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「Honda FCである」ということ(第26回JFL第11節・Honda FC対ヴィアティン三重)


注意:今回の記事はいつもに増して個人的な意見の塊となっております。ご承知おきの上、お読みください。
なお、試合スケジュールの都合上、過日に試合を消化したフットサル、記録更新期日を迎えたダイエットの記事よりも先に投稿することをお詫び申し上げます。

10節を終えて。上り調子

JFLもいざ始まれば早いもので、全30節のリーグのうち、1/3が終了した。
我らがHondaFCは現在高知ユナイテッドSC、FCティアモ枚方に続く3位につけており、いよいよエンジンが掛かったかなどと言われつつある。
まあ事実クリアソン新宿戦から3連勝。鬼門と思われたブリオベッカ浦安戦も筆者の願いのおかげか1-0で無事踏破し、上位対決という山場だった沖縄SV戦も3-0の完勝ともなれば、さもありなんである。
攻撃陣はともかくとして守備陣は10試合で5失点、複数失点は高知戦のみともなれば、今なお強さは堅持されてると言ってもいいだろう。よっていよいよ逃げる高知を追い掛けるべく、さらなる連勝へと向けて。Honda FCは突き進んでいく。そう信じて「いた」。

試合前:常よりも明確なる期待と不安

さて、この度筆者はなんとアウェイは四日市市中央緑地公園陸上競技場まで出向き、試合を観戦した。いろいろあって友人との小旅行に組み込ませてもらった形(友人には超感謝!)なのだが、道中筆者にはメチャクチャな不安があった。それは……

ターンオーバーの予感である。

ターンオーバー。近年ではすっかりおなじみとなったサッカーの総合戦略の1つ。日程などを考慮して意図的にメンバーを調整する手法。今回Honda FCにこれを使う機会がある可能性を感じていたのは、本試合の直後、現時点で明日となる6/12(水)に、こちらの試合が控えていたからである。

第104回全日本サッカー 選手権大会(通称天皇杯)2回戦・ヴァンフォーレ甲府(J2)戦。

Honda FCに詳しい方、筆者のサッカー観戦録を熟読なさっておられる方ならご存知だろうが、Honda FCは建前だけでなく本気で「JFLと天皇杯の二冠獲り」を目指しているチームである。それだけではない。天皇杯、プロとの対決。そこでの勝利ともなれば、ニュース等での露出が増え、チーム知名度の向上、Honda FCを所有する自社――すなわち本田技研工業――の宣伝に繋がることは明白なのだ。すなわちHonda FCにとって、リーグ戦の1試合よりも、負けたら終わりの天皇杯の方が価値があるとみなす可能性があった。これが、筆者の恐れだったのである。

そしてその予感は……まさに最悪の形で的中した。

今回もHonda FC公式X(https://x.com/Honda_FC)及びHonda FC公式サイト(http://www.honda-fc.gr.jp/)、そしてHonda FC公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@hondafc6752)から公式情報を引用しました(もちろん、怒られたら消します。悪しからず)。

結果を受けて:「Honda FC」とは

0-2。反則からのフリーキックとコーナーキック。流れからの失点はなくとも、スーパーゴールとセットプレーで沈んでしまった。
守備陣が沈んだのであれば、攻撃陣が取り返せば良いという話にはなるのだが、その攻撃についてもこの日は冴えなかった。雨ということもあってかパス攻撃が機能せず、セカンドボールを奪われる事案も多発。
終盤になって13番FW岡﨑優希選手や10番MF富田湧也選手の投入で繋がりが生まれたものの、後は守り切ればいいだけの三重の前に、ゴールを割ることは叶わなかった。結果として、ヴィアティン三重に14戦目での初勝利を許してしまったのである。

この事態がなぜ起きたのか。原因は明白である。ターンオーバーだ。前節から6人スタメンを入れ替え、21番GK楠本祐規選手、5番MF鈴木雄也選手、7番松本和樹選手といった支柱級の選手が(事情はともかくとして)メンバー外。この決断が、レギュラーとサブの間にあるなんらかの差(筆者は素人なので明言はできない)が、上記した悲しくなる結果をもたらしてしまった、と言う他ないのだろう。実に悲しいことではあるのだが、今のHonda FC25人は、誰が出ても強い、Honda FCである、という状況には至っていないのだろう。

さて、表題、副題にもしたが「Honda FCである」とはどういうことなのか。あくまで筆者の個人的意見ではあるのだが、以下の2点がそれを表すと考えている。

・JFLの王、またはそれに近しい地位であること
・Jリーグ(特にJ2、J1勢)を相手に、引かずに戦いを挑めること

つまるところ、少々過激ではあるが「ナメられたら負け」に尽きるのだと思う。「ターンオーバーだから勝てる」、「アマチュアだから楽勝だ」。そんな風に思われたら、Honda FCはその価値を、存在意義を失うのだ。なぜならHonda FCは、「Jリーグを目指さないチーム」である。それでいて「天皇杯とJFLの二冠を目指すチーム」である。そんなチームが他者からナメられたら? 終わりである。負けである。屋台骨が、チームの根幹が揺らいでしまう。
そんな風になったHonda FCを、決して良くはない日本の経済情勢の中、本田技研工業が部活として存続させるだろうか? 正直わからない。わからないということは、つまり廃部の可能性が否定できない。すなわち、Honda FCはHonda FCでなくてはならない。「強者」でなくてはならないのだ。

……少々熱くなってしまった気がするので、話を試合のことに戻す。ここまで散々にターンオーバーのことを批判してしまったが、天皇杯のことを考えれば、少なからず必要だったことは否めない。なにせ中2日なのだ。90分走り続けるというのは、一般人には想像もつかないほどの労苦である。疲労回復が追い付かなければ、コンディション最悪で当日を迎えることになってしまうのだ。故に、ターンオーバーは必要不可欠だった。

だがそれでも、ここまで露骨にやる必要はあったか? という考えは浮かんでしまう。無論、誰だって負けたくてプレーしているわけではないし、サブの面々とてここでレギュラーへの足掛かりを掴みたいと思っていたはずだ。

結果を見てから物を申しているようで恐縮ではあるが、たとえば上記したベンチ外の3人、そのうちの1人を帯同させるだけでも、結果は変わったかもしれない。スタメンとサブを、1人入れ替えただけでも、結果が変わったかもしれない。そう考えると、振り上げた拳を下ろさざるを得なくて、「こっから勝ちましょう」としか言えなくなるのだ。そんな悲しい、敗北だった。

次節……もとい今週。ここまでしたからには

さて。今回はアウェイまで遠征したが、次回のホームゲームは今週6/16(日)、ラインメール青森戦である。去年エコパで引き分けた、因縁の相手だ。これには筆者も、参戦予定である。

そして先述した通り、明日6/12(水)、第104回全日本サッカー 選手権大会(通称天皇杯)2回戦・ヴァンフォーレ甲府(J2)戦が行われる。なおこちらは筆者、どうあがいても参戦は叶わなかった……(だからこそ、配信が欲しかったんですけどね……つらい。念飛ばそ……)。

「ここ」である。「この試合」である。このヴァンフォーレ甲府戦に勝てなければ、今回の試合における采配がすべて無駄になってしまうのである。上位追撃のための一戦を落としてまで天皇杯に照準を合わせたであろう意味が、すべて消え果ててしまうのである。だからこそ、私はX(旧Twitter)でサーチしながら念を飛ばすのだ。勝て! Honda FC! 勝ってその魂を、Honda FCたるを見せてくれ!


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