見出し画像

ゲームを取り上げられて途方に暮れる子どもと、子育て真っただ中に自由時間をもらっても途方に暮れるママの話

ゲームを取り上げられて途方に暮れる息子

その日、訳があって、息子たちはゲームを取り上げられた。
いつも5時間ほどしていたゲームが突然できなくなった。
途方に暮れる息子ら。

「何したらいいの~~??」
「お母さん、何したらいい~~??」
「はぁ?他にいろんな遊びあるやろ。好きなことしたらええやん!!」
と言い放った瞬間、ふと思い出した。

子育てで忙しい時に自由時間をもらっても途方に暮れた私

自分が第一子の子育て真っただ中だった頃。まだ息子が一歳になる前だったと思う。
夫が「子どもの面倒を見ておくから、好きなことしてきていいよ。」と私に自由時間をくれた時のことだ。

私は途方に暮れた。
あんなにも渇望していた一人時間だったのに、いざ子どもの世話から解放されたとき、何をしていいのかさっぱりわからず、途方に暮れた。

「誰か!教えて!何したらいいの~~??」

その時の気持ちをふと思い出し、「一緒やないかいっ!」と心の中でツッコんでしまった。

方向性は逆だが、基本的には同じ

ゲームと子育て。
やりたいことと、(やりたくなくても)やらねばならぬこと、という意味では真逆だが、急にその時間がまるっとなくなった時に、途方に暮れるのは同じだ。

人間は、毎日一つの活動に長時間支配されていると、その活動が急に「やってはいけません。」または「やらなくてよくなりました。」という状況に陥った時に非常に困るらしい。働きづめだった人が定年後どう時間を過ごしてよいかわからなくなるのもこういうことなんだろう。

時間をどう使ってよいかわからなくなる。
これはとても不安になる。


逆に考えれば、その活動に時間をとられている間は安心だったのだとも言える。
息子らはゲームの他にやりたい遊びを考えなくても済むし、私は本当にやりたいことを考えなくて済むから。

でも、これって実は危険だよなぁと思う。

第三子を生後5か月で保育園に預けたわけ

第一子は3歳半で幼稚園に行き始め、
第二子は1歳半で保育園に行き始め、
第三子は5か月で保育園に行き始めた。

だんだん母子分離が早まっていったのは、単純に仕事が忙しくなっていった(はじめは専業主婦だったが、その後仕事をスタート)からだけではない。

私一人の時間を持つことを無理にでも自分に課したかった。

若くて元気のあるこの時期に、自分のために時間を作らないと後悔するような気がした。
子どもの世話と仕事で時間を支配され続けると、どんどん視野が狭くなるようで怖かった。

でも一方で、自由時間ができるのも正直怖かった。自分が何がやりたいかわからないという事実を直視するのが怖かった。
「子育てと仕事で、自分の好きなことする時間なんてないよね~」と言いながら過ごしているほうが、本当は気が楽だった。

それでも一人の自由時間を無理やり持つことで、自分を見つめなおしたり、自分を取り戻すトレーニングになるんだろうと思って、無理にでも自分ひとりの時間を持つことを自分に課した。
結果的に新しい趣味を見つけたり、将来やってみたいことが見つかった。

長時間何かをし続けることのリスクはある

例えば我が家においてゲームを長時間させることのリスクは、視力低下や発達への影響のリスクはもちろんあるけど、それは表面的なことだと考えている。
それが勉強やスポーツに置き換わったとて、長時間何か一つの活動に身を捧げる日常が続くことは、「他のことができなくなるということ」であり、さらに恐ろしいことは、「他にやりたいことを考えろといわれても全く分からなくなってしまうこと」なのだ。
(高校球児が部活引退直後に、受験生が受験終了直後に感じる感覚もきっとこれ)

子どもにとってのゲームやスポーツは、大人にとっての「仕事」や「子育て」のように必ずやらなければならないことでもないし、やりたいこととして自分で選んでいるように一見見える。

もちろん何か一つのことに熱中したり、専念する時期って大事だと思う。今しかできないことだったらそれはなおさら尊い時間だ。熱中できることがあること自体素晴らしい。それがゲームでもスポーツでも勉強でも、私は等しく素敵なことだと思っている。

けれどやはり一つのことだけに時間を費やしすぎることは確実に視野を狭めるし、自分が他にやりたいことをいろいろ試してみる機会が奪われていることや、そもそも他にやりたいことを考える機会を失う場合が多いことを親は理解しなければならない。

もしあなたも子育て中、自由時間をもらっても何をしていいかわからなかった時期があったなら、思い出してほしい。

それは大人も子どももきっと同じなのだ。



英語を勉強するかどうか、これも子どもの自己決定に任せています。もちろん夢中になってくれたら、それはそれで嬉しいけれど。親にできるのは、英語が好きになるまでの種まきぐらい。と、思って書きました。
著書「子どもが英語好きになっちゃった」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?