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エッセイストのさらけ出し

エッセイを読むのが好きだが、私が面白いと感じるエッセイストの方々はみんな自分をさらけ出している。

さくらももこなんて、自分の祖父が死んだ時に喜んだ話とか、昔書いていた乙女な妄想日記とか、人に公表するのをはばかられるような話を、それはそれは面白く書いている。

先日読んだ光浦靖子のエッセイで、思春期の甥っ子にイラついた心境を書いてあるのを読んだ時には、「思春期の甥がこれを読んでもっと不機嫌になりはしないだろうか」と、要らぬ心配をしたりした。

本当に知られたくないことはもちろん活字にはしないだろうが、私からしたらかなりのレベルのさらけ出しである。
周りのことを気にしすぎる私には到底できない芸当だし、本当にすごいと思う。
「この人たちにも家族や知り合いがいるよなぁ。よく書けるなぁ」とか思ってしまうような私にはいくら頑張っても面白いエッセイは書けないのかもしれない。

そういえば暮しの手帖の前編集長である松浦弥太郎さんは自身のエッセイで、文章を書くということは、ひとつ秘密を明らかにすることだ…というような話をしていた。

小心者の私が今さらけ出せる秘密は、口内炎が痛い…という程度のものである。

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