むぎやまおくびょう

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不定期で小説やエッセイを載せていきます。楽しんでいただけると嬉しいです! マガジンはハードが硬め、ミドルが軽め、ソフトがエンタメ系でまとめたので、ミドルやソフトのものだけでも是非読んでください!

最近の記事

【短編エッセイ・日常】後悔とトラウマについての感想

こんにちは。 前回ライトな物語小説(大衆小説?)を投稿すると言ってからだいぶ経ちました。 いくつかの物語について題材は完成し、途中まで執筆できているのですが、 怠け癖のある人間というのはどうにもそれを完結させようとしたがりません。 期日をもうけるためにも、3月終わるまでには必ず物語小説を1つ以上 投稿することを、誠に勝手ながらお約束させていただきます。 カンフル剤がわりに、今日は後悔とトラウマについての感想を述べたいと思います。 脳が後悔とトラウマをそれぞれを認識する場合、そ

    • 【短編エッセイ・オカルト】 私の不思議話~胸の上に乗っかっていたもの~

       とうの昔にはなるが、今でも記憶に鮮明に残っている出来事がある。  というのも今現在において、理に合わないものを目撃したことが後にも先にもそのときだけだったからだ。  私が中学1年生だった頃である。  中学というとたいていの学生は何かの部活に入り、活動していることと思う。その部活が精神的に厳しく、肉体的に大変であるかどうかというのはただ一点、顧問の考え方に帰結する。 私は残念ながら、剣道部という温厚な顧問比率の極めて低い部活に入ってしまった(入らざるを得なかった)。  

      • 【アイドラーは若返る】 付録③ ドロッピングの仕組み

        • 【アイドラーは若返る】 付録② 自虐風自慢の仕組み

        【短編エッセイ・日常】後悔とトラウマについての感想

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        • その他
          2本
        • 不思議話シリーズ(ミドル)
          2本
        • お年玉ぼうえい日記(ミドル)
          4本
        • にんげんっていいの?(ミドル)
          4本
        • アイドラーは若返る(ハード)
          9本

        記事

          【アイドラーは若返る】 付録① マウンティングおよびアッピングの仕組み

          【アイドラーは若返る】 付録① マウンティングおよびアッピングの仕組み

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 6/6

           俺は部屋に籠もっていた。  妻が明日ショッピングモールに行こうとせがんできたが、上の空で返事もろくにしなかった。  風呂、トイレ、食事……、どんな行動も俺の作業を阻む要素にはなり得なかった。  徹夜で1日じっくりと思考し、結論を導き出した。気づけばもう夕方になっている。  確実な真理なるものを人間が見つけるのは不可能である。だが、おおよそ真理に近いであろう推論を導くことはできる。  俺は誰でもいいから、この結論を聞いてもらいたかった。  ドタバタとキッチンへ向か

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 6/6

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 5/6

           俺の願望は程なくして唐突に叶えられた。  先週は休日返上で出張し、そのまま会社へ通い詰めたためひどく疲れている。  今週は2日間、目一杯寝室でくつろいでやろうと画策していたが、妻がひどく慌てた様子で俺を起こしに来た。  疲れているだろうから、ゆっくりさせてやろうなんて優しさは一体どこに行ったのだろうか? 「あなたちょっと来てよ、外すごいことになってるんだって」 「あのなあ、……こんな都市はずれの住宅街で起こるすごいことってハードル高いぞ?」 「乾物屋の多恵さんが

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 5/6

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 4/6

           いつもの通勤疲れを引きづりながら、やっとこ会社に着いた。    だが、今日はさらに疲れることになる気がした。  席へ座ると案の定、若返りが何だとか、雨を集めて高価格で売りつけたとか、仕事の準備そっちのけで社員たちが騒いでいた。    俺は極力雑音を自律神経に障らせないよう、すぐにパソコンを開いて業務に集中した。 「若返り? みんなそんなことに興味があるんだな! まあ、俺レベルになると若返りの力なんか借りなくても財力とルックスで無双できるからな! ほら、俺って投資のセンス

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 4/6

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 3/6

           朝の電車は、永久に混雑が解消されることはないのだろう。  駅への道すがら、30代以降の男女が仕事に行く準備もせず、ぶらぶらしている奇妙な光景を見た。    いつもは早朝に散歩を済ませ、この時間は全く姿を見せない老人たちもちらほらと見かけた。  普段はランドセルを背負った子供の群れにしか遭遇しないためか、地域の行事が催される前のような気持ちになり、少し心が弾んだ。  彼らもまた、若返りを求めてさまよい歩く亡霊になってしまったのだろうか……。  それらの非通勤勢を差し引

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 3/6

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 2/6

           出張が終わり家の玄関をくぐると、妻はいつものようにぼうっとテレビを眺めていた。  妻の脳みそは、高温の油で泳がされる唐揚げのように、ジュワジュワと快感物質が湧きたっていることだろう。    全く、ドーパミンの使い方が下駄くそな人間がどうしてこうも多いのか……。 「ただいま……。お前、テレビどんだけ大好きなんだ」 「おかえり……。違うの、ずっと見ていたわけじゃないわよ。ほら、あの爆発事件、またニュースになってるんだって。知らないの?」 「ああ、この間のか。犯人は捕まっ

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 2/6

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 1/6

           俺はニュースという言葉が嫌いだ。 本来のnewsという言葉の意味と、現代人が感じているものには乖離があると感じるからだ。    毎朝やっている議題に、”日本人の大半が我が大事のように食いつくに違いないだろう”というテレビ屋の思惑が、気味悪く浸透しているではないか。    そんな戯れ言のために時間を使うのは癪にさわる。  だから俺は朝の日課、健康な食事をよく噛んで食べることに専念するのだ。その方が合理的だろう?     しかしながらどういうわけか俺にとって、今朝のニュースは

          【短編小説・非現実】 アイドラーは若返る 1/6

          【短編エッセイ・日常】 若者たちは将来どんなことを後悔する?

           どうやら世間には、こんな人間が何人もいるようである。  その人間たちは子供の頃より貧乏であったため、中学校、高校では将来のことを心配するあまり、今生きている時間の希少性に目を向けなかった。  家では親に対しての不平不満を募らせ、学校ではその貴重な時間を噛みしめて生きるということをしなかった。ただ本人たちは将来におびえ、今できることを必死でやっていたに過ぎないのだ。  彼らは大学に入ってからそのことに気づく、あるいは就職してから、もしかするともっと後から……。しかし、気

          【短編エッセイ・日常】 若者たちは将来どんなことを後悔する?

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 4/4

           朝早起きしてしまったためか、犬たちは疲れて日が落ちる前にはぐっすり眠りについていた。    しかし、その睡眠は軽い爆発音により中断されてしまった。 「ん、何? 今度は何だよ、今日はやべえな」  2匹は仲良く飛び出し、辺りの状況を確認する。 「全く、なんなのよ。校舎の中も物騒になったわね」  隣の住処から、白い猫が優雅に現れた。 「おい、白いの。お前、朝は何してたんだよ。今日ものすごいことが起こったんだぞ」 「何が起ころうと知らないよ、そんなの。私は朝から、大事な

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 4/4

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 3/4

          ”キュウウウウウ!”  空が青白く校舎を照らし始めた明け方、分厚いゴムで地面を無理やり引きずるような音が犬たちの耳を打った。 「おい、なんだなんだ? 運動場の方でものすごくでかい音が聞こえたぞ」  2匹は飛び起きると、一目散に音のした方へ走り出す。  運動場が視界に入ると、先程まで元気に跳ね回っていた犬たちの四肢は急に固まった。 「何だよあれ……。おい、やばいぞ逃げよう」 「ちょっと待て。と、とりあえず状況を整理しよう。………………あれは人間が移動に使っている道具

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 3/4

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 2/4

           休憩場所の側では外灯が一日中灯っている。  犬たちは、自分たちが眠くなるまでおしゃべりしたり、追いかけっこをしたりして、明かりと安全を満喫している。 「さっきの話だけどさ……。他のやつを気にしてる人間、この前見たぞ。飯くれたやつなんだけど、飯食べてる間ずっと俺に四角い器械を向けて来やがった。何やってるのかとその機械を見に行ったんだが、どうやら他の人間と俺の姿について会話していたらしい。意思疎通に使う記号は理解できなかったが……、いちいち報告しないといけないほど他のやつが

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 2/4

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 1/4

           校舎の門はまだ開いたままである。  2匹の犬は、今日も息を切らしながら門をくぐる。 「なあ、最近この学校、夜になると入れなくなったよな」 「ああ、そうだな。俺たちみたいな野良は、夜安全に過ごす場所が必要だってのに……」 「なんでも最近、人間の大人が子供を襲ってるらしいぞ」 「へえ、あいつらって俺たちよりも頭良いらしいけど、やることはあんまり変わらないんだな。食ってるのか?」 「いや、飢え死にするようなやつは見たことないぞ。そんなことにでもならないと、普通仲間食った

          【短編小説・非日常】 にんげんっていいの? 1/4