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円城塔著「道化師の蝶」をネタバレ含めて自分勝手に妄想考察してみた。


みんなのフォトギャラリーより、ぽつ様からイラストをお借りしました。
色合いがとても素敵で、はじめて見たときから、ずっとこのイラストを使用して記事を書きたいなと思っていました。なので、大好きな小説の記事を書きました。今回、ようやく使わせていただきましたので、こおどりしています。惜しむべきは、このイラストの全体が入っていないことです。なにか方法はないかと探したのですが、なかったので、あきらめました。なので、代わりといっては、おこがましいですが、イラストに負けぬよう記事の内容を充実させたつもりです。
ありがとうございます。




はじめましての方は、はじめまして。
何度かお会いした方は、何度目まして。


喋々(ちょうちょう)ともうします。
どうぞ、よしなに。



この記事はnoteの「#読書の秋2022」の読書感想文として出しているものですが、個人的に書こうとしていたものと、たまたま時期がちょうど重なったため、これ幸いと、投稿しました。

書こうと思ってから、できあがるまで一ヶ月以上かかっています。
遅すぎますね。
証拠になるかわかりませんが、この↓つぶやきをあげたときからですね。
書いていたのは。

はいさて。

考察だけど読書感想文に出しているのは、考察にしてはわきが甘いという自覚があるからです。というか、本当に読書感想文です。
というか、妄想でしかない。


けれど、芥川賞の小説って面白いなあと思わせてくれた思い出深い小説でもあります。



ではでは、円城塔著「道化師の蝶」について、おはなししていきます。

私は、この小説が大好きで、手元においているのですが。
まずは、なぜ購入し読むことになったのかについてから、おはなします。

本の出会いって、大事だと思うんだ…。















「道化師の蝶」との出会い


「道化師の蝶」は一言でいうなら「芥川賞受賞作品」です。
当時、私はこういう文学賞をとった小説に関しては、むずかしいんだろうなと思っていました。

円城塔さんは、田中慎弥さんと同時に受賞されました。
二人同時受賞の芥川賞は、とくに珍しいことでもなかったです。
こういうとき、どちらか一方に注目が集まることが多いように感じるのですが、きっと気のせいでしょう。


当時のメディアは、こぞって田中慎弥さんの方を目立たせていました。
おそらく受賞後の田中慎弥さんのインタビューのせいでもあると思います。


そんな中、円城塔さんのインタビュー内容は、だいたいこんな感じでした。


※喋々さんの妄想が入っています。

わあ、受賞できてすごく嬉しいです。
ありがとうございます。
友人の遺作のつづきを書いて出版する計画がありますので、こちらもよろしくおねがいしますね。


うろ覚えですが、だいたいこんな感じでした。
まあ、普通ですよね。
次回作の構想があるというのも、作家をつづけていくという意志表明ですし。もともと円城塔さんのファンの方がいれば、すごく嬉しいインタビュー内容です。
わかりやすいですし。
忘れっぽい私でも、わかりやすかったですし。

ただ、私はこのインタビュー記事を読む前に、「道化師の蝶」の新聞広告をみていました。
いわゆる、推薦文がのっているのですが、こんな感じでした。

※喋々さんのおぼろげな記憶です。

「二回よんでもわからなかった」



…え?



…どういうこと?




ちなみに、どなたかは忘れましたが、芥川賞の選考者の言葉です。

少しだけ、読んでみたいなという気持ちがわいてきました。
読んでもわからない本が認められて、芥川賞をとるというロマンにひかれましてね。
でも、縁がなくてあきらめていたんです。


それから、数年後。それでも今から、数年前。
新中古書店ハンターとなった私は「道化師の蝶」を手に入れたのです…!


けど、一番購入の決め手になったのは、表紙の美しさですね。
本のジャケット買い。本を買う基準としては、多いと思いますよ。
本を読むきっかけとしては、いいんじゃないでしょうか。





「道化師の蝶」を読み通すには音読が便利


「道化師の蝶」を手に入れた私は、こうも思いました。
最後まで読みきれるかな? と。


そこで、私が編み出した方法は、音読でした。
するすると、物語の世界に入っていけるのです。


あと、読んでいて、びっくりしたことがあって。
音読したとたんに、読みやすくなるのです。
これには、本当におどろきました。


黙読で読みにくいと感じた文章は、音読するとあらたな発見があるかもしれないですね。

それで、一番はじめに読み通した感想としては。
「これは、すごい」でした。

なにがすごいって、文章を読んでいるのに、まったく理解ができないことです。これは、本当におどろいた。


この記事を書くにあたって、全部ではありませんが、だいたいのnoteにある「道化師の蝶」の感想を読みました。
私と同じ感想をもつ人が、ちらほらいらっしゃいました。

その後「道化師の蝶」は、私の10冊もない「好きな小説リスト」に加えられ、今、この記事を書くために再び読まれた感じです。

読みにくい本は音読で読むと、読みやすくなるかもよ。
という情報をはなしたうえで、次へ。




なぜ2回読んでも「道化師の蝶」はわからないのか?




まあ、いろいろ原因はあります。
私が感じた違和感としては。


・登場人物の見た目が、ほぼ、わからない。
・章ごとに並んでいるのに、内容がつながっているのかわからない。
・誰が誰かわからない。
・小説のオチがわからない。
・突然、登場して目立つキャラがいる。
・そもそも作者がなんの意図があって書いたのかわからない。


だいたい、こんな感じだと思います。
ほかにもいろいろあるでしょうけど、私が感じた違和感はだいたいこんな感じですね。


一つ一つを明らかにしてもいいですが、こういうのは一つの結論を述べてから話はじめた方がいいので、まずは結論から。

というのも、この本は結論ありきで読まなければ読み解けません。
この結論というのは、持論とイコールになっています。
その理由はのちのち説明しますね。


あ、ここから先はストーリー上のネタバレを多く含みます。
なので、ネタバレを気にしていらっしゃる方は、即座にお戻りください。
以下、長い空欄ののち、はじめさせていただきます。







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  。


茶番につきあっていただき、ありがとうございます。



ここからさきはネタバレありです。結論からおはなしします。



結論、登場人物で本名が出ている人物がいないため「道化師の蝶」はわからない。


さてこそ以上、読んだことがない人は「どういうこと?」となりますが、よーく読むとわかります。


まずは登場人物を章ごとに、まとめていきます。ついでに、だいたいの話のあらすじをを乱暴にまとめていきます。
なお、章タイトルはなく、ナンバリングはローマ数字となっています。調べてないですが、本文を読む限りではラテン語からきてる可能性が高いです。
あと、小説の冒頭である文章については、今回は言及しません。
今回の記事には関係ありませんのでね。
一応、言及しない理由としては、いわゆる推理小説にある別の本からの引用でないかと思っています。格言のようなものですね。
ただ、引用がないため創作の可能性が高いです。
引用するなら、必ずタイトルと著者名が入るので。
まあ、適当な想像です。かるく流してください。


あと、※で表記されている人物は、ストーリー上にいるとされている人物です。本文にいるけど、実際いるかはわからない人という認識で大丈夫です。



で、ここが重要なんですが。
この小説は第一人称で書かれています。
一人称はすべて「わたし」。
だれですか。

なので一人称の「わたし」という語りべには、名前のあとに、☆(わたし)★という表記をつけておきますね。

そして、ここから先の性別は、生物学的性別というていでおはなししてます。ご了承ください。


まとめると、



こんな感じの書き方になります。



章のナンバリング

登場人物

・その章に登場する人物 ☆(わたし)★

※その章には名前のみ登場するが、☆(わたし)★と会話しない。
 なんかいる人物という感じです。

ストーリー

その章のおおまかすぎるあらすじ





では、整理していきましょう。


登場人物

・旅本人 ☆(わたし)★
「旅の間に読む本があればいいなー」と思いながら、20冊以上の本を持ち歩き、読めなくて、旅先で本を買い足して読めない人。
これから先は『旅本人』と呼びます。


・A・A・エイブラムス
『旅本人』にはなしかけてきた乗客。なぜか、容姿の説明が事細かにされている。本当になぜ?

※鱗翅目研究者
A・A・エイブラムスの話に登場する。蝶々を鑑定した人。老人っぽい口調ではなす。『道化師の蝶』の学名『A・A・エイブラムス』の名づけ親。


ストーリー

大筋は『旅本人』と『A・A・エイブラムス』が飛行機内で会話をしている話。『A・A・エイブラムス』に関する記述が多い。




登場人物


・翻訳者 ☆(わたし)★
『猫の下で読むに限る』の翻訳者。
以下の文章では『翻訳者』とします。


※友幸友幸
『猫の下で読むに限る』の著者とされている。
たくさんの言葉をはなせたうえに、書いたとされる。
A・A・エイブラムスが追っていたとされている。


ストーリー

小説『猫の下で読むに限る』の「まえがき」らしき文章。



登場人物

・友幸友幸(Ⅲ)  ☆(わたし)★
料理したり刺繍したり文章書いたりしている人。
おそらく、友幸友幸だと思われるため、ここでは友幸友幸(Ⅲ)とさせていただく。


・友幸友幸(Ⅲ)に刺繍を教えてくれるおばあさん。
今回の記事では取り上げないが、念のために紹介しておく。
後々の記事で紹介しそうなので。


※飛行機内にいる女性二人
おそらくⅠの『旅本人』と『A・A・エイブラムス』だと思われるが、わからない。もしもそうであるならば、性別が仮にであるが確定する。ただし、断定はできない。



ストーリー

友幸友幸(Ⅲ)だと思われる人物の生活が描かれている。ひんぱんに移動しており、パスポートを大量に所持している。
最後は飛行機内のシーンで終わる。




登場人物


・翻訳者 ☆(わたし)★
A・A・エイブラムス記念館エージェント。『猫の下で読むに限る』の翻訳をしたと書かれているため、ここでは『翻訳者』と同一人物であると考える。


・係員
『翻訳者』が彼女と言及しており、女性であるとも考えられる。これより先は『係員』と呼ぶ。


※A・A・エイブラムス
この章で「子宮頸癌」で亡くなったとされており、生物学的女性であると判明する。


ストーリー

『翻訳者』がA・A・エイブラムス記念館にレポートを提出しに行く話。
ただし、この章が「道化師の蝶」を混乱させるきっかけを生んでいる。



登場人物


・友幸友幸(Ⅴ)  ☆(わたし)★
おそらく、『係員』であり『友幸友幸』である人物。断定ができないため、ここでは『友幸友幸(Ⅴ)』とする。


・老人 ☆(わたし)★
鱗翅目の研究者と名のっている。つまりはⅠで出てきた『鱗翅目研究者』である可能性が高い。


・A・A・エイブラムス(Ⅴ)
『老人』である『鱗翅目研究者』に、男性であるとされている。
ただし、この男は『鱗翅目研究者』に『A・A・エイブラムス』であるとされているだけである。
ここから先は、『A・A・エイブラムス(Ⅴ)』とする。

・道化師の蝶 ☆(わたし)★
人ではない、存在しない蝶々。
学名『A・A・エイブラムス』。
おそらく、『友幸友幸』であり、たぶん『旅本人』の頭の中へ行く。
どういうことなのか。



ストーリー

Ⅳにでてきた『係員』が『友幸友幸』であると判明する。
そして、『鱗翅目研究者』が『A・A・エイブラムス』になる前の男に蝶が発見されているものと伝える。
『道化師の蝶』はようやく解放され、『旅本人』の頭に卵をうみつける。
一番混乱する章である。






驚異の「わたし」の多さ


いや、ちょっと待ってとツッコミたい気持ちはわかりますが、登場人物の名前が明記されてないから、こういう紹介の仕方しかできない。

で、さっきの結論に至るわけです。

もしかして、本名で登場している登場人物がいないのではないか? と。

これが「道化師の蝶」をわかりにくくしている最大の要因であると思います。


Ⅰ 「A・A・エイブラムス」は自身の名前を蝶からとったとされています。

Ⅱ 「友幸友幸」は本名である可能性は低いとの示唆があります。

Ⅲ そもそも誰も名前がわからない。

Ⅳ 誰も名前がわからない。

Ⅴ 示唆に富むはなしは多いが、誰も名のっていない。


そして、Ⅰ~Ⅴに登場する「わたし」は誰であるか明示されていません。

まさかのミステリーでいう「信用ならない語り手」を体感するとは…。

小説って、面白いですね!



まあ、極端なはなし、全員同一人物だとも考えられてしまうし、全員違う人間であるとも捉えられてしまうわけです。

それで、私のとってつけたような妄想力という名の考察で、だいたいの人数はこのくらいじゃないかと仮定しました。
『 』内は存在していると確定している人物で、名前は私が勝手にそうであると断定したものです。



Ⅰ 3人登場

『旅本人』

『A・A・エイブラムス』

『鱗翅目研究者』


Ⅱ 1人登場

『翻訳者』



Ⅲ 3人登場。うち二人はⅠからの同一人物。

『友幸友幸』

『飛行機内の二人の女性』=『旅本人』と『A・A・エイブラムス』



Ⅳ 2人登場。うち1人はⅡからの同一人物。『係員』については後ほど。

『A・A・エイブラムス記念館エージェント』=『翻訳者』

『係員』


Ⅴ 

『係員』=『友幸友幸』=『道化師の蝶』

『老人』=『鱗翅目研究者』

*『A・A・エイブラムス』

*『旅本人』

*似ているが、生物学的性別が違うためそのような役割をむりやりあてがわれた。



つまり、「道化師の蝶」の登場人物は、たったの5人しかいないことになります。

あと、生物学的性別は、

『旅本人』 女性

『A・A・エイブラムス』 女性

『鱗翅目研究者』 男性

『翻訳者』 男性

『友幸友幸』 女性

で構成されていると思います。

まあ、いろいろツッコミどころが多いので、私が考えた疑問に、私が反論していきます。



自問自答なQ&A


ここから先の性別は、生物学的という部分を省略させていただきます。
つまり、以下の文章は、

生物学的男性=(生物学的)男性=男性

生物学的女性=(生物学的)女性=女性

ということで、お願いいたします。
どうしても、省略して書かないときっついので…。
すみません。
では、Q&Aをどうぞ。


Q1 結局、『A・A・エイブラムス』の性別を女性と言い切っている理由は?

A1 理由は二つあります。

一つめの理由は、Ⅱの『友幸友幸』が乗っていた飛行機にいる『飛行機内の二人の女性』です。
『飛行機内の二人の女性』=『旅本人』と『A・A・エイブラムス』と私は断定しています。

Ⅰの場面と重ねあわせてみていますが、お読みになった方はおわかりの通り、口調が違います。
しかし、『友幸友幸』が多言語作家であるとするなら、はなし言葉をどのように聞こえるかは、『友幸友幸』の裁量にゆだねられます。

そして、Ⅰの場面で『旅本人』はたどたどしくはなしています。
おそらく、母国語ははなしていないと考えるのが、自然でしょう。

つまり、言語が母国語でなければ、細かい文章のニュアンスは聞き手にゆだねられるのではないかと思われます。
すべての章が「わたし」で構成されているのは、日本語特有の一人称という感覚をなくしたかったからかと。英語の翻訳において「I」は「わたし」と訳すのが定石ですしね。

二つ目の理由としては、子宮頸がんです。
これは女性にしかあらわれないものであるため、『A・A・エイブラムス』が女性であることのあらわれです。
生物学的な特徴は変えられません。

また、Ⅴにて『鱗翅目研究者』が『A・A・エイブラムス』を男性であると言ったり、そもそも『A・A・エイブラムス』との表記が『エイブラムス氏』と書かれているため、男性であるという見方もできますが、生前は生物学的な性別を偽って活動していたという可能性が高いです。

見た目から性別を断定するのは、難しかったりしますからね。
まあ、すでにこの自問自答で一つの矛盾がでていますが、目をつむってください。




Q2 『友幸友幸』を女性だと思ったのはなぜ?


A2 これは、ⅣとⅤがつづいていると思ったからです。

そもそも『友幸友幸』はⅡの時点で『翻訳者』が『友幸友幸』の著作を出版する際に、便宜上つけた名前です。
ここで『友幸友幸』が男性であるという記述がありますが、おそらく『友幸友幸』の同居人である可能性が高いとも思われます。同居人についての記述はⅢに書かれています。
というのも目撃情報が誰によってもたらされたものか、わからないため信憑性が薄いと決めつけています。


それに、『友幸友幸』がみつからないのは、いたって目立たない格好をしていたからということもあるでしょう。
また、『友幸友幸』が、ひたすら移動していたのは『道化師の蝶』によるものだと思います。


『友幸友幸』が網を作成できるという示唆が、Ⅲで登場します。
ただ、『友幸友幸』が網を編んだ覚えがあるけど忘れた、また編んだりするだろうと考えており、Ⅴに『係員』である『友幸友幸』が網を作成する伏線になっています。
Ⅳの『翻訳者』が『ミスター友幸友幸』と呼ばれているのを悪い冗談と言い切っているため、『友幸友幸』ではないと思われます。

では、なぜ『友幸友幸』であるのかといえば、『友幸友幸』の頭に『道化師の蝶』がいれば説明がつくからです。

『道化師の蝶』が卵を生むため、女性であると示唆されています。そのため、『友幸友幸』が女性である可能性も高いと思います。

おそらく『友幸友幸』が、ただひたすらに様々なものを作りつづけていたのは、『友幸友幸』の頭の中にいる『道化師の蝶』が次世代への繁殖方法を探していたと思われます。

ここでⅤで登場する『道化師の蝶』と繁殖方法が異なるのは、Ⅴにて『道化師の蝶』自身が「繁殖方法探すの面倒なの」みたいなことを明かしているため、そうなのではないかなーという期待を込めた考察ですね。

…というか、『友幸友幸』の性別は本当にわからないです。
なんか簡単にわかる記述があればいいのですが『道化師の蝶』とイコールで考えると、性別がどちらか本当にわからない…。

ここの説明を考えるだけでも、女性と男性の間をいったりきたりしていました。本当に謎。わからん。

でも『友幸友幸』=『道化師の蝶』は、この記事のなかでは確定とさせていただきます。



Q3 そもそも『道化師の蝶』とは?

A3 新種で架空の蝶々で、性別が雌。

Ⅴにて『旅本人』と同じ考え方をもつ人間の頭の中に卵をうむ。
おそらく、男性の頭の中に卵を生みつける。

ただし、繁殖方法が5W1HやTPOのようなものにより異なるため、個体数が少なすぎるそうです。

見えない蝶々だけど生き物なのだろうなあ。
つまりは、死んでない幽霊みたいなものだと思っています。
まあ、幽霊が子供を増やせるのかという謎もありますが。
BLEACHでも死神の貴族みたいな方々がいらっしゃいますので、きっと血統をつづけるような方法があったのでしょう。
きっと、たぶん、おそらく。



Q4 『旅本人』や『翻訳者』は、どうして名前がないの?

A4 作者(円城塔)のみぞ知る。

いや、読み進めていくと、この二人も同一人物じゃないだろうか?
みたいになっていくと思います。
今回は関係ないので、はぶきました。
特に重要な情報者ないから、省略したのでは? と私は勝手に思っております。
たぶん、違う。




Q5 Ⅲで登場する「おばあちゃん」を紹介したのはどうして?

A5 違う解釈をする場合、鍵になりそうなので。

そもそも、友幸友幸=女性だと思ったのも、このおばあちゃんのせいです。
まあ、人によると思いますが、おばあちゃんのセリフに「昔の女性の仕事といえばこれしかなかった」がありまして。
このセリフを言うということは、相手は女性なのではないかなと。
つまりは、友幸友幸は女性じゃないかなと。
見た目ではね、性別がわからない人は本当にわからないので。

友幸友幸は、おばあちゃんに会うなり刺繍を習っているため、女性なら警戒されないのではないかなーと。
まあ、でも。わからないです。
ところ違えば、いろいろな考え方があるでしょうし。

あと、なんやかんやで、友幸友幸も来た当初は警戒されてはいたみたいですね。それは、よそ者が来たら当然の反応ですので、現実感があって私は好きな描写です。





乱暴にまとめた結論なのに、横道にそれていく


まず仮説でしかない結論をおはなしすると『本名で登場している人物がいないため、登場人物をしぼり、そのうえで物語に整合性をつけて読み解く』ということです。

具体的な手順としては、




Ⅰ 章ごとに出てくる登場人物をまとめていく。

Ⅱ 章ごとに出てくる登場人物の同一人物を考える。その際に生物学的性別の概念を持ち出すと私がすごく便利。

Ⅲ まとめたうえで、正しいかどうかを精査していく。

Ⅳ さまざまなほころびが、たくさん出てくる。

Ⅴ 多くのことに目をつむり、この記事ができる。



だいたいこんな感じでつくりました。


一番肝心なのは、ⅣとⅤですね。
研究者でなければ、多くのことに目をつむっていいと思います。


身近にある電子機器類って、使えるけど仕組みがわからないものが多いでしょう?

調べたらわかる。でも、イチからつくるとなると大変。

そういう感じですね。


つまり、この記事はどうがんばっても「読書感想文」以上の意味をもたないわけです。

なのに、考察とかいってるのは、一応理由がありまして。
書いているうちに気づいたのです。

「これ、感想文にしては、わたし(喋々)のことなにも書かれていないな」と。

いやいや、感想文だからね。
感じたことを書けばいいんだよ。

で、書いたら、案の定かたい文章になったなーと。

ということで、まあ、こんな感じになりました。


今回は「人物の生物学的性別」にスポットをあてて、多くのことに目をつむり書いたわけです。


なにかしらの軸をみつけないと、こういうのを読み解くのはキッツいですね。すごく楽しいですけどね。大変でしたけど。









帯のコピーに隠された謎


さて、選考委員の一人に「2回読んでもわからなかった」といわしめた、「道化師の蝶」なぜ、芥川賞を受賞できたのか?

選評を読んでいないので、私の憶測でしかないのですが、おそらく選考者全員、違う受け取り方をし、あらすじを作成する段階でつまずいたのだと思います。
その証拠に、小説の帯の混乱具合がすごいです。

手元にある帯のコピーを確認しましたが、あらすじが二つあるような感じになっています。
しかも、あらすじが、あらすじになっていません。
ガイド機能の役割はありますが、明確にこういう物語であるとは書かれていません。
帯のコピー書く人、かなり大変だっただろうなあ。


念のため、ネットで同時期に受賞した田中慎弥著「共喰い」の帯を確認しましたが、ものすごく物語のあらすじがわかりやすく書かれています。
さらに同時収録のあらすじにも触れられており、非常にわかりやすいです。
「道化師の蝶」にいたっては、あらすじが二つあるような感じになっています。でも、この方法しかとれなかったのは、よくわかる。
だって、読むたびに内容が変わるのだもの。
ちなみに「道化師の蝶」は、もう一つの短編も収録されております。
「道化師の蝶」の帯にその記述はありません。
うん。仕方ない。


そもそも、カバーデザインすらも、混乱しています。
本文を読めば、わかるのですが「道化師の蝶」の細かい描写とは、かけ離れたデザインです。
私も某サイトの某ファンアートを見て気づきました。
そういえば、道化師の蝶は、けっこう凝ったつくりだったねと。
ちなみに私は読み終わってから数年後に、その事実に気がつきました。
人って、思い込みで生きてますね!


でも、それでいいのだと思います。
カバーデザインは著者の意向が含まれてもいるでしょうし。
なお、調べきれなかったのですが、カバーデザインを担当されている方は、某バイク雑誌のデザインを担当されているようです。


なるほど、「移動」されている方である。
そうそう「道化師の蝶」は「移動」という点から読んでも面白いかもしれませんよ。


まあ、確証がないので、某バイク雑誌のデザインの方が、カバーデザインを担当された方と、同姓同名の可能性も否定できませんが。

真実は作者(円城塔)のみぞ知る。







読みたくなった人へ向けてのためにならない助言


これから、読む人にむけて、アドバイスを送るとしたら「真面目に読まない」ってことですかね。
私も真面目には読んでいません、真面目に読んではいけません。


真面目=悪いではなく。

今までの作品の蓄積で読む=読み解けない。

自分なりの決めつけで読む=読むたびに新しい発見が得られる。

こう、いつ読んでも違う読書体験ができるともいいます。
肩の力をぬいて、読みましょうってことですね。
本来の読書というのは、そういうものだと私は思います。


また、帯のコピーに書かれている「猫の下で読むに限る」劇中劇だとしたら、全てひっくり返ります。

この感想文の意味が無に帰します。

それでもいいし、それが楽しいのです。
十人十色の読書感想文ができあがる本なんて、私には面白い以外の感想が浮かびません。

何人かで全力で読み解いた「道化師の蝶」の感想文を読んでみたい…。

おそらく、探せばあるのかもしれませんが、できればnoteで読みたいと思う今日この頃です。

まあ、その前に私が別解釈の「道化師の蝶」をあげている可能性が高い。
こういうのは自給自足が一番はやかったりしますしね。

別に、泣いてないし強がってませんよ。
気のせいです。はい。






noteの「#読書の秋2022」に参加した感想


こういう読書感想文で、推薦図書が決まってるのも好きですが、なんでも自由に書いていいのよ。というのは、本当に嬉しい。


なんか、いろいろ考えちゃうんですよね。
書き方がこうで、とか。
こうやって書かないとだめ、とか。
こういうこと書くとマズイかな、とか。
こんなに書けないよ、とか。


人の目を気にしていると、好き勝手できない。
ただ、この人の目というのは『ルールが明示されている場合』と『ルールが一個人によって明示されている場合』では対応が異なってくるのが厄介ですよね。
人の目を気にしない=なにをしてもいい。というわけでもないです。
自己責任でおえることを明確にすれば、あとはどうにかなる気がする。
いや、そうしないと私は生きていけないだけなのですが。

どんなに準備してても、不測の事態は避けられませんからね。
それを面白く思えるようにつとめてまいります。
はい。


話がそれましたが、円城塔さんの小説を読んでると、そういう「小説の暗黙化されたルール」って気にしなくていいことなのだなと思います。
原稿用紙の書き方さえ守れば、なにを書いてもいい。
そういうことですね。
いや、「小説の書き方」にも、そういうふうに書いている本があるなあ。
ただ、読者目線を自分の小説にもちこめるかというのが、かなり難しい気がします。なに書いても、自分の小説はひいき目で見ちゃうので。


自分で小説を書いたとき、一番気になるのは伝わるかどうかです。
もう、本当に伝わらない。
おかしいくらいに、伝わらない。
完全に私の研鑽がたりないのでしょうねえ。
だから、タイトルに凝らなくていいやと思っています。
シンプルにしすぎるというよりも、面白そうなのがいいですね。

思いつかなかったら、わかりやすいのにしてます。
おお、はなしがそれていく、それていく。



さてこそ以上、おはなしはこのくらいにして、一人でも「道化師の蝶」人口が増えることを祈って、さらにnoteで感想文を見れますように。
まあ、あんまり期待はしてません。
好きな本を好きなように語っている方が好きなので。

もしも、すすめられた本を読みたい方がいれば、お読みいただければなあ。
そのくらいですね。

まあ、でも。

好きな小説をまだまだ紹介しきれていませんので。
まずは10冊、紹介できるように今後、精進いたします。


この考察も間違ってるかもしれないけど、こうやって文字で残せたことに意味がある。
満足です。




では、ご縁があれば、またお会いしましょうね。











あー、大変だったけど、楽しかった!
これから他の人の読書感想文読むの楽しみ!














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