見出し画像

社会人教育をはじめて変わったこと

前回は社会人教育を始めた旨を記事にまとめました。
あれ以来、大変ありがたいことに、講師のご依頼をいただくことが増えました。(なかにはお見送りされることもありましたが……)
つい先日も講師のお仕事をしてきたところです。
このように講師のお仕事を定期的にいただけるようになったのは関係者各位のご協力によるもので、圧倒的感謝しかございません。
経験を詰むと、いろいろと変わった点が見えてきましたので、言語化の練習も込めて記事化しておこうと思います。

伝わる表現を考えるようになった

筆者は割と自分の中で独特な理解をしている自覚があります。
開発の場面においては、(レビューなどの説明が必要な場面はのぞいて、筆者が見てきた現場では)アウトプットが基準を満たしていれば問題ない場面が多かったです。
しかし、受講生がその言葉遣いや理論で納得できるかはまた話が別です。
そのため、(半ば強制的に)相手にとってわかりやすい表現をすることになるため、相手の立場に立って考える練習ができたのではないかと思っています。
また、自分の中ではしっかり理解できていても、いざそのことを言語化しようとしたときに困る場面もありました。(オブジェクト指向の話とかファイルパスとか。特にもう何も考えずに手が動くタイプのお話がこうなりがちな気がしました。)
総じて、言葉選びや理論の学習は大変ですが、自分が身につけた知識と向き合えるいい機会だったのかなと思います。

楽しく喋れるようになった

いろいろあって筆者は喋ることに苦手意識があります。
最初こそ緊張してしまって声に出すのがやっとで、いかに講座の時間を持たせるかを考えることが精一杯でしたが、回数を重ねるにつれてだんだんと余裕ができ、普段の調子で喋れるようになりました。
また、講座をやっていると、どうしても時間が余って間を繋げる必要に迫られる場面に遭遇します。
これまでは場を繋ごうにも、一瞬で話題が終わったりとお世辞にも上手とは言えない状況だったのですが、場数を踏むことでその力も養われていった気がしています。
メインのターゲットがこの層だからこれからのためにこれを話しておこう、前の講師は言ってなかったけど、重要な知識だからここ補足しておこうなど、考える余裕ができました。
正社員時代は、「お前はコミュニケーション能力が低すぎる」と言われたものですが、もし本当にそうであれば喋ることも質疑応答もままならず、授業が成り立たないでしょう。
そのことから、今になって思えば、彼らのいうコミュニケーション能力は双方向でコミュニケーションを取る能力のことを指しているわけではなかったように思えます。
おそらく、忖度するとか、空気を読むという類の技術を指していたのでしょう。
そっち方面のコミュニケーションは苦手なので、それを必要としない案件は自分の実力を大いに発揮できる気がしました。

職業病が出るようになった

例えば、何かをコーディングをしていると、「あ!ここはこう言えばわかりやすいかも!」と思う場面が信じられないですが増えてきます。
お仕事のときだけでなく、趣味でもこういう場面に出くわします。
人に教えた経験がある方ならあるあるネタとしてわかるのではないでしょうか。
普段の生活の中でも、こういう説明だったらわかるかな?とかこういう解釈もあるよな?というような気づきがあり、どんどん自分の表現が洗礼されていく感じがありました。
こういうことを思いつくたび、ネタ帳に書き留めて次への布石にするようにしています。
地道にこれを繰り返すことで洗礼された授業ができるようになっていく気がしています。

しっかり勉強していることが実感できた

講師を続けていると、鋭い質問に遭遇することがあります。
この鋭い質問というのは、一見すると、高度な知識が必要で返答に困りそうなくらいのレベルのものです。
その際に、自分でも信じられないくらいに流暢に、そして的確に答えることができる場面が多くありました。
筆者が理解していることであれば的確に質問の解答を出せますが、概念は知っていても使ったことがないものに対しても同様に答えらるという不思議なことも起こりました。
おそらく、質問に答えるために、これまでよりも集中して概念に向き合った結果、一気に理解が深まるということが起こっているのだと思います。
総じて、受講生とともに講師側も講座を通じてレベルアップしていくことが実感できました。

授業をブラッシュアップするのが楽しくなった

真面目に授業をして勉強してもらうのはもちろん大事なのですが、それによって難しく感じて挫折をしてしまっては元も子もありません。
そうでなくとも、受講生は新たな知識を獲得するのは想像以上に大変です。
ですので、大変に思われないように、それでいてできることなら楽しいと思ってもらえるように授業の工夫をすることを考えるようになりました。
いただく案件は幸いにも裁量があり、工夫できる余地がたくさんありました。
ですので、受講者の負担を減らす、可能なら筆者の授業を受けるのが苦にならないように工夫してみました。
たとえば、あえて内容を絞る、見る人が見れば分かるネタを入れるなど、工夫をしてみました。
ここまで辿りつくまでに数々のアイディアをボツにしてきましたが、取捨選択がうまくいったと思っています。
授業のブラッシュアップには終わりがあるようでありません。
講師の依頼がある限り、授業のブラッシュアップを続けていこうと思っています。

講師業が楽しく思えてきた

正直、これが一番大きな変化と思うのですが、講師業が楽しく思えてきました。
自分が教えた知識で成果を出してくれること、評価に嬉しいことを書いてくれるなど、いたるところで楽しく感じることはあるのですが、いずれも筆者の正社員時代には感じることができなかった感覚です。(正社員時代は、社内政治をスムーズにこなす力が重要視されており、仕事そのものに対してやりがいを感じられることが本当に少なかった)
また、講師を担当すると強い疲労感があるのですが、次の日には疲労が取れ、また講座を頑張れるということが何度もありました。
おそらく、疲労感よりもやりがいが上回り、筆者を突き動かしていたのだと思います。
この感覚を味わえるだけでも独立した甲斐があったと思えました。
開発業務とはまた違うやりがいがあり、ぜひ今後も教育案件を請けていきたいと思っています。

お仕事について

前回に引き続き、今回も宣伝させていただきます。
筆者は随時、お仕事を募集しております。
講師業、開発業務の経験が多めですが、それ以外の業務でも喜んで対応させていただきます。
お仕事のお話などあればこちらからお願いします。
もちろん、各種SNSからのご連絡も大歓迎です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?