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面接で聞いてはいけないことの境界線

今、私の手元に、東京都産業労働局と厚生労働省の東京労働局・ハローワークから発行された「採用と人権 明るい職場を目指して 2022」という冊子があります。
この冊子の目的は、憲法で保障されている基本的人権のひとつである「職業選択の自由」を実現するため、採用を行う企業が守るべきガイドラインを示しています。
職業を選択する際に、保障されるべき人権には、例えば「思想信条の自由」というものがあります。
冊子の90ページには、面接で聞いてはいけない不適切な質問の例として
・あなたには、支持する政党がありますか
・労働組合運動や学生運動をどう思いますか
・あなたの家の宗教は、何ですか
・あなたの愛読書(誌)は、何ですか
・あなたの人生観は
・あなたの尊敬する人物は
の6項目が記載されています。
私のような昭和に社会人になった者からすると、昔は面接の定番だった項目も入っていいますね。
例えば、愛読書とか、尊敬する人物とか。
こういう質問は、当たり障りのない答えをした場合は、人権とはあまり関係ないのですが、これが特定の思想とか、特定の宗教に関わるような答えだと、「思想信条の自由」を侵害する恐れがあります。
私は20年以上前から、こういう質問は避けるようにしていました。
新聞読んでる?って昔は必ず聞かれたものですが、これも微妙ですね。
理由はどちらかと言えば、「思想信条に関わることを答えてもらったら困る」というのが正直な気持ちでした。
そういう答えをされてしまうと、別の理由で不合格にしたとしても、「思想信条を理由として不合格にした」と思われるリスクが大きいからです。
人生観を聞くのもダメっていうのは意外でした。まあ、私が考える人生観と、ここで言う人生観は違うんでしょうけど。
でも、「あなたの人生観は?」なんて聞いたとしたら、かなり間抜けな質問ですよね。私なら、例えば、5年後にこの職場で仕事をしていると仮定して、どうなっていたいか?みたいな具体的に答えやすい質問にしますね。
もし、人生観でなくとも、「将来どうしたい?」みたいな漠然とした質問をされたら、3年後・5年後・10年後にこういう仕事をしていたい、こんな立場で活躍したい、こうやって成長していきたい、など具体的に回答して下さい。
急に言われたら困るって?だから今から準備してね。

答えたくない質問をされたらどうするか、については、別の機会にお話ししましょう。


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