読書記録_『明るい方へ舵を切る練習』




 

 編集者・ライターの一田憲子さんの、春夏秋冬の暮らしを綴ったエッセイ。一遍ずつが短いので、自分のことも考えながら少しずつ味わって読み進められた。ご自身を”「超」がつくほどの怖がり”と書かれていて、わたしも同じなので、それだけでぐっと惹きつけられて、勝手に近い存在のように感じてしまう。暮らしの中での些細な、けれど大切な気付きのひとつひとつにハッとさせられた。たとえば ”「これが最高!」って自分で決めちゃえば、「これが最高」になる” とか、“誰かにちょっと甘えてみる” とか。
 それから、専業主婦として、長いこと家を守っているお母様の家事に対するポリシーに圧倒させられた。下着にまでアイロンをかけるほど。わたしの母も似たところがあって、だけどこんなに隅々にまで気を配るひとではなかったと思う。ひとくくりにするつもりはないけれど、昭和の女性ってこんな感じだったのかな。

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