芥川賞作品に触れて
毎年恒例の芥川賞と直木賞の発表。
今年の芥川賞は市川沙央さんの「ハンチバック」が受賞しました。
これまでの私だったら「ふーん」と思って終わりでしたが、ちょっと芥川賞作品を読んでみよう、チャレンジしてみようと思いました。
読書素人の私にとって芥川賞受賞作品って、すごく格式が高いです。
文学賞の頂点的な存在かつ、その道のプロ中のプロの審査員が選んだ作品なので、私みたいなぺーぺーは理解出来ないんだろうなと思いつつも、思いきって読んでみることにしました。
これも経験のひとつとしてですね。
では早速「ハンチバック」を…、
読みません。
ハンチバックは新しい作品なのでまだ図書館には置いてません。かといって買おうかといったら別問題です(ただのドケチ)。
でも、図書館には過去の受賞作品はいくつもあります。その中で私が選んだのはこれです。
2008年芥川賞受賞作品、津村記久子著「ポトスライムの舟」です。
選んだ理由はシンプルで、「ページ数少な目だし、多分挫折せず読めるだろう」って思って選びました。
読んでみた感想ですが、主人公周辺の人間模様や情景、主人公のお金に対する価値観の変化がうまく表現されているなと思いました。
主人公ナガセは自分の年収が世界一周旅行の値段と一緒であることに気がつき、その資金を貯めようします。
それまで自分が何のために働いて、何のためにお金を貯めてるのか分からなかったナガセは世界一周をするためという目標を掲げて仕事に邁進するようになります。
しかし、色んな諸事情を抱えた登場人物と接していく内に、ナガセは自分ではなく他の人のためにお金を使うことで、働くことに価値を見出だすようになっていくという進みになっています。
自己の幸福か、他の人のためにお金を使うか。使うのはその人の自由だけど、何をもってして働くのか、今一度考えてみては?と問いかけているように感じました。
収入ゼロの無職の私にはきついです…。
(それは置いといて)全体的に読みやすくて、イメージしづらい表現が少ないので、頭の中で情景とか思い浮かべながら読むことが出来ました。
読み終えて、「これが芥川賞かー」と不思議な達成感がありました。
一回触れて一気に身近になった気分です。
因みにこの本にはもうひとつ別のお話があり、そちらはパワハラ上司の下で働く主人公のお話が書かれています。
こちらは読んでて息苦しさを感じるくらいのお話だったので、感想は敢えて控えさせて頂きます。
興味ある方は是非読んでみてください。
次は「火花」でも読んでみようかな。
終わり。
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