は駅から徒歩20分だった。商談をし、行きしなに見つけた武蔵野八幡宮に立ち寄る。昨年行った九州の八幡宮の総本山、宇佐神宮といい、八幡さまには縁があるからこれはご挨拶しておかねばなるまい。都会のオアシス的な境内は大きな木があって、光がキラキラと差し込んでいた。

光が差し込み美しかった
ウドの大木

それから途中で見つけたギャラリーに飛び込み営業をし、井の頭公園へ向かった。きのうネットで発見したギャラリーでスピリチュアルな写真家さんの個展がはじまるというので仕事ついでに行ってみたかったのだ。
ひさしぶりに訪れた春の井の頭公園はとても気持ちよかった。ボートを漕ぐ人や、散歩する人など、ここには平和な時間が流れている。

平和な井の頭公園


小さなギャラリーには写真家さんと女性のお客さんがひとりいた。オーナーさんがいれば仕事の話ができると思ったが、仕方がない。富士山と太陽の光をテーマにした写真の数々はまるでデザイン画のようなポップさと、神々しいスピリチュアリズムに溢れていた。ヒーリングミュージックをやっているんです、と写真家さんと話してるうちに、日本のクリスタルボウル奏者の第一人者の方とお互い繋がっている事が分かり、話は盛り上がった。すっかり仲良くなり早速インスタグラムで繋がった。こんなところにも出会いはあるのだ。写真まで撮ってもらい、写真集にサインもしてもらって別れた。是非奈良にも来てほしい。

太陽系太さんと。なんだか二人ともテイストが似ている気が。写真は今年の富士初日の出らしい。

そして喉がカラカラで飲むものもなく疲れもあり、少し公園のベンチで休んだ。平日の昼間に公園のベンチで休むサラリーマン。これは人生の負け組なのか、それとも勝ち組なのか。裕福ですべてを持っている人より、何も持ってなくても時間という財産を持っている人のほうがある意味幸せなのかもしれない。勝ち負けではないが、平日の公園でのんびりベンチでいられる事は、幸せ以外のなにものでもない。

ベンチでひと休み


次は京王線沿線の富士見ヶ丘だったから、目の前にある井の頭公園駅で乗りたかったが目の前にあるのに乗り口がどこか全く分からず、汗だくになって結局ずいぶん周り道して到着した。あまりに喉がカラカラで駅前のコンビニでCHILL OUTを買い喉に流し込んだ。

そして今日最後の取引き先へ訪問し、仕事を終えた僕は近場に発見した温泉《高井戸天然温泉 美しの湯》へと向かった。春のような暖かさの中ずいぶん歩いたから、汗だくで早くお風呂に入りたくて早足で向かった。

高井戸天然温泉 美しの湯


美しの湯は駅前にあるにも関わらず、本格的な温泉だった。すべすべとしたお湯に、はじめて体験する薬草のような香り、そして塩味の強い温泉だった。先日の和歌山旅行で目覚めたサウナもしっかりと3セットして、外気浴する頃には完全にととのった。サウナは2種類あったが、露天風呂のほうにある《縄文風呂》という低温サウナがこれまた良かった。途中雨が身体を冷やしてくれ、空には月が見えはじめた。さっきのCHILL OUTが効いてきたのか、頭がほぐれ、意識が自然に溶け込み、どこまでも広がって行く感覚。まさにCHILL OUT。これがととのうと言う事なのか。美しの湯、東京で1番好きかもしれない。

新調したサ陸両用サウナメガネが大活躍


疲れが癒されさっぱりとしたところで一般人?ならこのまま帰るところだが、そこはとことん楽しむスタイル。下北沢に繰り出し飲む!

しばらく行けてなかったタイ料理が美味しいお店ティッチャイへ行きたかったのだ。
下北沢へ着き、まずはレコード屋に向かった。先日観た映画《PEARFECT DAYS》に登場した下北沢の老舗レコード店フラッシュディスクランチへ。雰囲気のある店内にはミッキー吉野似の激シブ店主がいて、その時かかっていたフェンダーローズ(エレピ)の曲が気になりこれは誰ですかと聴いたが、ラジオかなにかをかけていたらしく、誰の曲か分からなかった。フェンダーローズのレコードを探している事を伝えると、おすすめのレコードをたくさん引っ張り出してきて紹介してくれた。キース・ジャレットの弟のアルバムや、ビーチボーイズのメンバー、ブルース・ジョンストンのメロウなソロアルバムなど、全く知らなかった盤などを6枚買った。荷物はさらに重くなった。

フラッシュディスクランチでディグる
本日の収穫

ひさしぶりに来たティッチャイはすでにお客さんが数名いた。店主のみゆきさんは個性炸裂のアーティスト感が溢れ出してしまっているキャラ立ちした人だ。なにより料理が超絶美味しい。そしてここに来る人は個性が強い人が集まるのか、面白い人ばかりだ。ここを知ったのは確かプリミ恥部さん繋がりだった。今、彼は今年出すアルバムのデザインをしてもらうためタイに滞在している。なんだか繋がっている。タイと東京で交差しているのが不思議だ。


早速カウンターに座っていた女性と仲良くなり、後に来た女性とも仲良くなり、結局23時頃までみんなで3時間ぐらい喋った。タイ人も絶賛する美味しい料理に美味しいお酒、楽しい会話。そしてここに来るとなにより元気になる。正真正銘、ここは下北沢のパワースポットだ。奈良の友だちにも是非食べてもらいたい。いや、むしろ奈良に呼ぼう。

下北沢のタイ、ティッチャイ
レモンとエビのパクチーパッタイ
本日のチャーハン。どれもこれも絶品。


ただただ幸せな時間が流れた。
仲良くなったお客さんと明後日もここで会う約束をし、ほろ酔いの中ホテルへと帰った。

心地よい疲れのまま、ベッドへと潜り込んだ。

二日目が終わろうとしていた。

つづく。

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